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仕事を辞めて半年

2021年4月28日。ゴールデンウイークの前日です。

僕は会社を辞めました。

会社を辞めて半年経ったので、当時のことを振り返ってみたいと思います。(誰得)

理由は仕事(業務内容)が自分に合わなすぎたことと、再び野球をやりたくなった、野球に関わる仕事をしたいと思ったという2点です。


仕事は投資用不動産の営業(テレアポ)でした。

不動産業界のイメージとは異なり、福利厚生も割としっかりしていて、会社自体はホワイトだったのかなと思います。(勉強会という名の始業1時間半前出社というものはありましたが・・・)

基本給も高く、歩合もかなりもらえるし、週休二日もしっかりしていました。仲間も合う人は少なかったですが、悪い人はいませんでした。


ただ、何よりも本当に仕事が合わなかった。

「断られることが嫌」ではありませんでした。

それよりも投資用不動産というモノの良さを知り、それを多くの人に知ってほしいという思いが僕を苦しめました。

「良いモノを売っているのに、どうして話を聞いてくれないんだろう。」


「仕事で電話しているのに、何で怒られなければならないんだろう。」


なんで。どうして。が常に付きまとっていました。

当然、野球でいろいろと試行錯誤してきたこともあり、なんで、どうしてだけでは終わらせずに、「どうしたら」という解決方法を常に考えていました。


もちろん、自分の営業トークを見直していろいろ試行錯誤していましたが、そもそも電話営業自体が迷惑と思われており、そのイメージの払拭をしなければなりません。

つまり、僕の担当外なのです。

僕は電話というアプローチ方法から契約につなげるという部署であり、会社の知名度やイメージの払拭などをする部署ではなかったのです。


となると、先ほどの問いに対する「どうしたら」は

会社を辞めるor電話をしない

の二択しか浮かびませんでした。


しかし、仕事をしている以上、その二択は本当に最後の手段でしかありません。

ですので、一生懸命、仕事で結果を出すために営業トークを見直して、話し方を見直して、先輩の営業を真似してみたりして、残業して資料作ったりしてみました。

結果として当初60人近くいた新入社員(10人くらいは辞めたはず)の中で7位、男の中では2位だか3位だかという成績を残すことができました。


また、モチベーター(辛い仕事だからみんなのモチベーションを上げるために何かやる人のこと)に全力を注いでいた結果、別フロアの上司からも名前を知られるくらいにはなっていました。


僕がいた会社は、上司の合う合わない問題も考慮して1年に1回、新入社員配属のタイミングで営業職のみドラフト(管理職が社員を選んでいく仕組み)があるのですが、正直僕はなかなか上位指名される存在だったと思います。

実際に全然話したことのない先輩社員からも辞めないでくれと言われるくらいにはモチベーターと営業成績共にがんばっていました。

同期7位の成績となれば、お金も溜まります。

しかもコロナの影響もあり、お金を使う機会も少なく、ほとんど貯金に回っていきました。


しかし、電話をしているのに、人と話している気がしない時間を1日8時間、しかも迷惑だと言われ、怒られる日々。

その結果、いらだちから心は擦り減り、人生で初めて「死にたい」と本気で思いました。


朝起きて、眠りが浅く、寝た気がしないことに加え、これから仕事が始まるという憂鬱感が同時に襲ってきて、朝起きた瞬間からイライラしていました。

音楽が少しだけ僕の心を癒してくれていたので、出勤退勤時にはイヤホンで音楽を聴いていました。

周りの音が聞こえてないことを言い訳に、見通しの悪い交差点で

「タイミングよく、トラックが突っ込んで来てくれないかな」なんて毎日思っていました。

自分では死ぬ勇気はないから、不慮の事故に巻き込まれないかなって毎日思っていて、そんな自分に嫌気半分、頑張っているなという気持ち半分でした。


上司に辞めるという話、仕事が辛いという話をしたときに、なぜだか涙が止まりませんでした。

友達とかに笑い話にはしていましたが、自分の気持ちを正直に真剣に伝えた結果、感情がとめどなく溢れてきて、恥ずかしい、泣きたくないと思いながらも、言葉につられて涙もボロボロとこぼれていきました。


最後の出勤日にモチベーターをやり通し、みんなを笑顔にして、その後の同じ課で1年お疲れ様飲み会をし、同じ課の同期2人と

「お金払わなくていいならついていく」

という約束をしたうえで、キャバクラに行き、1人は泥酔しお会計どころではなく、もう1人は彼女が怒っているからと途中で抜け、結局4万以上を自分で払い、無事退職しました。


今は、アルバイトという形で子供たちに野球を教えています。

もちろん、収入は半年前と比べるととんでもなく下がりました。

アルバイトの収入と半年前まで貯めていた貯金を崩しながら生活をしています。


しかし、ストレスはほとんどなく、余裕もありませんが、楽しく生活できています。


「お金があればなんでもできる」と思って、就活時代の自分は会社を選びました。


ただ、働いてみて、

「お金はなくてはならないけど、心がなければ何もできない」


ということを痛感しました。


あの時の経験が全く無駄になったとは思わないですし、むしろいい経験になったと思います。


あの時の「死にたい」と思いながらも必死こいて、涙こらえながら働いていた自分のためにも、これからやりたいことに本気で向き合っていきたいと思います。

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