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株式投資虎の穴(8/2)の内容を5分で振り返り

先日は株式投資虎の穴をご覧いただきましてありがとうございました。まだ放送をご覧になっていない方、もう一度ご覧になりたい方は以下からどうぞご覧ください。

さて今回は1.オリンピックと株式投資、2.長田の新著『株はメンタルが9割』のご紹介、3.銘柄研究(ソニーG)についてお伝えしました。それぞれ見てまいりましょう。

1.オリンピックと株式投資

海外からの観光客はもちろんのこと、国内の観光客も入れずに開催された2020東京オリンピック。様々な反対意見がありましたが、世界中のアスリートからすると開催してほしいという声を上げられないなかで、開催したことは英断でした。

開催することは決まっていてあとは有観客か無観客か、というギリギリの政治判断が迫られたわけですが、実施することができたかどうかに比べると小さい問題です。

これだけの大イベントを実施する場合、どこの国が開催したとしても多少のゴタゴタはあります。前回の東京オリンピック(1964年)時は各種インフラ建設(首都高・東海道新幹線・大型ホテル)が急速に進みましたが、トラブルも抱えていたはずです。

歴史を振り返ってみると、どこの国でも似たようなもので、大型のイベントを開催すると問題は発生するもの、とどんと構えていたほうがいいですね。

今回はコロナという特殊事情があることで、旅行・観光の特需はなかったものの、やはりテレビを通じて世界中の人々が観戦していたわけですから、それなりに株式投資でも資金の流れが期待されていました。

番組ではアシックス(7936)、デサント(8114)、ミズノ(8022)の3銘柄を取り上げました。

日本はスポーツ大国になる?

番組中、テニスの錦織圭選手や大坂なおみ選手の年収についてお話ししました。テニスはすそ野が広いスポーツで老若男女楽しんでいます。ですから有名選手が身に着けていると、商品の売れ行きに大きな影響があるのです。

本業の賞金もさることながら、日本はまだまだ経済大国ですから日本企業は世界的に活躍するアスリートにこぞって大金を払ってスポンサーになりたがります。今年からはマスターズを制した松山英樹も超一流プレーヤーとして何十億のスポンサー料をもらうことになるでしょう。

スポーツで巨額のカネが動くということは、今後も成長産業になりうるということです。治安がよく、宗教的な問題も抱えていない日本は今後も世界的なイベントを呼び込むだけのインフラがあります。丁度テニスのウィンブルドンではないですが、そのようなブランド価値を今後作り出していけるポテンシャルがあるのです。

2.『株はメンタルが9割』のご紹介

皆さまのおかげで、無事オリンピックで熱戦が繰り広げられていた7/29に2冊目を出版することができました。今回は前著の続編ということで、投資をする際のメンタルに着目して私が経験してきたことをまとめました。

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株式投資に関する情報は世にあふれています。私が本に書いてあることも、あまたの先人がすでに書籍やYoutubeでどうすれば株式投資で儲けることができるのか、については語りつくしています。

各銘柄に関する重要情報も発行体から出ていますし、だれでもアクセスできるのですから大差がでてきません。となると、儲けるか損するかを分けているのは実はメンタルではないかと思うに至ったのです。

儲かりそうだとおもって100株購入する、購入してからさらに銘柄のことを調べる、資金があっても分割売買をする、損切りは大きく負けている銘柄から、不確実性と付き合っていくのが投資家マインド、など投資のヒントを章立てにしてお伝えしました。

今回は双葉社から出版しております。クレヨンしんちゃんの漫画を出版している出版社です。

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『株はメンタルが9割』はアマゾンなど全国書店で発売中です。手にとって読んでいただけますと大変うれしいです。

3.銘柄研究:ソニーグループ(6758)

今回の銘柄研究ではソニーグループを取り上げました。ソニーは今では創業70年を超える立派な老舗企業ですが、東京通信工業として産声を上げたのは戦後すぐの1946年でした。名経営者井深大と盛田昭夫は、時代に先駆けて次々と新しい商品を生み出して、エレクトロニクスのソニーというブランドを世界中で確固たるものにしています。

今では想像できませんが、出自からしてソニーはまさにITベンチャーでした。ラジオが急速に普及するなかで、小型で手軽にラジオを聴くことができるトランジスタラジオの開発に成功したのです。

トランジスタは米国で戦後すぐに発明された技術で、ベンチャー企業のソニーには商品化できるわけがないと思われていました。しかし、ソニーはアメリカの会社と特許の利用契約を締結。

