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初心者向け、株式投資がうまくなる投資日記のススメ

こんにちは、長田淳司です。並みいる投資の猛者に混ぜていただき、恐縮です。簡単に自己紹介をしますと、私はサラリーマンをしながら、日本株を中心に長期投資をしています。

また、Youtubeで定期的に、オンザボードの和田憲治氏とともに株式投資の番組を放送しています。直近放送(2021/12/6)の内容につきましては、以下よりご覧ください。マスクをしていて怪しいでしょう?私もそう思います。

また、おかげさまで株式投資で2冊の本を出版しております。

自己紹介はこれくらいにいたしまして、本日の記事では株式投資の初心者が今日からできることとして、投資日記をつけることをご紹介します。

日記をつけるというのはプライベートの備忘録という意味合いが強いかもしれませんが、投資日記をつけるということには、3つのメリットがあります。以下、ご説明していきましょう。

1.知識が深まっていくのがわかり、自信がつく

株式投資には様々な投資スタイルがありますが、現物売買をするのであれば銘柄のことを調べる、買う、保有する、売却するというプロセスを踏みます。

それぞれのプロセスで気が付いたことを書いてみてください。
おはずかしいですが、私が先日書いたものをそのままここに披露します。

「どんなにいい株と思っても必ず調整する場面が来る。エムスリーが1万円から5,000円台まで下がるなんておかしい、あがるはずだ、と考えても仕方がない。

これが相場の本質。買われすぎていれば、いつかは適正水準まで下がる。買われすぎるから株価が上昇するということをおもいだせ。そして、どこまで伸びるかは個人投資家には判断できないのだから、適度に利益を確定してせめてコストダウンを図ることは徹底する。心理的にダメージがすくなくなる。」

いかがですか?こんなのだったら自分でも書けるという人もいらっしゃるでしょう。別に私の真似をしろと言っているわけではなく、自分なりにその時に知ったこと、感じたこと、ショックを受けたことなどを書き写していくのです。

なぜその時に書くことが大切なのでしょうか?

人の知識は重層的に蓄えられていき、後で知った知識とつながりあって深みを増していきます。ただ、その時々で何を学んだかということは、記録しておくことは少ないものです。その時々で書いていくと、自分がどういう知識をいつ得て、成長してきたかが如実にわかるのです。

例えばPERという投資用語があったとします。初心者のうちはこの用語にも聞きなじみがないでしょう。ですから、『今日はPERという言葉を知った、パーではなく、ピーイーアールと読むらしい』と書いておきます。

しばらく投資の経験をしてくると、どうやらPERというのは株価が純利益の何倍にまで買われているかということを示す指標であり、投資家の間で広く使われていることがわかってきます。

さらにすすんでいくと、PERの絶対的な高さで株式の価値は決まるものではなく、成長性によってPERの水準は異なるし、同業種との間の比較として使うか、業態全体が成長産業とみなされているかどうかの判断基準として使うことがわかります。なお、一般にPERは今後も利益が増えていくことが期待できる成長企業においては高くなりますし、成熟期においては、低くなります。

さらに本を読むうちに、PERの高さを見ながら今後も企業が成長する余地が残されているかどうか、このPERに見合った会社なのかという観点から、自分なりに判断するための材料とするという見方になります。

このように、日記に学んだことを書いていくと自分の知識が深まっていくのが時系列で分かってきます。頭のなかでなんとなくわかってきたことを自分の言葉で書きだすことで大きく成長する。これはアウトプットを三年続けてきた私の偽らざる感想です。

このプロセス、実は我々が義務教育で自然と受けてきたことなんですよね。義務教育ではなるべく多くの子供が効率よく知識を習得できるように工夫が凝らされています。算数一つとっても、学年が上がるごとに足し算から始まって引き算、掛け算、割り算と順序だてて進みますよね。学年を終了すると、自然と知識が深まるようになり、先生もテスト結果などから理解度を確認することができます。

しかし、投資の世界ではいきなり実践から始まりますし、系統立てて投資の勉強をする人は少数派です。といっても、完全に自己責任で自分一人で何とかしなければならないのが投資の世界ですから、せめて投資の知識をどのように身に着けてきたかを、少しでも書き記しておきましょう。

2.自分の投資の癖がわかる

投資雑誌やSNSを見て、この銘柄が面白そうだ、と判断してなんとなく株を買う方は初心者で多いです。その時は自分なりに考えて株を購入したはずなのですけれども、時間がたつにつれてなぜその株をその価格で購入したかがわからなくなる。

一年もたつと、利益が出ている株はどこかの時点で利益を確定して、損失が出たものはそのまま。気が付けばポートフォリオはマイナスの株ばかり。

おかしいな、なぜこのような投資になっているのかわからない、と悩んだこことはありませんか?

