綱引きをしたら体中が痛くなったのだが?
運動会のシーズンですね。例年通りに開催できる学校は殆どなく、規模を縮小して実施する学校が目立ちます。
中止にならないぶん、昨年より状況は改善されている点が救いでしょうか。
さて、楽しいはずの運動会ですが、保護者も参加すると基本的には無事に終わりません。頑張りすぎた誰かが故障します。
分かりやすいのはリレーでの転倒ですよね。
ですが、最も気をつけたい競技は何かと問われると、個人的には綱引きだと思うのです。
1)綱引きが危険な理由
リレーに関しましては、注目を集める競技であり、力の優劣も分かりやすいため自信のない人は回避します。ようするに、なかなか参加者が決まらないのです。
それに対して、綱引きなら大勢の中の1人ですから、活躍したかどうか判然としません。
そのぶん、「リレーに出るよりマシかな」と参加へのハードルは低いのです。
ところが、改めて「綱引き」という競技を考えてみると、なかなかにリスクが高く侮れません。
それでは、どの辺りが危険なのか具体的にみていきます。
まず、日常生活では類似する行為も含め「綱をひく」という動作をする人は殆どいないでしょう。
次いで、基本的に皆さん真面目ですから手加減をせず、全力で頑張ってしまうのです。
愛する子供の前であり、他の保護者の目もありますから無様は晒せませんよね。
つまり、まったく使っていない筋肉にも関わらず、いきなりフルパワーで挑んでしまう競技だという事です。
これは嫌な予感しかしません。
2)最も危険なタイミング
二の腕の筋力トレーニングをする際に、肘を曲げてダンベル等を引き上げると、上腕二頭筋に負荷が掛かります(いわゆる力こぶが強調される動作)。
それで、引き上げた状態から、今度は肘を伸ばしていくわけですが、実はこの時も、上腕二頭筋には強力な負荷が発生しているのです。
綱引きにおいても、一方的に圧勝(あるいは惨敗)するならそこまで負担は大きくありません。
ところが、両者の力が拮抗した状態で引き寄せたり、引っ張られないよう踏ん張ったりを繰り返した場合は満遍なくダメージを負います。
そして、いよいよ負けそうになった時こそ要注意です。
体勢が崩れ、無理な体勢でありながらも踏ん張ろうとすればどうなるか?
ぎっくり腰や寝違えを起こす時の条件と似ていますよね。
日常生活で身体を動かす習慣のない人なら、翌日は起き上がることさえ苦痛になるでしょう。
3)対策と致しまして
できれば、1ヵ月くらい前から準備を始めたいところです。
繰り返しになりますが、綱引きにおける引いたり引かれたりという動作は、日常で使わない身体の使い方を要求されます。
それなら、バスタオル等を綱に見立てて引っ張り合う動作を体験し、身体を慣らしておくのが良いです。
当日は、発汗するくらい念入りにウォーミングアップをしてから綱引きに挑みましょう。
そのうえで、適度に手を抜いて、全力をださない事が肝要です。上限の目安としては70%くらいの力に抑えたいところです。
特に、体制が崩されて負けそうになったら、潔く諦めましょう。決して粘ってはいけません。
綱引きは、運動不足の人でも参加できてしまう競技ではありますが、実際のところは、かなりハードで故障が発生しやすい競技だということを認識しておきましょう。
もし綱引きに参加することになったとしても、その場の雰囲気にのまれて張り切り過ぎないようお気をつけください。くれぐれもご安全に。
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