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しあわせの絵の具



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前々から気になっていた「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」を鑑賞。2018年に日本でも公開されていて、私の大好きなアーティストがオススメしていたので一度観てみたいと思っていたのをようやく。

主人公はカナダ人の画家 モード・ルイスで演じたのはシェイプ・オブ・ウォーターでも有名なサリー・ホーキンス。この方、本当演技が天才的に上手すぎる。シェイプ・オブ・ウォーターを鑑賞した時も思ったが、この映画は動きや仕草、笑い方なんて本人にそのものだった。エヴェレット・ルイス(モードの旦那)役のイーサン・ホークも良かった。作中ほとんど2人の日常で一生を描いていたが観ていてつまらないなんてことはなく、あっという間の2時間だった。

思ったことをつらつらと

何ってまずモードの描く絵が素敵すぎて好みだった。舞台はカナダののどかな田舎町だと思うんだけど、そこで触れる様々な自然や日常を彼女の世界観で描いている。若年性リウマチを抱えて身体が不自由な彼女にとってきっと旅して様々なものに触れるよりもあの家にいて窓から見る景色を描くことが何より大切だったのかなと思った。

「家の中に誰が絵を描いていいと言った?」とエヴァレットがモードに訪ねた時、「あなたよ、あなたが家の中を綺麗にしろって言ったのよ」というモード。

モードにとって家に絵を描くことは”汚す”ことではなく”綺麗”にすること。以前の家では叔母に「汚さないでちょうだい」と言われていただけに余計素敵な言葉だなと思ったし、エヴァレットもそれに対して怒らなかったのが画家、モード・ルイスの始まりだったと考えるとどんな形であれ二人は愛のある夫婦だなと思わせるシーンでもある。

作中で「窓と絵筆があればいい」というようなことを話していて、それが彼女の人生を表しているのだなと思った。私もそんな人生を歩んでみたい。

最後のシーンはモードが亡くなって、エヴァレットと二人が過ごした家のシーンだったのだが、私はこの作品の中で一番いい!と思った。モードを失ったことにより、エヴェレットは家の前に出していた絵の売り出し看板をしまい、家のドアを閉め、真っ暗、、、と思いきや、毎日毎日モードが絵を描いていた小さな机と椅子の前には窓があってそこから光が差し込んでいる。うまく言葉にはできないが胸がキュッとなるような終わり方であった。





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