何を隠そういまだに私もやることはあります。ただ、その回数は自分で投資日記をつけるようになってから格段に減少してきました。投資のたびにその理由を書いていくので、その理由が自分の中で煮詰まっていない時には売買をしない、少なくとも100株から200株位の打診買いにとどめるからです。

投資信託で顧客資産を預かるファンドマネージャーは、売買する理由を可視化する手続きを日常的に踏んでいます。事業内容がこうで、今後の見通しはこうで、いくらになったら購入して、いくらになったら売却する。投資のストーリーを組み立ててから上司の承認を経て購入または売却にいたります。

顧客の資産を預かっているので、あとから振り返ってみて売買の判断があいまいにしておくわけにはいかないからです。

対して個人投資家の場合には、自分一人の思惑で自由に売買できますから、どうしても判断が甘くなる。気持ちで売買してしまう。機関投資家がめんどくさいプロセスを踏んでいるのは、人の気持ちはぶれやすいですし、サボりがちであることを分かったうえでのことなのです。

といっても個人投資家の武器の一つは柔軟で素早い意思決定。この武器を活かしながら、自分の売買理由をはっきりさせると、迷いがなくなりますし、失敗した時にも反省することができます。

何も調べることなく投資している癖が続いていたら、「あ、また何も考えずに株を購入している」と気が付きますし、2倍になったら売ろうと考えていたのに、していないことがわかれば、自分が考えていた通りに売買できないクセを修正するにはどうすればいいのか?と考えるようになります。

人の心は弱いもの。株価が下がってくると、もっと下がるかもしれないという衝動にかられます。ナンピンするという人もいるでしょうし、売却してこの苦痛から解放されたいという人もいるでしょう。いづれにしても、大きく株価が動いている時には感情に突き動かされて売買する可能性が高まります。

直近では米国の利上げ局面が着々と近づいており、利上げが近いと思わるような政府高官の発言一つで株価が大きく下がることがあります。長期投資の気持ちはどこかに行ってしまい、あわてて売り注文を出す。翌日株価は急激に戻して何もなかったことに。これだったら下手に動かないほうがずっと良かった。私も経験しましたが、初心者によくありがちな行動です。

人はまずなにかの行動をとりたいという感情がきて、その後にその行動を正当化する理由を考えだします。本能に近い脳の部分では、行動するかしないかが判断されて、その後に理性をつかさどる脳の部分でロジックを組み立てるようになっているからです。

おいしそうなイチゴのショートケーキを見た時に、まず食べたいという感情が先にきて、そのあと買うべき理由『今日は仕事で頑張ったから』『限定商品だから』『ボーナスが出たから』という理由をなんとしてでも脳が思いつく、と考えてみるとわかりやすいのでしょう。

投資に置き換えてみても、まず買いたい!という感情が先にあって、なぜ自分が買わなければならないのかの理由が、後付けで出てきます。買いたい!儲かりそう!という衝動だけではなく、自分なりに理屈があるのか?は調べておきたいところですね。

自分で投資のことを考えている方であれば『現在の株価は来期の業績予想からみると割安に感じる水準だから』『テクニカル的にいい水準だから』、人の投資をまねしている人であれば『長田が買うと言っていたから』という理由があげられます。

3. 投資プロセスの心理状態を可視化することで、メンタルが安定する

後から振り返れば株価が上昇しているケースでも、あがる道中は含み損に苦しむことも多いものです。

私もラクスで10バガーで利益確定をすることができましたが、それでも株価が上昇していく過程では、1,500円が700円になるぐらいの調整は二度、三度ありました。下がっているときにはこのまま高値を更新していくことはなく、株価が損してしまうのではないか、という恐怖心に駆られます。

その気持ちを否定しなくていいです。弱い自分の心を認めてしまう。株価が下がって苦しい、という気持ちです。株価が上昇したあとから眺めてみると苦しい思いをずいぶんしてきたなあ、投資というのはこの連続なんだなあということがしみじみわかります。

そんな気分になれない、という方はもしかしたら投資のボリュームが大きすぎて、リスクを取りすぎなのかもしれません。10万円ならどんな株に投資をしていても、べつにどうということはありませんが、100万円、1,000万円と増えてくるとただ事ではいられません。金額の違いで心の動きが違うことも記しておくと、自分が無理なく投資ができる範囲がわかりますね。

余談ですが、大きく投資で儲けようと思ったら、株価が大きく変動する心のバリアを何とかやぶっていかないといけません。資産がどれだけ増えてもパーセンテージで考える習慣です。

ともかく、株価が変化した時に自分が感じたことを書き記しておき、そして最終的に上昇して投資で儲けることができた、という一連の心理の変化を知っていると、調整局面でも動じることは少なくなります。

現物株投資をしているのであれば、どこまで行っても下落局面は苦しいことは苦しい。投資が上手になれば資産が増えていくので、絶対的な金額の減少はむしろ大きくなりがちです。でも、またこの場面が来たかと構えられるようになるのも事実です。

是非、自分の心の動きを日記に書き記しておいてください。最終的には投資はメンタルが投資結果を左右します。そのメンタル安定に役立つのが書き出す、という習慣なのです。

おわりに

今回は投資日記をつけることの大切さについてお話ししました。そのメリットとしては、1.知識が深まっていくのがわかり、自信がつく、2.自分の投資の癖がわかる、3. 投資プロセスの心理状態を可視化することで、メンタルが安定する、という3点が主に挙げられます。

仕事に家事に忙しい中で、投資のことばかりに気を配ることは難しいかもしれません。

でも、個別株投資をするのであれば、自分が学んだことを少しずつ書き記しておくことは、本日お話ししました投資の実力アップはもちろんのこと、副産物として知識・教養が高まり、豊かな人生を送ることにつながります。

そうして自分が上達していく過程を後から眺めていくことは、その時々に記録していかないと味わうことができないものです。もちろんできる範囲で日記をつけてみてください。

あ、私自身がこう書いていながら最近更新が滞っていますね。無理ないペースでこれからも続けていくとしましょう。

まだまだ、株クラのブログリレーは続きます。最後になりますが、レイチェル、投稿の機会をくれてありがとうございます。ブログのバトンは株ソムリエ(@kabutotyo1214)さんに引き継ぎます。明日の投稿もお楽しみに!

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

長田淳司

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