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7月12日の鹿児島県知事選挙に対して思うこと

鹿児島県知事選挙の投開票日が近づいてきています。

私がMCをやっているラジオ番組でも、この1か月半を選挙特集にして、県域で行われるこの選挙を、鹿児島の未来をみんなで考える機会にしようとしております。


鹿児島県で過去4回行われた県域での選挙の投票率はこちらのような感じ。

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鹿児島県明るい選挙推進協議会事務局発行(鹿児島県明るい選挙推進協議会だより)第18号 令和2年3月27日 発行

H28 の参院選、H29の衆院選は55%前後、H31の県議選、R1参院選は45%前後で推移しています。過去2回については50%以下の投票率ということで、全有権者の過半数は選挙に行っていないということになります。

投票率については、前回の県議選の際にこのような記事を書きました。(結構踏み込んで書いたつもりで、当時としてはヒリヒリしながら公開ボタンを押しましたが、今読むとそんなに突っ込んだことは書いていないですね。。。)

↑こちらの記事は、投票率の低さを受け止めているような書きぶりになっています。この記事を書いたのは今から約1年前です。この当時の考え方について、今も大部分では変わっておりません。

けれど、さすがに今回ばかりは「投票率が低くても仕方がない」とは言えない状況だなと感じています。

新型コロナウイルス感染症の第2波第3波に備えるという点での公衆衛生の環境整備と、経済の落ち込みに対する対策のバランス。鹿児島国体の延期、ドルフィンポートの利用方針決定などの県政重要課題の推進。そして、昨今の現職の行動に関する報道。

すでに7名もの方が立候補を表明しておられることからも、今回の知事選に関する問題意識の高まりが見えます。

自分自身は、ラジオやテレビなどで選挙に関する報道に関わる可能性がありますので、特定の候補に対する応援を表明することは避けますが、私自身が県政のリーダーに一票を投じる際の考え方を記していきます。

1.そもそも県知事の役割とは

 県知事という言葉の定義は、こちら。

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(デジタル大辞泉より)

県を統括し、代表する最高責任者。これは、私なりの解釈ですと、2つの役割に分けられるように思います。

①民間企業や市民団体、各組織などの多様な関係者の全体に対して、「この地域はこういう方向を目指しますよ!」というビジョンを明確に示すリーダーとしての役割

②県庁という公的機関(一般行政部門だけでも5,000人超。教育部門と警察部門を加えると総勢20,000人以上の大組織)のリーダーとして、組織のミッション・ビジョンを適切に定義するとともに、スタッフの職務効果を最大化するマネージャーとしての役割

ひとことで言うと、「何を目指すかを明確に示し」、「どう実現するかを明確に伝え」「大きな組織をしっかりとけん引する」ということではないでしょうか。

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2.マニフェストはしっかり読もう

「何を目指すかを明確に示し、どう実現するかを明確に伝える」候補かどうかを判断する材料として、まずは見ておきたいのが各立候補予定者のマニフェスト(選挙公約)です。

マニフェストとは何か。いつから広がったのか。という点については、こちらのサイトが詳しいようです。

↑こちらのサイトでは、事後検証可能な公約、「政権公約」のことをマニフェストと定義しています。従来のいわゆる公約は事後検証不可能なばらまき型のものが多く、あまりにも公約や約束が軽すぎたので、「どうせ政治家は公約を破るものだ」という空気が広がったとのこと。その空気を変えるために1999年の統一地方選から取り組みが始まったのがマニフェストとのことです。

「マニフェストに何が書かれたとしても、そんなものは実現しない」という声はよく耳にします。けれども、マニフェストすらなければ検証自体がそもそも不可能になります。

マニフェストを掲げて当選した立候補予定者には、マニフェストに記載した政策を変更した際に説明責任が生じますし、我々有権者にはマニフェストを根拠に質問を投げかけることができます。

選挙は投票日という一点で運用されるものではなく、マニフェストを軸に向こう4年間を舞台に当選者と有権者でコミュニケーションを続けるものだと考えると、せっかく作られたマニフェストを見ずに投票するというのはとても危険なこととも言えます。

なお、マニフェストの大部分は選挙期間中に有権者に配布される選挙公報に記載されますが、期日前投票をされる方の中には選挙公報が手元に届く前に意思決定する必要が生じる場合もあります。

気になる候補のマニフェストは可能な限り参照されることをお勧めします。

3.公開討論会の様子を参照しよう

マニフェストは文字情報なので、文章を読みこむのが苦手な方にとってはストレスがかかります。そんな方にお勧めなのは、公開討論会です。

今回の県知事選挙でも、JCさんや各メディアによって公開討論会や座談会が企画・実施されています。

画面越しではありますが、各人の顔を見ながら主張に触れることで得られる情報はかなり多いです。

ちなみに、日本青年会議所の鹿児島ブロック協議会さんが主催された公開討論会のリンクはこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=H1aXwoX9jmE


4.周囲の人と議論してみよう

今回、選択肢が多い分、収集すべき情報も多岐にわたります。(私も各立候補予定者のHPを2日に1回チェックしていますが、関連報道に一通り目を通すだけでもそれなりに時間がかかります。)

忙しい日々の中で、選挙での投票についての情報収集にそこまでのエネルギーを避けない方も多いと思います。

そこで私が提案したいのは、周囲の人と議論していただくことです。

なお、私個人の経験でいいますと、実家の父も母も、「投票内容は家族といえども秘密にする。」という家庭で育ってきました。地域や家庭や勤務先の状況によっては、選挙や政治の話を忌避しておられるところもあろうかと思います。

今回は、ちょっとそういうわけにいかないような気がしております。

まず、選択肢が多い=調べるのが大変なので情報入手経路は増やしたい。
多面的に各候補の主張を検討するのが難しい=他者(信頼する人)の話を参考にしたい。

ということで、そろそろ、政治を身近なものにしていく必要があるように思うのです。

その際、「誰に投票する?」と聞いてしまうと、もし投票先が違っていた場合にちょっと気まずくなってしまう可能性があります。

そこで私がお勧めしたいのが「何を見て投票先を決める?」「決め手はなに?」というような聞き方です。

結果的に投票先が違う人との間であっても、こういう聞き方をしていくと対話が成立する可能性は高いように感じます。

最後に

選挙戦が近づくにつれ、SNS上では過激な物言いが目立ち始めました。

なかには特定の候補を貶めるような中傷や、支援者に対する個人攻撃なども散見されます。

戦後最大の立候補者予定数との見方もある今回の鹿児島県知事選挙ですが、選挙に立候補するというのは大変なことです。

全ての立候補予定者、その支援者、選挙に向けて鹿児島の未来を熱く語る全ての人の取り組みに、リスペクトを忘れないようにしたいなと思っております。

今回の選挙、みなさんはどんな風にむかえますか?


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