続々・国から100万円もらってVTuberになる方法③
■前回のあらすじ
事業計画書以外は揃ったので計画書を書こう。
がんばって書類作ったのにここからもっと大変だ! とかはないです。
ここからは小説と同じ技法が使えるのでむしろ楽です。
持続化補助金の事業計画書でアピールするべきなのは主に2つです。
①経営方針に合致している事業であること
②自社の強みを生かした事業であること
これをとても説得力のある事業計画書で説明しましょう。
■事業計画書の書き方
事業計画書の書き方はこうです。
1.事業概要(自分自身のストーリーと計画)
2.市場動向(コロナ禍で立ち塞がった課題)
3.事業方針(コロナ禍を乗り越える事業計画)
この3つを書いていきます。
これのどこが小説と同じなのかと言うと、各章で書くべきことが同じなのです。
1.主人公には叶えるべき目標がある(大目標の設定。大きなテーマ)
2.しかし強大な試練を迎えている(今回は災害。コロナ禍という試練)
3.だがそれでも立ち上がる(試練を乗り越えて大目標へ向かうには)
こういうことです。
なんだか親しみやすくなりましたね。では実際の計画書を見せつつやってみましょう。
■自社の事業概要
まずはファーストインプレッション。小説もそうですけど、冒頭がいちばん大事です。
自社の事業概要、つまり自己紹介をします。
ここで最初に掲げるのは『経営理念』です。
「あなたがなぜ事業を行うのか」それをひと言で説明してください。
言葉にした経営理念が大目標、計画書が向かうべき大きなテーマです。
それと中小企業診断士さんにアドバイスされたのは「それが世のため人のためになるような理念であるようにしてください」ということです。
クリエイターはついつい自分のやりたいことだけを掲げてしまいがちですが、それは置いておいて公共の利益、社会的な存在価値を示してください。
事業者というのは社会で役立つことで価値を持ち、対価を得るわけなので、必ず人の役に立つ面を持っています。そこを押し出すだけです。
わたしは『感動を届ける。物語を贈る。』という経営理念でいきました。
ここで掲げた経営理念が、最後に書くべき結論にもなります。
まあ最初のパイロット版では深く考えずにとりあえずなにか置いておきましょう。
さくさく書いてから冒頭を直す。わりと小説でもよく通じる手です。
経営理念を書いたあとは、自分の活動履歴です。
ここで収益構造なんかも書いておくとのちの説得力に繋がります。
活動履歴についてはやったこと全部を書き出す必要は無いです。
重要なのは「コロナ禍前にやっていたことが、コロナ禍によってできなくなった」ということ。それをピックアップして書きましょう。
【市場動向】とは。
現在市場全体がどうなっているか……を、全部説明する必要は無いです。
ここもさっきと同じく自分に起きた変化というものに注目し、簡潔にまとめてください。
【経営方針】とは。
事業概要の仕上げです。
『企業理念を叶えるためにいままでやった活動は、市場動向で説明した変化によって難しくなり、その中でも理念に向かうのに変化にどう対応するか』
そんな感じでまとめ上げます。
新型コロナウイルスの感染症の影響・既に取り組んでいる対策
ここでは明確かつ具体的な問題を書きます。
わたしは『影響』の部分だけに集中して書きました。
対策を既に始めている人はその効果を書いて、そこを伸ばすための事業です的な方向で書いてみたりするのもありかもしれません。
ここでは数字で表していくのが良いです。ここまであまり数字出してなかったので、ここで出すと説得力が高まりますね。
■補助事業計画
いよいよ補助事業について説明です。
わたしはVTuberについて書いてますね。当たり前ですね。
【補助事業名】
意外と大事なのが補助事業名。提出するPDFにもこの名前をつけます。
つまりラノベのタイトルと同じ。審査する人はまず名前を見るのです。
ここで悪印象を持たれないために、変な名前はつけないでまっすぐにつけましょう。
【計画内容】
ここから簡潔に事業計画の内容を書き出します。
まあVTuberなんて「やります」しか言えないかもですが、大事なのはアピールです。
『自社の強みを生かした事業である』
『ニーズがある』(求められている)
『実行力がある』
この3つが重要です。
国はお金を出すのです。その事業が成功する見込みがある。そういう説得力がなければお金を出したくないですよね。
わたしの計画書にはラノベ作家というVTuberへの横断的な強み、そして実際に声をかけられたというニーズ、行程表をだいたい書き出せるくらいは実際的な作業が段取りできる実行力がある。
そういう意図で書かれたものが並んでいますね。
この中で注意したいのはひとつ。『ニーズ』についてです。
中小企業診断士さんに相談したとき、これがまさに食いちがってることに気づかされました。
マーケティング用語で言う『Needs』つまり需要について語るとき、わたしみたいな素人は「いま市場ではこういうのがウケてて何万部出ていて~~~」みたいなことを言いがちです。
それは間違いです。そんなもんカスです。
「市場でなにがウケているか」ではないのです。
「わたしのお客がこれを求めています」ということこそが、語るべき『ニーズ』です。
あなたの顧客の声を聞きましょう。市場がどうとか語り出すのは詐欺師だけでじゅうぶんです。
自分のブランドと自分の強みを自覚し、それを生かすことが必要になのです。
ニーズはまさに自分の強みと地続きのものです。
それをアピールできれば自然と結論は書けます。
【事業方針】
強みを生かした新事業で、顧客のニーズを満たし、そしてどうなることを目指すのか。
大事なのは「一時の流行に流されて新事業を作って収入の穴埋めにする」みたいなクs……お排泄物ベンチャーみたいなことを書かないことです。
あくまで自分の持つ強みを生かし、そして理念を叶えるためにやること。そういう目標を立ててください。
【補助事業の効果】
ここからはしばらく数字で説明すると良いです。
どのくらいの収入を、どのような効果で見込んでいるのか。
そういう話をさくっと説明します。
最後のまとめ
事業計画書をここまで読んできた審査の人に、計画書の総まとめをさっと読んでもらいます。
エピローグですね。余韻のあるものにするために、この事業計画書をストーリー形式でお届けして各章のアピールを思い返すような構成でお送りします。
エンドマークがわりの総まとめですが、あると無いとで読後感が違うのでやっぱりあったほうがいいかなと。
そして最後に経営理念で締める。美しい。
■総括
これで事業計画書は完成です。
他はまあ細かい話になるので省略で。
さて、noteの記事を①から③まで追った人はもう提出書類が揃っていると思います。
あとは申請して採択を祈るだけ。
良かったら採択された時に教えてくれると一緒にわたしも喜びますし、やった甲斐があったなあってなるので教えてくださいね。
それではこれで。
みなさん一緒にがんばりましょう。
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