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株式投資虎の穴(8/23)の内容を5分で振り返り

先日は株式投資虎の穴をご覧いただきましてありがとうございました。まだ放送をご覧になっていない方、もう一度ご覧になりたい方は以下からどうぞご覧ください。

今回は1.最近の経済ニュース、2.『株はメンタルが9割』に寄せられた読者の感想、3.ソニーG(6758)の銘柄研究の3本でお届けしました。それでは、動画をご覧になった方も、これからの方も内容を簡単におさらいしましょう。

1.最近の経済ニュース

ユニコーンが育たない日本

時価総額が10億ドルを超える未上場企業のことを投資業界の用語でユニコーンといいます。ユニコーンはそもそも伝説上の一角獣ですが、投資業界ではそれだけ稀有な会社であることが含意されています。

このユニコーン、米国では200社以上、中国でも100社以上があるというのに、日本では6社しかありません。これは一体どういうことなのでしょうか?

まず、資金調達の環境が乏しいということ。

ただ、総悲観するものでもありません。資金調達が盛んで起業文化が根付いているといわれる米国でも、ここまでファンディングが盛んになったのはここ10年のことです。資本市場について、日本は基本的に米国の後追いで成長していますから今後10年で市場は大きく活発化すると信じています。

東南アジアからそっぽを向かれる日本

平均所得が低い東南アジアの人々にとって、いまだ日本はジャパニーズドリームをつかめる国です。黄金の国ジパングの輝きを失っていないのです。しかし、今後所得が上がるにつれて、東南アジアの人々も次第に日本に興味を失っていくでしょう。

10年前は出稼ぎといえば中国出身の人が多いイメージでしたが、いまではベトナムからの出稼ぎ労働者が増えてきています。これは中国が豊かになるにつれて国内でのいい働き口が見つかり、日本で働く経済的メリットが相対的に低下したからです。

ベトナムの人も今は日本で5年働いて300万~500万というお金を貯めることができれば、祖国に凱旋です。立派な家を建てる、自分の商売を始めるのに十分な資本を蓄積することができます。

ベトナムから来てくれなくなれば、さらに貧しい国から、、という発想になりがちですがどこまでもそれは続くものでしょうか。さらに中国が今後少子高齢化が急速に進行することにより、労働力の奪い合いが必ず発生します。

日本の商社がサーモンなど中国の業者に買い負けるという話を聞いたことがありますが、それと同様に開発途上国の労働者もどの国で働くか、を選ぶ時代がやってきます。長期的なトレンドは話題に上ることは少ないですが、街角でベトナム人のウーバー配達員を見ると、今後の日本の行く末を考えてしまいます。

新型コロナウイルスと共存の道をさぐる

新型コロナウィルスは、人類にとって交通事故のようなものでした。突然生活に大きな変化を余儀なくされて、なんとか対応するものの心が付いてこない。新型コロナウィルスという静かな殺人者が我々の生活を脅かし続けていることを受け入れるのに時間がかかりました。

これまでの各国政府の対応は大きく分けて2つに分かれます。一つは厳格で罰則付きのロックダウンを導入して新型コロナウィルス感染拡大を防止するロックダウン型。これは中国・台湾・オーストラリア・ニュージーランドが挙げられます。

一方、経済活動をある程度維持し、新型コロナワクチンと医療体制の充実によりコロナと共存する考え方があります。これはアメリカ・イギリス・イスラエルが典型例です。日本は法律上の罰則を伴わない自粛要請によりしのいでおりますが、活動の自由が認められることからこちらのグループに入るでしょう。

一年半以上コロナと戦ってきて分かったことは、完全に抑え込むことは人流がある以上所詮は難しい。少し外部からの人が入っただけで感染者が増加するわけですから。

コロナを完全に止めるのは難しい。そしてワクチンを打ったとしても、体調が悪い人はへたをすれば、肺炎と同じく命を落としてしまうかもしれない病気であるということを受け入れていくしかないでしょう。まだワクチンが全世界にいきわたるまでにはしばらく時間がかかります。

2.『株はメンタルが9割』に寄せられた感想

とてもありがたいことに、アマゾンに読者の方からたくさんの感想が寄せられています。番組ではいくつかをご紹介いたしました。時間の都合上、読むにとどめましたが、私のコメントを付して改めてご紹介します。

長い投資生活の過ごし方

内容が濃かったです。前著の方法論とは違い、何故同じ様に株を買ったのに片方が勝ち一方が負けるのか。自身の投資経験と擦り合わせて向き合う作業はエネルギーを消費します。

