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ガラケー時代からCラーニングを活用してくださった阪井先生。ありがとうございました

学校や授業で活用するICTシステム「Cラーニング」は23年前の2001年9月に出荷されました。コミュニケーション・ラーニングの名のもとに教員と生徒の双方向のやり取りを実現できるツールです。
大講義室であっても、一人一人の学生の考えていることが瞬時にプロジェクターに投影されますので、アクティブな授業として協調学習環境が実現できる画期的なツールでした。

当時のデバイス端末はケータイ。いわゆ「ガラケー」です。一人一台もっていたケータイを学習端末と見立てて、ASPシステムである「Cラーニング」に繋げるデバイスとして利用したのです。

当時は授業中に持ち込み禁止だったケータイは教育に敵視されていました。
「事例を話してくれ」と教育委員会に頼まれて先生向けにプレゼンしたのに、ある教員から「あなたは私たちと子供たちのふれあいの機会を奪うのか!」と怒られたこともあります。(本当に泣きながら電車で帰りました)

ところが2008年ごろにスマホ、2010年ごろにタブレットがで始めると様相が変わります。もっと教育に使っていこうというムードや補助金が出たりして、積極活用に舵が切られることになります。

急にアウェーからホームになり、2001年当時と同じことを言っていても「先見の明」と言われるようになりました。

タブレット誕生からさらに10年が経った2020年。GIGAスクール構想が始まり、一人一台のPCが配られるようになり、学校ICTは黎明期を脱することになります。
その後の教育ICTの活況は皆さんも知っている通りです。

一昨日、長年(ガラケー時代から)Cラーニングを使ってくださった明治大学の阪井和男先生から、解約の申し込みがありました。昨年退任されていらっしゃいますので授業がないので活用しないとのことです。
長く使ってくださった阪井先生にお礼を述べるとともに、一つの時代が終了したんだなと思った次第です。

阪井先生に初めてお会いしたのは20年前の2003年ごろだと思います。
Cラーニングを初めて大学で使って頂いていた当時、佛教大学の西之園晴夫先生が「東京にいるならこの先生に会ったほうがいい」と紹介されてお会いしたものです。

すぐにCラーニングを明治大学の授業に取り入れてくださり、学生のガラケーを使って双方向のやり取りを行う授業を実践されました。
当時はまだ珍しかったので、阪井先生が主催されていた「次世代大学教育研究会」やそこから派生した「ケータイ活用教育研究会」の先生方が多く使ってくださることになったのです。

そして時代は変わり、今やICTを活用したアクティブ・ラーニングは当たり前で全ての授業の光景となっています。
探究型の授業が増え、先生からの一方方向の教え型の授業は減ってきていると思います。学生が授業中にもICTを活用することで学びを広げ深めていることでしょう。
教員から与えられるコンテンツだけでは学びが狭いし限られてしまうことは、今や児童でもわかっていることです。
(子供たちは普段からYouTube見たり、マインクラフトやネット対戦をすることでe-Learningをしながら遊んでますし、中学生・高校生は家や塾でChatGPTを使ってますので)

これからは「ICTをもっと活用しましょう!」なんて言わなくてよくなりました。当たり前の世界としてどんどん使われていくでしょうから。
勉強や進学という意味も大きく変わるかもしれません。時代は個別最適に移っていますので。

最近「コクのあるIT」という表現で特徴を表している「Cラーニング」。
これからも発展を続け、さらに活用される教育ICTとして成長させていきます。
阪井先生、今まで支えてくださりありがとうございました。これからも努力していきますので、引き続きよろしくお願いします。

P.S.
冒頭の写真は、かつて私が主催した「知恵組フェスタ in 東京」で阪井先生が登壇されたときの写真です。このNPOオーナーや社会活動起業家たちの学びの祭典である「知恵組フェスタ」も先生にご尽力いただき実現したものでした。また私が理事長を務めた人材育成マネジメント研究会でも理事でご尽力いただきました。これが私の原点です。本当に感謝しかありません。