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箸にも棒にも 【矜持】

今年は色々とありました。夏の終わりくらいに、突然顔に発疹が発生したため、やむなく病院のお世話になることに。

健康診断や予防接種を除けば、自力で対処できず医師に縋るのは20年ぶりくらいです。

そういうわけで、利用する際の一連の流れに不慣れだったりします。

長々と待たされる事態は回避したいので、営業時間前に並び1番で受診し速やかに撤収、という絵を描いておりました。

目的の皮膚科はビルの3Fにあり、2Fは処方箋を出してくれる薬局という位置関係です。

20分前に、当該ビルに入り、エレベーターに乗り込みます。誰もいません。作戦通りですね。

ところで、エレベーターを利用する際には、入り口横にあるボタンがある場所で待機する人、奥まで移動して待機する人に分かれるのではないかと思われます。

ちなみに、僕は後者です。行き先である3Fを押し「閉」ボタンを押した後は速やかに奥へ詰めました。


ところが、扉が半分くらい閉まった段階で、こちらに向かってくるご婦人が目に入ったのです。

悩むまでもありません。再度入り口横まで移動し「開」を押しました。

僕   「何階ですか?」
ご婦人 「あ、3Fです」

それはそうです。医院はこれから営業なのですから、2Fの薬局に向かう人は殆どいないでしょう。つまりライバルでございますね?

気を取り直して3Fへ向かおうとするも、またしても、新手の人影がこちらに向かって歩を進めてきます。

ここでも選択肢などありません。「開」一択です。

そうこうしているうちに、エレベーターには僕を含め7名が居合わせることになりました。

こうなると、もう身動きはとれません。つまり僕の位置は入り口横、ボタンの傍に固定です。

パニック障害とエレベーター


この時点で、今後の展開が予想できてしまいました。もう嫌な予感しかしません。

3Fに到着し、扉付近の人から外へと吐き出されていきます。

僕ですか?もちろん「開」を押しつづける役目ですよ。

物事には調和というものがございまして、この数分間でそういう役回りに収まったのです。

それで案の定、エレベーターを降りるのは最後、受付に並ぶのも最後尾と相成りました。

受付の看護師さんに、どれくらい待つことになるのか尋ねると「90分くらいです」とのこと。

ダメだこりゃ。

全て終えるまで2時間前後、今日のところは断念する以外になさそうです。



日を改めて、今度は前回の教訓を生かし、エレベーターを呼んだ後は、少し離れたところで待機、最後の1人として乗り込めるよう調整しました。

すると計算通り、1番最初に降りるのが自然な位置を確保でき、受付に並ぶのも先頭です。

とはいえ、「万事つつがなくしてやったり」とはなりませんでした。

どうにも、後味が悪いのです。贔屓目に考えても「要領が良い」と褒め称えられる行為ではありません。

診察を終えて、会計を待つ間、他の方の顔をまともに見ることができなかったのですから。

ももまろさん、貴女の振る舞いは立派です。自身の行動を深く反省すると共に、心より敬意を表します。



年内の投稿はこれで最後です。お付き合いくださった皆様、ありがとうございました。どうぞ佳いお年をお迎えください。

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