【記念すべき初100mile】音羽山100 2020
音羽山100(100マイル)
9/19シガウマラ族の高級変態練習会
総走行距離156K 累積獲得標高10,000m
トータルタイム 26:18:00
各周回ラップ
①10:00 13:49 一周3:49:00
②13:49 17:40 一周3:51:00
③17:40 21:43 一周4:03:00
④21:43 02:16 一周4:31:00
⑤02:16 07:11 一周4:55:00
⑥07:11 12:18 一周5:07:00
市役所ランナーズクラブ内で変態だの変態王だの呼ばれるようになり、早2年?ほど。世間にはもっと変態がいる事をシガウマラというチームに入って認識する。滋賀を活動拠点とするトレイルランチームなのだが、関西圏もしくは東京にも族員はいる。決まった定期練はなく、各自がやりたい練習のとき、参加者を募る方法でしばしば有志練が開催される。有志練習のコンテンツは主にトレイルロング練が多い気がする。自分でも変態を豪語しているが、この族員の中には、練習で30キロ走るのに、大津の集合場所に高島から夜明け前から走ってくるような変態がいる。到底考えられない変態度。
そんなシガウマラ発信で開催された音羽山100マイル。レースではなく、練習会形式だが、ゼッケンは用意され、長等公園にはエイドも設置され、さながらレース感覚を受ける。この練習会に族員プラス知り合い伝いに招待された関西の濃厚な変態ランナーが30名ほど集まった。
当日の天候は晴れ。暑くもなく快適なコンディション。スタート前は和気藹々とした雰囲気でこれから始まる過酷な地獄巡りを感じることはできなかった。土曜日朝10時予定通りスタート。
1/6ラップ 10:00〜13:49 3:49
目標は一周4時間、合計24時間でゴールする事だった。試走の感じで、ゆっくりいって4時間内で回れたので、一周目は余裕でクリアしないといけない。とりあえず最初の音羽山までの登りも全部ゆっくり走る。1人のランナーが僕3周で計画リタイアするので、板垣さんと同じペースで行ってみますと。ちょっとペース乱された感があるが、途中で離れてくれて、ここからはマイペース。音羽山山頂に登り返す手前の牛尾観音までの階段も一応走っておく。そして長等公園まで下り、自車での休憩を含め4時間を切って、次のラップへ。
2/6ラップ 13:49〜17:40 3:51
長等公園手前の駐車場で自車で補給を済ませているので、長等公園エイドはチェックしてもらう程度。コーラを一口飲んで出発。2周目からライトを一応頭に付けておくが、まだ昼間である。このままライトいらんなーと思いつつ明るいうちに2周目フィニッシュ。
3/6ラップ 17:40〜21:43 4:03
3周目に入ると、暗くなりライトオン。音羽山までの登りは良かったが、鳴滝不動尊までの倒木の多いテクニカルな下り箇所で、夜の難しさを感じる事になる。かなり集中していないと、頭打ったり足元滑ったりする。目が疲れるのもあるし、60キロ超えてくると足も徐々に疲れてくる。後続のランナーとすれ違いポイントですれ違うようになる。ちょうど3周目の音羽山から下る時に、音羽山山頂に向かうシガウマラ族長とすれ違い、あり得ない差にビックリされる。
4/6ラップ 21:43〜02:16 4:31
半分を終え、長等公園のエイドが餃子やポテトが置いてあり応援者も増えていて、賑やかになっていた。ここからが自分の真価が問われる。ここまで78キロ、5,000m上昇。自分のパフォーマンスは80キロまでは保証されている。と思う。音羽山までの最初の登りがそれまでよりキツく感じる。歩きが大半になっていた。だが富士見台からの登り返しは走れる足はまだあった。ここから参加者を周回で追いつく事ができると計算していた。なので、夜の山での孤独感は薄れた。なおかつメガソーラー地点で臨時エイドを設けてもらい、いただいたコーラを飲みオアシスを感じ、5分ほど休ませてもらった。深夜に差し掛かっているが、眠たさはまったくない。眠たさよりも義務感が勝つ。ただペースはガタ落ちのため、一周4時間は到底無理で、トータル24時間もこのラップで諦める事になり、目標は完走することだけ考えることに。
5/6ラップ 02:16〜07:11 4:55
約100キロ。17時間走ってきた疲れもだいぶあり、長等公園で座り込んでカップラーメンを食べさせてもらい、ゆっくりする。もう登りは全歩きじゃないと無理と発言する。音羽山の登りも角度がどんどんキツく感じ、壁に思える。全歩きなのに呼吸も乱れ、苦しい苦しい。山頂に着くと平阪氏に遭遇。少し元気が出る。僕は5周目、彼は4周目。僕はあとこの周と最後の周で終われるが、彼はさらにあと一周行かないといけない。かわいそうに。としか思えなかった。早くこの地獄のループから抜け出したい、誰もがそう思っている時間帯のはずである。一緒に鳴滝不動尊まで下る。速いやないか。私は鳴滝不動尊の清潔と言い難い説のある水をガブガブ飲み干す。毎周ガブガブ飲んでいる。もう水の透明度がどうとかどうでもいい。水がないと生きていけない、活動不能になると思えば、気にしない。この周回では下り箇所も苦しくなり、音羽山の登り返しの頃には明るくなっていた。
6/6ラップ 07:11〜12:18 5:07
もうここまでくると、完走は手の届くところにやってきた。一応参加者の中ではずっと先頭を走っていて、走るからには先頭で終えたいと思っていた。2番のランナーとの差もかなりあるので、ハイキングで回ってもおそらく大丈夫と気持ちは楽であった。もう登りは全歩き。走れるのは下りと斜度の全くない平地のみ。少しでも斜度があれば歩きを交えてしまう疲労度。さらに下りが明らか遅くて、普段の半分のスピードになってしまっている。そのため、最後音羽山から国道に下りるルートがかなり長く感じた。そして、長等公園までの坂をテクテク歩き、フィニッシュ。156キロ、10,000m上昇の地獄ループを誰よりも早く抜け出せた。
やっと終わった。寝ずに26時間も走った事ない、意外に眠たさは大丈夫だった。体中が疲労しており、上半身もガチガチ。終わってからはヨチヨチとしか歩けなかった。その後、やってくるランナーをボケ〜と観察する。あと一周今から行くというランナーを数人見送ったが、もう、かわいそうに。と思う気持ちよりも、すげー、今から26キロ走るんやー、と哀れみから尊敬に変わっていた。中でも2回目のライトを装着して再び夜の山に挑む気持ちの強さに心を打たれた。平阪氏もあと一周行けそう?と聞いたら、ここで辞める選択肢はないやろと強く返答があったのがとてもかっこよかった。その後果敢に最終周に挑んだランナーは順次無事フィニッシュされていた。
ハードなコースであり、周回形式が心を折りにくる。まさに自分との戦い。各々が限界を超えて、ボロボロでも戦う。何のために戦うのか、答えはない。これは練習会である。完走しても何も貰えない。お疲れ様と声をかけてもらえるくらいである。何のためにこの感じた事のないような疲れを得たのか。分からない。終わって時間の経つ今も分からないが、長等公園の近くを通るだけで、ぼんやり楽しかったなと切なさをただただ感じる。単なる練習会で、そんな多くない人数でパラパラ走っただけでも、なぜだか分からない魅力があったのは事実なのかと思われる。これが公式レース形式の100マイルなら。もっと楽しい感覚を得られるのかと思うと、次が楽しみになるという。
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