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【ライバル達との自分史に残る激戦!】飛騨位山トレイルラン2018

初めて参加。地元が高山市である平阪氏とともにエントリー。前日は平阪家に泊めていただく。かれこれ3回目の平阪家宿泊。ご家族にもだいぶ覚えていただいたと思う。ぐっすり眠れて万全の状態で当日を迎える事が出来た。

大会公式Facebookでは、出場ランナーの紹介をしていて、有力ランナーを知る事が出来た。それを見ると愕然とする。ミドルレンジで日本トップクラスの大杉哲也さん、去年の優勝者でこの夏のTJAR(ご存知ない方は検索してみて下さい)優勝者の垣内さん、国内数多くのトレイルレースで入賞実績のある神奈川から参戦の成瀬さん、飛騨高山で有名な実業団ランナー谷口さん、かっとび伊吹やアクトレップ主催大会で好成績の加野さん…と紹介されているランナーだけでも厳しい顔ぶれである。さらに前日受付のエントリーリストを見ると去年の若狭路トレイルランで15分ほど差をつけられて優勝した樋山さんも出場する事を知り、絶望的な気分になる。幸い1〜6位は表彰対象であったため、そこに入れるかどうか…というところである。前日情報でTJARの垣内さんはDNSと知る。幸か不幸か微妙であるが、ライバルは1人減った。

スタートして最初は登り林道を進む。トップ集団に入って走っていくも、3キロを過ぎると、日本トップクラス大杉さんと実業団谷口さんに離されてしまう。3番手に位置する。登り林道が終わると、急登箇所へ進むのであるが、その手前T字路で前の2人が少し道を間違え、戻ってきた大杉さんと合流することになった。道間違えたー、ゆっくり行ってて良かったーと話されていたが、ゆっくりやったんかい!と言いたかった。実業団谷口さんはさらにコース復帰に時間がかかった模様。大杉さんに続いて2番手に位置する。急登箇所で大杉さんについていく。急な斜面でも小刻みに走っていく大杉さん。走れないもののとりあえずパワーウォークで差をつけられないようにした。息も絶え絶えではあるが、10キロ地点までついていけた。その地点でケガによるレースDNSの平阪氏がカメラを構えている事を発見。日本トップクラスの大杉さんと一緒に走っているシーンを撮って欲しくて満面の笑みで通過する。大杉さんのコースロスを知らない平阪氏はさぞかしビックリしただろう。

その後、大杉さんについていくも急に登るスピードが上がる、スピードを上げたのか、自分が疲れたのか…ついていく事を断念。15キロ地点くらいから稜線を走る尾根ラン箇所となる。この頃、後ろから迫る2つの足音。振り返ると、コースロスをした実業団谷口さんと筋肉質の赤いタンクトップ(後で確認すると加野さん)が迫ってきた。実業団谷口さんは少しコースロスをしても迫れる走力がある事に驚いた。一気に疲れてペースが落ち、この2人に抜かれ、4番手にダウン。序盤の林道で飛ばしたせいか、大杉さんについていこうとしたせいか、とにかく疲れてペースが落ちた。ここは我慢の時間帯だと経験から知っていたので、一旦マイペースを心掛ける。尾根ランが終わると少し下っていく。下り道で実業団谷口さんに追いつく。下りは苦手そうな事を確認。そして、22キロ地点のエイドに揃って到達。

ちなみに第1エイドは9キロ地点にあったが、大杉さんがスルーしたため、同じくスルーしていた。ここで水分を補給する。日差しが暑くなっていた。補給を終え、谷口さんと再び林道を駆けていく。実業団ランナーである谷口さんは調べると全盛期にはフルマラソンを2時間20分を切って走っておられるようだ、年齢は47歳であるが、未だ衰える事ない走力を携えていた。ただロードとトレイルは違うので、果たしてどんな展開になるのかとスタート前は思っていたが、トレイルシューズにトレイルザック(レース仕様で最軽量のもの)で挑んでおられたため、当レースにもかなりの本意気である。ここまでは下りが少し苦手なのかなと思う以外は相当な強さを感じていた。ここでの林道でもスピードがあった。谷口さんについて走るも、暑くてへばり気味。途中小川の水たまりがあったため、ドボンと浸かる。冷たくて気持ち良かった。いつまでも入っていたいこの水風呂。この間に谷口さんは遠くに行ってしまった。すぐに出て谷口さんを追いかけるも追いつかない。そのまま4番手で林道の折り返しが近づいてきた。

