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先行開幕の愛知ダービーで「ココロ、たぎる。」

2022年9月29日。普通の人にとってはなんでもない木曜日であったが、バスケファンにとっては待ちに待った一日であった。この日は男子バスケのトップリーグであるBリーグが開幕する日なのだ。
そしてBリーグで定着されつつある先行開幕。この日1試合のみ先行で開幕戦を行うという試みである。今年の先行開幕の舞台はバスケ王国愛知県。名古屋ダイヤモンドドルフィンズの本拠地であるドルフィンズアリーナが選ばれた。

ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)

・B1に愛知の4チーム揃ったシーズン

開幕カードが発表されたのは同年7月。2022-23シーズンよりファイティングイーグルス名古屋(FE名古屋)がB1昇格を果たしB1に愛知県のチームが4チーム揃うこととなった。各チームをさらっと紹介する。

・三遠ネオフェニックス

B1中地区所属。このチームは三遠エリア(東三河・遠州)を本拠地としており、遠州(静岡県西部)でも試合を行う。
ここ数年の低迷からオフにチームを大幅に刷新。フロント、HC、選手、演出面まで大きく変わることとなった。千葉Jを常勝軍団に育て上げた大野HCやMVP経験もある金丸らを獲得。フィットすれば今年のダークホースになるだろう。

三遠ネオフェニックス(写真は2021-22シーズンより)

・シーホース三河

B1中地区所属。三河と銘打っているが、三遠が東三河をカバーしているためこちらは西三河をメインに活動している。昨年はわずか1勝の差でCS進出を逃した古豪。NBA経験者のカイル・オクインなどを補強し古豪復活を図る。

シーホース三河(写真は2021-22シーズンより)

・ファイティングイーグルス名古屋

B1西地区所属。略称はFE名古屋。2021-22シーズンのB2リーグで年間王者となり初のB1に参戦。正直本拠地のキャパシティ的には心配であったが何とかクリアしたようだ。B2昇格のために実力者を積極的に補強。今年もB1経験者を複数名迎え入れた。初のB1でどれだけ戦えるか注目である。

ファイティングイーグルス名古屋(写真は2021-22シーズンより)

・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

B1西地区所属。略称は名古屋D。2021-22シーズンは愛知県のチームとして唯一CSに出場したが怪我人に苦しみ連敗して敗退。今年は現有メンバーを多く残しつつもモリス・ンドゥールを補強。悲願の優勝を目指す。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(写真は2021-22シーズンより)

・開幕カード発表から開幕当日まで

2022年7月7日、Bリーグの開幕カードが発表された。そして先行開幕のカードとして「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ VS シーホース三河」が選ばれた。

この2チームはBリーグ誕生前から長年同じ愛知県のライバルとして切磋琢磨してきた歴史がある。前述の通りB1に4チーム愛知県のチームが誕生した年に初めて愛知県で先行開幕するということに対し島田慎二チェアマンは以下のように話している。

今年の先出し開幕に選んだのは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ VS シーホース三河(以下、名古屋・三河)先シーズン、ファイティング・イーグルス名古屋が昇格して愛知県に4つのB1クラブがひしめく激戦区になったことを受け、このエリアがB.LEAGUEの盛り上がりに必要不可欠な存在であり、主体的に盛り上げていきたいというリーグの意志が大きな選定ポイントとなりました。

島田慎二氏のnoteより

私はチケット発売日当日にチケットを確保。その後、ダイナミックプライシングでチケット代がどんどん上がっていったことを考えると早めに買ったのは正解だったようだ。

・開幕戦当日

2022年9月29日、開幕戦当日を迎えた。この日早めに用事を切り上げてドルフィンズアリーナに向かったところ・・・。

本当に平日か?
特に一般入場待機列は三河ブースターが大半を占めていた。この時点でアウェイジャックが予想された。実際にシーホースのアリーナMCであるコバタクさん(小林拓一郎さん)や所属タレントのタツヲも来場していた。


タツヲは試合前にはこの日解説として来ていた親友の川村卓也さん(三河と三菱電機名古屋の両方に在籍経験あり)とハイタッチしたり試合後にはアリーナの清掃作業を手伝っていた。相変わらず憎めないやつである。

三河ブースターに囲まれつつ入場。地面を見てみると・・・

これが三菱電機の技術力

地面に案内が照らされていた。これが三菱電機の技術力・・・!
そして着席。この日の席は関係者席のすぐ近くだった。正直こんなに近いとは思わなかった。

関係者席から斜め上からのアングルだから見やすい

この日デビューとなったのは選手だけではない。新アリーナMCの行天貴之さんも公式戦ではこの日が初戦(PSM含めると2試合目)。翌日、自身が担当するラジオ番組では「緊張で食事が喉が通らなかった」と話していた。ミスも少なからずはあったが、前任者の空気を尊重しつつ聞き取りやすいアナウンスだったとは思う。

そして試合が開始される。試合は序盤を除いて終始ドルフィンズのペースで進む。1Qのラストではマークを外したスコット・エサトン(名古屋D)がブザービートを決め会場を盛り上げる。
さらにこの日一番会場が沸いたシーンは3Q終盤にあったコティ・クラーク(名古屋D)のフェイントダンクかつ背面パスからのモリス・ンドゥール(名古屋D)のダンク!連携バッチリであった。

最終的に名古屋Dが101点を取り勝利。三河も86点を取るなど攻撃力は健在だったが、ディフェンス面に課題を残す結果となった。
試合後、関係者席にいた大村愛知県知事が手を振って退場していった。知事は試合前のスピーチでも名古屋Dのユニフォームを着つつも青色のマスクをするなどなるべく立場上公平さを保とうとしていた気がする(知事本人は三河の出身だが)。また他の3チームの本拠地を訪れることも公言している。なおシーズン中に知事としての任期が満了する模様

名古屋Dは土曜日の同カードでも勝利し、Bリーグになってからは初めて三河戦の勝ち越しを決めた。

・まとめ

名古屋で初の先行開幕だったが、4000人以上の観客を集めるなど会場の盛り上がりは最高潮であった。しかしその一方で国営放送ではBSはおろか名古屋地区での放送もなかった。ドルフィンズのメディアスポンサーは中京テレビだが、こちらでも録画を含めて放送はされなかった(Huluでは中継があった)。まだBリーグを知らない層に見てもらいたかった点だけは心残りだった。

しかしシーズンは始まったばかり。これからますますBリーグは盛り上がっていくことだろう。ここ数年流行り病のため試合消化できないチームが大半のため、今年こそは全チームが全試合消化できるよう祈っている。

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