【vol.48 「できなかったこと」をできるようにすればいいんじゃない?と思っている人、絶対!読んでください】
前回は、「ありたい姿」を認識してから「できたことメモ」を見直すと、新しい疑問がわいてきて、成長意欲が高まることをお伝えしました。今回は、それについての心理的なロジックを解説していきましょう。
「できなかったこと」から振り返った場合の心の動き
人々が行動変容して、あるテーマの目標を達成していく。当然そこには「行動を変える」というプロセスが発生します。
まず、「できなかったこと」から振り返った場合。これは否定から入りますよね。「しまった できなかった」と否定から入ると、実は、強い不安が生まれます。
「やばい どうしよう」「やりたくないけど、ノルマが・・・」という強い不安です。
それによって、「自分には無理だ。やめておこう」という「逃避」行動が起きます。行動変容は起きないんですよね。「焦り 恐れ 強い不安」が生まれてくる。
これが、「できなかったこと」から振り返りをした場合のマインドの動きになります。結果的に「達成できない人になってしまう」、ということですよね。
「できたこと」から振り返った場合の心の動き
一方、「できたこと」から振り返った場合は、「承認」から入ります。「やった!できた」と自分のことを肯定的に捉えると、余裕ができて、周りの人の良い面もたくさん見えてきます。
この「やった!できた」という承認。自己承認から入りますから、それをもっと高める必要があるかと疑っても、「適度な不安」が生まれるだけなんですよね。
この「適度な不安」によって、「このやり方はベストではないな」「もっと別に方法ないかな」と、プラスの行動を増やすというマインドが働きます。行動を起こすことによって、「適度な不安」から脱出しようとするわけですね。
その結果、「挑戦」まずこれから取り組んでみようと、さらに自分を磨こうとする行動に移ります。
「できたこと」から振り返った場合の方が前向きな感情が生まれて、「自分はなかなか良くやってるな」「さらに高められるぞ」ということで、行動変容が起きやすくなるんですよね。
行動変容につながる「適度な不安」
皆さんお気づきでしょうか。「できなかったこと」から振り返ったときに生まれる「強い不安」、「できたこと」から振り返ったときの「適度な不安」、両方とも「不安」です。「不安」なんですけれども、「強い不安」は行動を抑制し、「適度な不安」は行動を促進します。
「できたこと」からスタートする。
これが、行動変容のためには重要だということを、押さえてもらえたらと思います。
参照
できたことノート p.134-137
クリティカル・シンキングと心の動き
月イチ10分「できたこと」を振り返りなさいp.86-92
「できたこと」が生み出す計り知れない効果