【ネタバレあり】岸辺露伴 ルーヴルへ行く【感想】
岸辺露伴シリーズはNHKのドラマ化でその存在を知った。だがその時はただ面白そうだなと思ったものの、結局ドラマも見ず、原作を読むこともしなかった。この度その岸辺露伴が映画化すると聞き及び、まずは原作を読んでみることにした。
🕸小説の話🕸
昨年ゴールデンカムイと出会い、今でこそ聖地を巡り、ヲタ活をしているが、元々は漫画もアニメもあまり見ない。だが小説はよく読む。特に●●奇譚みたいな話が好きだ。作家で言えば、江戸川乱歩、安部公房、小林泰三、乙一、白井智之、等々。
中でも山白朝子による著作「エムブリヲ奇譚」と「私のサイクロプス」の2冊は、これまで読んだどの小説よりもお気に入りだ。旅本作家 和泉蝋庵と荷物持ちの耳彦が旅の途中で迷い込む奇妙な世界を描いた奇譚集で、ホラーとミステリーとファンタジーが三位一体となったような独特の世界観がたまらなくクセになる。今このnoteを読んでいる岸辺露伴シリーズのファンの方なら、きっと好きになるに違いない。また実はこの和泉蝋庵シリーズ、とある有名作家が山白朝子名義で書いている小説なのだ。小説もよく読むという方には、一体誰の著作なのかも想像しながら読んでみて欲しい。
🕸コミックとドラマの話🕸
さて、そんなわたしが岸辺露伴シリーズを好きになったのは必然であった。クセのある主人公に負けじと個性溢れる登場人物の面々。現実世界を舞台としながら、気づけば異世界に足を踏み入れている、そんな現実と虚構の間にある物語がわたしは好きだ。
Amazon Primeにドラマ版もあったので、すかさず見た。結論から言えば、とても素晴らしかった。建物にファッション、音楽や小道具の数々。どこか現実離れした登場人物たちも、微に入り細を穿ち創り上げられた世界観に違和感なく溶け込んでいた。原作を忠実に再現しているというわけではない。露伴先生も大切にしている、リアリティというやつだ。二次元の作品だったものが生命を吹き込まれ、現代の日本に抜け出してきたような感じがした。
そしてなんと言っても、キャストの妙である。自分、半分優しさでできてますみたいな常時の高橋一生からは微塵も岸辺露伴みを感じないのに、ドラマの中では優しさの権化 高橋一生は身を潜め、ちゃんと岸辺露伴岸辺露伴しているのである。また泉ちゃんがずっと可愛い。コミックでは「エピソード#05 富豪村」一話にしか出てこなかった泉京香だが、露伴先生の担当編集として毎話登場することにしてくれた制作陣の皆々様方には、感謝しかない。
🕸映画の話🕸
6月6日の水曜日、仕事終わりに映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を観てきた。6月3日(土)にコミックを読破し、6月4日(日)までにドラマを見終え、映画を観に行くまでに要した期間、わずか3日である。普段映画もあまり見ないので、映画館に映画を観に行くのはおそらく名探偵ピカチュウぶりではないかと思う。
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映画もまた素晴らしかった。露伴先生と担当編集泉ちゃんの名コンビは相変わらず健在で、品のある建物に華のある衣装、緻密に創り上げられた世界観を劇場の大きなスクリーンで見ると、自分も物語の世界に迷い込んだような没入体験ができてとてもよかった。
また原作にはなかったストーリーや、より深掘りをした物語なども多くあり、原作を読んでいても新鮮な気持ちで映画を楽しむことができた。特に山村仁左右衛門のエピソードが深く印象に残っている。原作では露伴の先祖の罪として描かれていた仁左右衛門だが、映画ではこの世で最も邪悪な絵を描き遺すに至った彼の半生が語られている。仁左右衛門を演じるのもまた高橋一生。何かに取り憑かれたようにご神木に斧を振るい、墨を浴びる姿には怖くてちょっと泣いた。怪演とはきっとああいったもののことを言うのだろうと思う。
ヘブンズ・ドアーという特殊な能力を持ち、人間離れした漫画のキャラクターとしての印象が強かった岸辺露伴だが、今回の映画を通して、血の通った人間味のある一面が色濃くなったように思う。天真爛漫で底抜けに明るい泉ちゃんにも知られざる過去があり、過去と向き合い前向きに生きている姿を垣間見れたこともとてもよかった。
🕸終わりに🕸
古より連綿と続くヲタクの世界では、原作コミックの実写化はあまり良く思われないという話をよく聞く。好きになったコミックの実写化第一号が岸辺露伴シリーズだったわたしは運がよかったのかもしれない。
映画が始まる前に劇場の入り口で大判のポストカードを貰い、なんとか折らずに持ち帰る方法を模索していたのだが、終わってみれば無意識のうちにパンフレットを購入していたので全くの杞憂だった。劇中で露伴がかけていた祖母の形見であるサングラスを、何の注釈もなく泉ちゃん演じる飯豊まりえちゃんがかけているショットが載っているので、皆さんも漏れなくパンフレットを買うことをおすすめする。
手首の角度は直角90°を保つ
各指は曲げずに真っ直ぐを保つ
手のひらを前へ
ひじも真っ直ぐ
手首の角度は直角を保ったまま
一本ずつ指を折る
1 2 3 4 5…
ちゃららら〜ん♪(あの音楽)
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