ソニーの技術者陣はわずかな手がかりから開発に成功します。米国でトランジスタラジオが発売されたことから世界初となりませんでしたが、1955年、日本企業として初のトランジスタラジオTR-55を世に送り出しました。

それまでのみんなが同じものを聴く時代から、個人が好きな番組を聴く時代へー持ち運び可能なトランジスタラジオは生活を変えるアイテムになっていったのです。

今でもラジオを生産し続けるソニー

今でもソニーはラジオを生産し続けています。ソニーグループが大切にしている、東京通信工業の会社設立の目的にある

一、真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設

に加えて

一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作・普及、並びにラヂオサービスの徹底化

とはっきり記されています。戦争が終わり、ラジオ電波を自由に受信できるようになってから、ラジオは爆発的に国民の間に普及します。

しかし、ソニーがトランジスタラジオを発売する前のラジオというのは大型で持ち運ぶことができなかった。トランジスタラジオの登場は、パソコンがスマホになったぐらいの衝撃があったのです。

それから、我が家にも非常災害用の手巻き発電可能なラジオが一台あります。ソニー製です。いまや主要な情報源として使っている人は少なくなっており、家電製品としてもマイナーな部類に入るでしょう。ソニーの売上規模からすると力を入れる分野ではなさそうです。しかし、ソニーがいまだにラジオを生産し続けています。祖業の精神を忘れないようにしているためなのですね。

世界展開を見据えた先見性

ソニーは設立間もないころから世界展開を狙っており、アメリカで自社ブランドで商品を発売することにこだわり続けました。当時はアメリカ輸出は提携先のブランドで生産することが一般的でしたが、ソニーはあくまで自社のブランドで発売することにこだわりました。

1960年にはアメリカ現地法人を立ち上げて、アメリカ市場を見据えたモノづくりを進めます。ソニーがアメリカと言われることがありますが、それもそのはずで最初から世界で一番大きなアメリカ市場で販売することを狙っていたからなのです。現地法人を設立してから60年以上が経過していますから、アメリカ人の中にはソニーが米国のブランドと勘違いしている人もいます。

アメリカ市場へは1970年に上場。ADR形式ではなく、日本企業として初のニューヨーク証取上場でした。

その後も革新的な商品を世界に先駆けて発売していきます。トランジスタラジオにつづいて、1968年にはトリニトロンテレビ、1975年には家庭用ビデオ録画機ベータ、1979年ウォークマン、1982年CDプレーヤー、1989年ハンディカム、1992年MDと世界を驚かせる商品を発売し続けます。

現在はソニーブランドの商品もさることながら、CMOS型のイメージセンサーがソニーグループの大黒柱となっています。iphoneが明るく撮影できるのは、ソニーのイメージセンサーが感度よく画像を拾うことができるからなのです。

こうしてみるとソニーの製品は、生活に必要なものではなく、エンターテイメント性が高いものを作っていますね。冷蔵庫、クーラー、電子レンジ、掃除機といった商品をパナソニック・東芝・三菱電機などのライバルは作りますが、ソニーはその部門には手を出しません。

やはり家電メーカーではありますが、エレクトロニクス企業としておんソニーはITベンチャー企業であり、情報の送受信にかかわる分野に特化してきたのです。

大企業病にかかるソニー

長らく成長を続けてきたソニーの株価は、ITバブル時代の2000年には株価が一時2万円を超える高値まで買い進められます。ところがITバブルが崩壊すると一気に業績は悪化します。株価も下がり続け、2012年には1,000円を割り込む水準まで売られました。一時の高値から見ると1/10の暴落です。

出井・ストリンガーCEO時代に巨大化したソニーの立て直しを図りますが、自由闊達で新しいものを生み出すことに誇りをもっていたソニーも縦割りの弊害から、大企業病にかかってしまいました。

2012年にストリンガー会長からバトンを受け継いだ平井前CEOは、ターンアラウンド(事業再生)を不振にあえぐソニーミュージックエンターテイメントで2度(米国・日本)成し遂げてきた人物です。

ソニーはまさに事業再生ができる人材を求めていました。さて、どのように平井前社長はソニーを立て直していったのか?次回の株式投資虎の穴でも、引き続きソニーグループについてお話ししていきます。

株式投資虎の穴について

株式投資虎の穴は初心者向けに、株式投資を面白くお伝えするインターネット放送です。オンザボード代表和田憲治氏と、サラリーマン投資家長田淳司が対談形式でお送りしています。

隔週月曜日放送で、次回は8/23(月)20:30~22:00の時間に放送します。放送内容の事前告知などはツイッター(@nagata_junji)をフォローしてご確認ください。

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