 著者の15年に渡る失敗した取引から導き出した成功する精神状態への合理的なアプローチは、読んでいる自分に鋭く問いかけてきます。

具体的には分割購入の大切さと購入余力の有る無しで、取引の優位性はまるで違う事。

理論以上に購入前後の9割のメンタルが勝敗を握っている。取引のやり方を解説する本はあってもここまで株式相場への心構えを教えてくれる本は初めてです。

長期投資もまた楽ではありません、定期的に投資家脳を思い出す為に本書は定期的に読み返す必要があります。

是非とも自分と向き合いましょう。勝ちたいなら。

長田コメント:同じ銘柄に投資するのでも、売買プランを持っている、投資余力を持っている、銘柄のことについて詳しく知っていることが勝敗を分けます。特に投資余力があるかどうかは投資家の心理に大きな影響を与えます。

ただでさえ個別株投資はストレスがかかるものですから、それを飼いならすためにも余力があったほうがいいですね。もっと儲けられたのに、儲けそこじったと感じる場面もありますけれども、損をしそこなっていることも同じぐらいあります。致命的な失敗を避けることが投資では大切です。

株価が下がってる今こそ読むべき一冊

同著者の前作同様、株初心者にも分かりやすく、読み易い一冊である。また、今回も著者が実際に買っている銘柄も掲載している。

今回の本の良い所の例を一つ挙げるとすれば、株価が下がった時に必ず動揺する。その時にどう対処するのかを懇切丁寧に教えてくれている。

もちろん買い時についてもです。
株はメンタルが9割と言っている理由が分かります。

長田のコメント:前著とあまり銘柄は変わっていませんが、自分のなかで半年を経て投資に対する考え方が少し変わってきた部分はあります。半年前の心境はその時でないと書けないものですね。

投資ではそもそも株が下がるものだと想定して投資することが欠かせません。初心者のうちは買ったそばから株価が上昇すると思い込みがちですが、そんなことはありません。

長期的には業績に連動するという信念を持っていても、実際に毎日上下に揺さぶられると人の心は揺らぎます。それを耐えるためのすべを持っておくのが「船酔い」しないコツでs。

経験を積むうちに、それが知識としてではなく、腑に落ちる瞬間がやってきます。

投資家脳が大事

非常に参考になる良い本だと思います。
私も少ない投資経験の中で、損切りできず急落するのを震えながら祈って見ていた経験があり、この本の内容がいちいち胸に刺さりました。

読み終わった後も、定期的にこの本を開いて自分のメンタルは投資家脳になっているか見直したいなと思いました。

それから、ブログやSNSなどいろいろな情報ツールがありますが、やはり本になると情報量が全然違うし、一冊にまとまっていることで分散されている情報を一度に読めるのはいいですね。

前作もおもしろかったです。また次回作を待っています。

長田のコメント:初心者のうちは、ついつい株価が下落するとなすすべなく、株価が下げ止まり、上がることを祈ってしまいます。

しかし、市場参加者の思惑で株価が動くなか、あなたがいくらでどれだけ株を買っているかは全く相場動向に関係がありません。お祈りしたら負け、なのです。

私も初心者のころは、『こんなに業績がいい株の株価がさがるなんておかしい。上がってくれ!』と祈っていましたが、その願いはかなえられることはありませんでした。相場の神様は、信心深い人に冷たいのです。

投資の失敗談と成功談の具体的なストーリー

失敗体験と成功体験が具体的に書かれています。
著者の具体的な体験談をもとに、実際に購入した銘柄の値動き、そのときの心境が描写されています。

それは必ずしも成功体験だけではなくて、むしろ失敗談の方にフォーカスされています。

本書では、その失敗談から導きだされた普通の人が取るべき投資戦略とメンタルの保ち方を教えてくれています。

失敗を乗り越えたあとに、ちゃんと成功されているので、ご安心ください。著者の失敗とその後の成功を追体験することで自分の投資活動の参考になると思います。

長田のコメント:成功した時の記憶というのはあまりないのですけど、失敗した時の記憶は鮮明です。皆様も、今後投資をしていくなかで失敗する投資が出てくるかと思いますが、失敗経験を覚えておいて、それを繰り返さないようにしてください。

大成功を収めることは二流投資家には難しいですけれども、失敗をしないようにするだけで成功に近づきます。まだ私も成功したまでは言えないですが、まずは1億円をめざして投資を続けてまいります。

株式投資で勝つには実はメンタルが重要である!

前作とはまた違う切り口で株式投資で如何にして勝ち続けるかが具体的に書かれており大変参考になりました。
中でもこれまで株式投資をメンタルという切り口で書かれた著書はこれまで見た事がない。
是非、多くの方の参考にして貰いたい良著です。

長田のコメント:勝ちと負けの数が同じでも、負けを押さえて勝ちを伸ばすにはどうすればいいか。この本では私が考えているところを書き記しました。とくに初心者にとって、株に勝つためのメンタルは、それまで身に着けてきた常識と異なることろが多いです。

損を切って利を伸ばせというのが一例として挙げられるでしょう。損切りが大切だと言えども、心理的にはとてもストレスがかかり、すぐにできることではありません。

この本は予言の書

これから投資を始める人には、予言の書。現在進行形の方には、アルアル。始めて4ヶ月程度の初心者だけど、やっちゃいけない事を既にやっていた。

無計画難平、資金の余裕を考えず総力買等。
予め、こういう事があるよという心構えをしておくのに良い本。

長田のコメント:やってはいけないことは、誰しもやりがちです。相場に絶対はありませんが、投資をしている人は、初心者のうちに絶対に失敗します。

この本を読んでも結局失敗することには変わりはありません。でも、それは相場で稼ぐようになるために大切なプロセスです。スキーで上達する、自転車にのる。もしあなたがスキーの上級者で、初心者が『スキーで転ぶのが怖くて始められない』といったらどういうアドバイスをしますか?

