「歳のせい」にするのは止めよう
これまでにも幾度となく取り上げましたが、昨年の春以降、筋力をはじめ、身体機能の低下が目立ちます。
特にご年配層からは、「歩きにくくなった」「疲れやすくなった」と感じている方が多いようです。
それで、判で押した様にこうおっしゃいます。「歳のせいですよね」と。
確かに、年齢を重ねるほど筋力や身体機能は低下していきますが、普段の過ごし方によって結果は違ってきます。
相応の運動を継続できていれば、筋力は保てるのです。
「歳のせい」で済ませてしまうと、歯止めが効かなくなり、衰える速度は加速してしまいます。
ということで、今回は身体の衰えを感じる人が増えている理由を考えてみました。
1)減ったもの
さて、2020年の春以降、緊急事態宣言をはじめ、外出を控えるよう要請が相次ぎました。
もちろん生活スタイルによって個人差はありますが、大半の方は、出歩く機会が減少していると考えて差し支えありませんよね。
そうしますと、運動量が減少していることになりますので、筋力は確実に低下し、同時に消費するエネルギーの総量も減少します。
これは自宅待機、あるいは在宅ワークが増えれば、意識的に運動を取り入れない限り避けられない事態なのです。
そうは言っても、外出を避けるようにと要請を受ければ、余程の事情がない限り従いますよね。そもそも、それまでに利用していた施設が開いていなければ、どうにもなりません。
できる事といえば、せいぜい近隣を散歩するくらいでしょうか。
2)増えたもの
そこで注目したいのが食事量です。
運動量の現象に比例し、消費エネルギーも減少したのであれば、摂取する食事量を減らす必要があります。
体重に変化がないという事は、消費するエネルギーと摂取するエネルギーのバランスが保たれているという事です。
※食事内容にも左右されます
消費カロリー ≒ 摂取カロリー、こんな感じですね。
運動力が減少したにも関わらず、これまでの食生活をつづけるとどうなるか?
消費カロリー < 摂取カロリー、基本的にはこうなります。
実際に、お越しくださっている60歳以上のクライアント様にお伺いしてみたところ、2020年1月と比較して、男性で11%、女性で8%体重が増加していることがわかりました。
いずれも、当院で計測したわけではなく自己申告ですので、参考程度にお考えください。
3)重量を背負って歩く
さて、筋力が低下し体重が10%程度増えたと仮定すると、「歩きにくくなった」「疲れやすくなった」と感じるは当然でしょう?
イメージしにくければ、あなたの体重の10%に匹敵する重量を背負って歩くことを想像してみてください。
筋力が低下していなくとも、うんざりしますよね。出来ればやりたくありません。
徐々に体重が増えると認識し辛いですが、もう2020年1月とは条件が違うのです。
60キロと66キロの物体を移動させる労力が同じはずがありませんよね。
「歳のせい」と納得してしまうのは悪手なのです。
4)結論と致しまして
それでは、今からどうするべきなのか?
以前と同じくらいエネルギーを消費するために、運動量を増やすことはお勧めできません。なぜなら、身体を痛めてしまう可能性が高いためです。
筋力が低下し、体重が増加しているという事態を軽くみてはいけません。
まずは、食事量を現在の生活に見合った内容に調整し体重を減らします。
そのうえで、少しずつ運動量を増やし筋力を取り戻していくのが良いです。
入院した後は、寝込んでいた期間に応じてリハビリをするでしょう?
いきなり、入院前と同じ生活パターンに戻すのは無謀です。
「そうは言っても出歩くのは気が引ける」とお考えになった方もいらっしゃいますよね。
その場合は、以下の記事をどうぞ。庵忠さんが、お役立ち記事を投稿してくださいました。
濃厚接触者とは何なのか正しく理解しておくだけでも、気をつけるべきこと、気にしなくて良いことの認識が随分と変わってきますよ。
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