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長田ラジオ(2021/5/17)

本日の放送で取り上げるトピックをいくつかピックアップします。

東証再編、企業価値向上の始点 統治や収益性、海外に見劣り

東証プライム市場の上場基準で企業にとって大きなハードルとなるのは、流通時価総額100億円以上、通株式比率35%以上、独立社外取締役3分の1以上の3つ。

2000社以上ある東証1部の銘柄のうち、QUICK社の調べによりますと半分の 1000社弱しかプライム市場に残ることができないと予想されています。

東証一部は日本最大のブランドだったのにそれを半分の会社が失うのです。そして、新たに上位市場として設定されるプライム市場を維持するための努力は今までよりも厳しいものになる。

プライム市場銘柄になるということは株式を1/3以上少なくとも外部の投資家に委ねるということです。特別決議には2/3の株主の同意がなければいけませんから、自分たち仲間内だけで重要事項を決めることができない、まさに外に開かれた会社になるという決意表明になります。

こうした覚悟ができる会社だけがプライム残ることができますし、プライム市場銘柄であるということは、今以上のブランドになることは間違いありません。

日本特有の株主優待を見直す動き

株主提案、第3段階に進化 事業売却など「成長」求める

かつて、モノ言う株主というのは、増配や自社株買いを要求する株主がほとんどでした。2000年代中盤のいわゆる村上ファンドが代表例です。

その後は業績が良くない会社に対して、株主総会で会社の取締役に不信任を投じる、ファンド側の息のかかった取締役を新規に選任するよう会社に要求するといった行動が見られるようになりました。

こうした傾向は、自社株買いや増配であれば一部の強欲なファンドの仕草という風に取られがちだということで、戦略を支えてきた面もあります。

しかし、こうした業績が悪い会社の取締役に対して不信任をつきつける動きというのは確実に増えてきています。

機関投資家も今では議決権を行使することが求められています。忙しい中で議決権を行使できない機関投資家は議決権行使助言会社の意見を参考にすることがあります。

議決権行使助言会社が現行経営陣に不信任票を投じる判断の一つとして収益性が低いということが挙げられますね。

利益の基準が同業他社より低いですとか、赤字が2期続くという場合には取締役に対して反対票を投じることを薦める助言会社もあるので、その場合はこうした議決権を会社は機関投資家はマイナス票としてやることなります。

いまや、反対票を投じるのはアクティビストだけの行動ではなくなっているのです。

最近ではこれに加えて業績を良くするような、具体的な改善案を提案することがあります。

新聞記事の中ではソニーが挙げられていました。ソニーは金融事業やエンタメ事業を切り離すよう、大株主であった米サードポイントから株主提案として突きつけられたことがあります。

しかし、ソニーは逆にすべての業務を統合、つまり内部取り込むことを決意しました。かつてソニーフィナンシャルグループは分社化して上場したわけですが、それをまた親会社に吸収したのです。

そしてその現れとして、ソニーは、ソニーグループという名称に変更しています。グループ企業として成長していくぞという決意表明です。

ただ、こうした提案というのは情報開示が十分なされている大企業であれば外部の人からも可能かもしれませんけれども、中小企業の場合はなかなか難しいですね。今後も引き続き大企業についてはアクティビストが活躍していく物言う株主が活躍した場面が増えそうです。

花王社長「コロナ、あと1~2年は楽観できず」

花王のような事業ポートフォリオを持っている会社は、様々な事業ポートフォリオを組み合わせて、その時々で利益を最大限出せるような工夫をします 。B to C の事業の B to Bのを事業を両方持っている花王。

我々に馴染みの深い B to C 事業では、現在外出した際に必要となるスキンケアや化粧品はあまり売れません。

一方、在宅時に使う医療用洗剤などは大きく売上を伸ばしています。

コロナが終息して、人々が外出するようになってくればまた製造ラインを入れ替えて、売れ筋の商品を増やします。

花王の現在の売上利益水準は、インサイダーが考えてた利益を出すための最適な事業ポートフォリオです。

今後いかなる状況が発生しても、事業のポートフォリオ組み換えで一定の利益を確保するようにしてくれます。

投資家が判断しなくても、ある程度会社側が判断して利益を出してくれる。花王自体がまるでファンドマネージャーのようですね。ポートフォリオ組み換えで利益をだす。安定した大企業ならではの稼ぎ方です。

在宅勤務の生産性に業種差 IT8割超、医療・介護6割

7割という目標は、達成するのが少し厳しいけれども、かといって不可能ではない。士気を高めるために、現状よりも少し無理目の目標を設定することはありますけれども、まさにその典型です。

8割といってしまうと、現業の仕事が必要な会社は、はなからあきらめてしまい、結果として人出を減らすことができません。現実感はあるけど達成できない水準ではありますが、これを最初から5割と設定してしまうとその下の3割、4割という水準で落ち着いてしまうので、現実的に企業経営者が感じられるギリギリの水準が7割という線なのでしょうね。

おたより紹介

いつもいただくおたよりを紹介します。

・離れて暮らす祖父から定期的に孫のために教育資金が送られてくるのですが、その資産運用方法はSQ近辺は

・値動きが激しいことを知りました。

放送時間について

平日、毎日21:30~22:00で放送中。そのほかの時間に放送することもあります。

放送時間は当日改めてご連絡しますので、Twitter(@nagata_junji)でご確認ください。

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