LNG、少し詳しく知りたい方へ。

  • 日経記事の要約
    米国の液化天然ガス(LNG)輸出が2023年、初めて国別で世界首位。
    欧州がエネルギーの脱ロシア依存を狙い、米国からの輸入を大きく増やした
    日本勢も官民で米国からの調達拡大を狙う。
    【2024年1月7日】
    米LNG輸出、23年初の首位 豪州・カタール上回る。脱ロシア、欧州向け増

  • LNGについての基本情報
    LNG(リキッド ナチュラル ガス)は液化天然ガスの略で、メタンが主成分です。ヨーロッパなどではパイプをつないでガスの輸送をしている。日本では、国外のガスを-162度で1/600の体積に液化し、専用タンカーで輸入。国内では液化された状態で利用されています。(余談だが、そこで生じる冷熱を利用してクロマグロの冷凍保管やサーモンの陸上養殖の実証実験が行われている)

  • 2006年、アメリカでシェール革命が起こる。シェールガス(シェールガス(深くて固い地層から採取される天然ガス)と一緒に原油も採掘でき、アメリカは資源国になりました。

  • 日本の発電の8割以上は火力発電で、LNGが全体の3割以上を占めており、最も使用されている火力資源である。東日本大震災前までは原子力が多く用いられていたが、操業を中止後はLNGの割合が増加してきた。

  • LNGの現在地について

    LNGが注目される理由の1つにCO2の排出量が他の化石燃料よりも少ない事が上げられる事で、世界的な需要は高い。また、LNG火力発電は、出力の調整がしやすく、太陽光発電の変動を吸収する電源という側面もあり、24時間連続で運転する石炭火力発電とは役割が大きく異なる。脱炭素社会への移行期間中の低炭素エネルギーとして存在感が高まっている。

    しかし、LNGを採掘する際に二酸化炭素が排出されることも問題視されています。また、燃焼時には少なくともCO2が排出されます。排出量0を目指し、水素と二酸化炭素からメタン(都市ガス)を製造するメタネーションという技術が注目されている。合成メタンの利用は2030年までに開始。2050年までには90%に置き換えることを目標に

  • 今後の予測
    LNGの争奪戦が起こる。国内では、原子力が再開・再エネ発電により、需要が伸び悩んでいる。一方で、世界・中国・欧州の需要は急増しており、供給が間に合っていない現状がある。権益ではなく、スポット価格で購入すると費用が急増し、電力価格に影響するリスクも。将来的には必要がなくなるLNGではあるが、脱炭素社会に向け、他資源による発電量や技術を見て、輸入量のバランスを取っていく必要があるのではないか。

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