最初に折り返して来たのはミドルレンジ日本トップクラスの大杉さん。5分ほどの差だろうか。次にやってきたのは、実業団谷口さんで、差がなくかっとび伊吹上位の加野さん。ここですぐ比叡山マイラーの私も折り返す。2〜4番手はほぼ差がない。気になる後続は…1分後くらい後に神奈川からのエリート刺客成瀬さん、すぐ若狭路チャンピオン樋山さんと続く。5.6番手がすぐ後ろにいる現実。吐きそうな展開。入賞ラインを外れる7番手ランナーもそこから少し離れた程度に控えていた。これはマズい。一歩間違えたら一気に7番手まで転落する怖れがある。このデッドヒートは本当に嫌である。気が抜けない。しかし、暑いから再び先ほどのドボンポイントで水浴びをする。すぐに出て同じ林道を帰っていき、28キロエイドに4番手をキープして到達。3番手の加野さんとはほぼ同着。

ここから、高さ100mほど下り、今大会最大の難所1キロで500mほど登る急登箇所へ。ここに着くと同時に5、6番手だった成瀬さん、樋山さんが追いついてきて3〜6番手が団子状態となった。急登到達順は、大杉さん、谷口さん、私、加野さん、樋山さん、成瀬さん。ここで若狭路チャンピオン樋山さんが勝負に出る。一気に3番手まで上がり、登るペースを速めていく。加野さんにも前を行かれていたため、5番手まで転落した。後ろにも成瀬さんが位置する。地獄の急登となった。樋山さんのペースにはついていけないものの、すぐ前の加野さんにはついていかなければと思う一方、ここも我慢の時間帯であり、マイペースを心掛ける。1キロで500m登るため斜度がもの凄く急で、階段の段差が大きく一歩一歩が体力を奪う。我慢して加野さんに付いて登っていると、前に実業団谷口さんが見えた。谷口さんは小柄であり、ここの階段の段差は不利であった。その点長身の樋山さんは有利であり、緻密な作戦だったのかと思い知らされる。とりあえず谷口さんを抜き、4番手に上がった。ここで後ろを振り返ると成瀬さんが遅れていた。よし、いい感じ。

そして最大の難所の急登を終えた。終えたら、前半に通った稜線の尾根ランの復路を辿る。道が平らになり、加野さんが疲れている事が分かった。加野さんを抜き3番手まで上昇。自分の中ではレースでの作戦は無かったが、このある程度走れるトレイルで力が少し残っていた。稜線を終えると残り6キロのダウンヒルのみの為、実際順位を決めるのは、体力の差が出るこの区間。目一杯飛ばした。スピードがあったかどうか分からないが、追い込むだけ追い込む。すると間もなく前を行く樋山さんを発見。樋山さんのスピードが明らかに落ちている。これはチャンスとばかりに後ろに付く。樋山さんは私の存在に気付き、振り替えると相当焦った表情に見えた。これはイケる。樋山さんを抜き、2番手に。よしっ、ここから逃げるだけ逃げてやると。アップダウンがある区間で、最後の追い込みは相当苦しかった。位山山頂でスタッフの人がいるも、返答する余裕もない。とりあえず早くダウンヒルが始まってほしい、しかし長い。相当長く感じた稜線尾根ランだった。

そして残り5キロの表示あり。もう下るだけである。下りを飛ばすことで、転倒やケガのリスクが高くなる。しかし、そんなことどうでもいい。とりあえずライバル達に勝ちたい。その一心で下り、最後のスキー場ゲレンデが見えた。何度か後ろを振り返っても誰も追って来ない。ゴールが見えた、最後はスキーでいう直滑降が出来るコースで、気持ちよくゴール。平阪氏も見届けてくれた。1位の大杉さんには届かなかったが、力の均衡する強豪達には競り勝てた。とても満足。大杉さんとは6分差。3位で降りてきたのは、成瀬さんだった。以下加野さん、樋山さん…と続く。谷口さんは7位まで落ちていた。

表彰式では、憧れの日本トップクラスの大杉さんの隣で賞状を受け取れた。大杉さんと同じ表彰台に上がる事が1つの夢だった。それが達成できて本当に満足。しかしながら、大杉さんのコメントは余裕でした!とか調子が悪かったと発言あり。それを聞いて少しメラメラと思う部分があった。それは今後の新たな目標にしたいと思う。道中競い合ったライバル達とは仲良くなれたので、このような大会に参加出来て良かったと飛騨高山をますます好きになりました。

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