そう、全く同じことを言うでしょう。失敗しながら学ぶしかないのです。ポイントは、早く、軽く失敗すること。初心者のうちに失敗の型を一通り経験することは、その後の資産形成においてむしろ望ましいとも言えます。安心して失敗してください。

3.銘柄研究:ソニーG(6758)その2

前回に引き続いて、ソニーについて研究してみましょう。出井・ストリンガー体制のソニーは方向性を見失い、業績が低下していきました。

ベンチャー企業のソニーといえども、次第に会社が大きくなるにしたがって次第に安定した社風に惹かれた社員が増え、セクショナリズム・前例踏襲・派閥抗争といった大企業病が静かにソニーをむしばむようになっていったのです。

ここで登場したのが平井氏でした。平井氏がソニーGの社長に就任したのは、タイミングがまさによかった。

平井氏は、父親の仕事の関係で幼少期から日本とアメリカを往復する生活をつづけ、どちらの国の文化も客観的に、異邦人として一歩離れたスタンスで見る能力を自然と身に着けます。

また、アメリカでの子会社、そして本社の子会社をそれぞれ立て直した経験があったために、ソニーの立て直し役としてはピッタリだったというわけです。

そんな、平井社長のターンアラウンド(事業再生)の手法は、徹底して現場の声を聴くことから始まります。現場に行ってなぜ職場で職員が持てる力を発揮して働くことができないのか。パフォーマンスが上がらない原因はどこにあるのか。ビジネスは人で成り立っている。人事の要諦を知っている平井社長は、問題の原因を把握した後は、それを取り除くような人事政策を次々に打ち出します。

辛いことであっても、儲かるあてのない事業はリストラするし、現在の会社にとって不要と思われる人物、特に幹部候補には会社を去ってもらわなければなりません。ほかの仕事は他人任せにする平井社長も、一番きつい場面で逃げる姿勢をリーダーとして見せるわけにはいかないという信念から、リストラの陣頭指揮、ラインやスタッフを解雇する際には自ら言い渡したそうです。

そして平井社長はビジネスが安定的に回るようになると自ら陣頭指揮を執ることをやめて、より上手に業務を運営できる人間にバトンタッチしてしまいます。彼はこれを「オートパイロットモード」、飛行機で言うところの自動操縦体制に入るタイミングで上手に譲り渡すのです。

こうした性格を自分でも熟知している平井社長も、これまでの経験に基づいてターンアラウンドを試みました。しかし、ソニーGはあまりに大きい企業なので、立て直しにやはり時間がかかりました。リストラと並行して平井社長直属の新規事業開発部門の立ち上げを実施しましたが思うようには成果が出ませんでした。

元ソネット社長の吉田氏を本社の副社長として呼び戻したところからようやくリストラが軌道に乗り始めます。

株価は1,000円割れの水準から見ると10バガー、10,000円以上の水準まで戻してきました。

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ソニーの営業利益を部門別にみてみると、それ単体で手堅く稼げる部門と、全体として利益が出る部門に分かれています。エレクトロニクス、イメージセンサー、金融という部分は、安定して利益が出ますけれども、音楽・映画といった事業は当たり外れが大きい。鬼滅の刃のようなヒットが毎年でればいうことなしですが、そうそうお化けクラスのヒットは見込めません。

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しかし、ファーストペンギンであることがソニーの存在価値であることに変わりはありません。だからこそ、エレクトロニクス分野から飛び出して、様々な領域でソニーブランドを活用しながら稼ぎ続けることができているのです。

次回の株式投資虎の穴では、かつてソニ―と双璧だったパナソニックについて取り上げます。名経営者の松下幸之助のDNAをもつはずの当社ですが、株かという意味ではソニーと随分差をつけられてしまいました。

株式投資虎の穴について


株式投資虎の穴は初心者向けに、株式投資を面白くお伝えするインターネット放送です。オンザボード代表和田憲治氏と、サラリーマン投資家長田淳司が対談形式でお送りしています。

隔週月曜日放送で、次回は9/13(月)20:30~22:00の時間に放送します。放送内容の事前告知などはツイッター(@nagata_junji)をフォローしてご確認ください。

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