どこでもドアの一般普及に関する問題点—不法侵入について—

どこでもドア。

自立するドア状の物体で、設置して扉を開けると任意の場所に行くことができる、アレ。
なんでかピンク色をしている。

「ドラえもんのひみつ道具で欲しいものは?」
というアンケートで、毎回確実に上位に入ってくるやつだろう。
ひみつ道具の中でもトップクラスに有名だし、実際とてつもなく便利だ。

僕も常々欲しいと思っている。
満員電車乗らなくていいとか、旅行の交通費いらんとか、メリットを考え始めたらキリがない。
生活のスケールが小さすぎて、みみっちい例えしか出てこないのが辛いが。

そんなどこでもドアだが、
「実際普及したらどうなる?」
という疑問について、ずっと考えている。
大学生の間もずっと考えてた。
人間、時間があると変なこと考えるから。

どこでもドアを一般に普及させる上での、問題点について。
これを真剣に考えていきたい。

わかりやすく言えば
「どこにでもワープできる手段が一般に普及したらどうなる?」
ということだ。
どこでもドアが例えとして一番わかりやすいので使わせてもらった。

ちなみに、どこでもドアは技術的に量産できているものとする。
じゃないと始まらないから。

あと、僕はドラえもんに対してフヤフヤボンヤリ、にわかもにわかの知識しかないため、
「原作でこんな記述があったよ!!」
「こんなエグい使い方してたよ!!」
などの情報があったら是非教えてほしい。

どこでもドアの不法侵入問題

とにもかくにも、まず浮かぶのは
「どこにでも侵入し放題!」
という問題。
どこでもドアなんだからそりゃそうだが、ちょっと考えるだけでとんでもない問題のオンパレード。

思い描けるすべての場所へのマスターキーを手に入れるだけじゃなく、
物理的な障害すらなくなるわけで。
のび太がしずかちゃんちの風呂に繋げちゃう、だけじゃ済まされないことが山ほど起きる。
(これも普通に許されないことだと思うが)

・明らかに入っちゃいけないところ(政府の施設とか、研究施設とか、データセンターとか)に入る
・会社や店舗や住居に侵入して、情報や財を盗んだり損壊したりする
・許可なく国境を越える
・犯罪を起こしながらも瞬時に逃走する

等々、その場に到達しさえすればできることなら、なんだってできるのだ。
(国境に関しては原作でも普通にやってない?)

もちろん現代でも可能性はある話だけど、
ありとあらゆる不法侵入とその後に起こる犯罪すべてのハードルが爆下がりする
というかハードル自体がなくなってしまう

しかも防ぐ手段もないのだ、現時点では。

何か起こしてもすぐ逃げられるし、アリバイとか意味ないし、犯人を絞り込むことすら困難になる。
どこでもドアの利用記録を追ったりするのだろうか。
捜査技術もそれ相応に進歩していることを願うしかない。

どこでもドア自体が普及するくらいだから、対抗するための技術も育っているかもしれない。
むしろ育つまでは一般普及はさせるべきではないだろう。
しかし、遅かれ早かれ一般に普及せざるを得なくなるので(便利すぎるから)、
どこでもドアに対抗しうるセキュリティ技術の開発に精力を注ぐべきなのは間違いない。


それにしても、こんなものをドラえもん一人が管理してるの怖すぎる。
それも、どこでもドアは持っている道具のごく一部に過ぎないなんて……

ドラえもんのセキュリティの怖さについてはさておき、
「不法侵入を防ぐにはどうしたらいいんだろうか?」
という問題に立ち返ろう。

区域を設定する

まずはゾーンを分けよう
「◯◯会社の敷地ゾーン」「しずかちゃんちの敷地ゾーン」など、
目的や管理者などの条件によってエリアを分けるのだ。
物理的な空間を分けるのだ。すごい技術。
どこでもドアが作れるなら、そんくらいの技術あるでしょ、知らんけど。

そして、ゾーンごとに、どこでもドアでアクセスできる人間や条件を設定する。
「◯◯学園に入れるのは、◯◯学園に在籍する生徒や職員だけ」とか、
「しずかちゃんちに入れるのは、しずかちゃんの家族だけ」とか。

公共の施設などを除いて、
基本的にはゾーンの条件以外を拒否し、臨時で入るべき人間が出たら、都度許可する、みたいな感じでいいんじゃないだろうか。
(非常時の初動が遅れるとかの問題はありそう)

この時点で、「どこでもドア」という名称が怪しくなった。
景品表示法に引っかかりそう。
(法律が許す限り)どこでもドアだ。

この方式を使うなら、個人に属性を付与するためのデータベースが必要になる。
現在あるものではマイナンバーだ。あらゆる属性をマイナンバーに紐付けておけば、権限の管理はしやすいかもしれない。
迅速で確実な認証と、安定したデータ連携、そして可用性を維持したままの高度なセキュリティが必須のシステムだ。

ゾーン設定も、プレの頃は特に問題がいっぱい起きそうだ。
ゾーンの設定ミス……
条件が反映されないバグ……
家の人を騙してゾーンの許可を得て押し入る詐欺……
悪意なく侵入しちゃって罪に問われる可哀想な人……
どこでもドアでアクセスしまくって処理落ちさせて侵入する攻撃……
終わらないメンテナンス……

もう嫌になってきた。どこでもドアってやっぱりいらないんじゃない?

めんどくさい問題がいっぱい出てくる

ゾーンについて、上空は何メートルまで設定するのか?
上限を設定した場合、それより上に転移することで、そこから垂直降下すれば侵入できてしまうのでは?
という問題もある。

どこでもドアは確かに便利なのだが、
「どこにでも移動できる」という性質がすごく厄介だ。
なにせ、物理的な抜け道が無数にある。
抜け道があるということは、必ずそこを攻撃してくる人間がいる。
そういうやつを別のひみつ道具とかでなんとかする(婉曲表現)方が早いかもしれない。

「◯◯のゾーン」と設定することは、「◯◯が所有するゾーン」ということになる。
占有なのか共有なのかをどう決めるかにもよるが、所有権とかでも色々揉めそうだ。

あと、◯◯ゾーンを指定できない場所(宇宙とか)はどうするとか。

どこでもドアが普及するということは、主な移動手段としてインフラになっているということだろうけど、
そもそもゾーンって誰が決めるのか。
ゾーンの条件を誰が管理するのか。
どこでもドアやゾーン設定周りが電力で動いてるとしたら、停電が起きたらどうなるのか。


考えていたら本当にダルくなったので、今回はこのあたりで。
続きは気が向いたらまた書こう。

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