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休みになると体調不良で熱がでる理由

 あなたの周りにも、休みのたびに発熱して寝こんでしまう人がいるのではないでしょうか?もしかしたら、あなた自身がそうかもしれません。

この現象は運悪く休日に体調を崩しているのではなく、ヒトの持つ免疫システムの性質上、必然的に起こっているのですが、そのメカニズムをご紹介します。

1)休日になると体調不良

 ふだん学校や仕事がある日は気にならないけど、週末の休日になると、頭痛や発熱をはじめ、身体に不具合が生じてしまい寝込んでしまう方がけっこういらっしゃいます。

ゴールデンウィークやお盆休み、あるいは年末年始の長期休暇ともなると、この傾向はさらに高くなる傾向がありますね。

「せっかくのお休みだったのに・・・」、「長期休暇ならではの計画が台無しになってしまった」という残念なお報せが絶えません。

ですがここで、「せっかくの休日に体調を崩してしまうとは運が悪かった」と考えるのは早計です。

学校なり、会社がお休みの日に体調を崩す傾向のある方は、同じ事を繰り返さないためにも、「偶然ではなく必然」だと認識して、根本的に解決する方法を考えた方が良いですよ。

2)休日に熱がでる理由

 頭痛や発熱に限ったことではありませんが、身体の不具合は裏を返せば、ヒトの身体が本来あるべき状態に戻ろうとしている証とも言えます。

いわゆる治癒反応、あるいは自然治癒力と呼ばれる身体の働きですね。

治癒反応は、自律神経が交感神経から、副交感神経に切り替わった際に効果を発揮するのですが、日常の生活において、その治癒反応が起こる代表的な時間が眠っている間なのです。

ところが、普段から交感神経の緊張が高い方は、就寝時になっても交感神経から副交感神経に上手く切り替わりません。

そうすると、寝つきが悪くなったり、夜間に何度も目が覚めたりするようになります。つまり睡眠の質が低下した状態に陥ってしまうわけですね。

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下に向かう矢印が1日の疲労度合いです。仕事・勉強の内容やストレス等により、長くなったり、短くなったりします。一方で、上に向かう矢印が回復量です。こちらは、睡眠や食事の質によって左右されます。上に向かう矢印の方が長ければ、健康な状態を維持できます。

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ところが、下に向かう矢印の方が長くなってしまうと、身体は徐々にですが不健康になっていきます。

厄介なところは、時間をかけて下がっていくと、自分が不調であることを認識できません。ある一線を越えた際に、初めて症状を認識できるわけですね。

そのため、本人からすると「昨日まで何の問題もなく過ごせていたのに・・・」という印象になります。

3)就寝前のスマホはNG

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 ちなみにですが、パソコンやスマホの発するブルーライトには、覚醒作用、つまり交感神経を緊張させる働きがあります。

眠る直前まで使用していると、自覚がないまま睡眠の質が低下してしまいますので注意が必要です。

就寝前の1~2時間は、スマホやパソコンに触れずに過ごす事が推奨されていますが、スマホが普及した今となっては、そう簡単にはいかないでしょう。

不眠症や自律神経失調症のクライアントさんには、お風呂に入ったら、そのまま眠ることを提案しています。

質の悪い睡眠をつづけていると、一晩しっかり眠ったつもりでも実際には疲労が抜け切らず、翌日に疲れを持ち越してしまいます。いわゆる、疲労が蓄積していく状態ですね。

そして蓄積された疲労は、「気がついたら、いつのまにか解消していた」などという都合の良いことは起こりません。遠くない将来にツケを支払わされる日がやって来ることになります。

4)蓄積した疲労は清算

 自律神経を上手く切り替えることができなくなると、学校や仕事を終えて帰宅した後も、緊張(集中した状態)から解放されないままで就寝を迎える事になります。

そして週末のお休みや、長期休暇になって緊張から解放されることによって、ようやく副交感神経が優位になり、自然治癒力が機能しはじめます。

その際、日常生活で溜め込まれた疲労が多ければ多いほど、それに比例した頭痛や発熱に見舞われることになってしまいます。

従いまして、休日に熱をだして寝込んでしまうくらい体調を崩してしまうのは、「せっかくの休日なのに運が悪かった」わけではありません。

これまでの日常生活で蓄積してきた疲労を清算しているタイミングが、週末のお休み、あるいは、お盆や年末年始の長期休暇ということなのですね。

5)まじめな性格の人ほど注意が必要

 理不尽な話ですが、責任感が強く勉強も仕事も一生懸命まじめに頑張る人ほど、交感神経が緊張する頻度が高く、長期休暇に寝込んでしまう傾向があります。

さらに良くないパターンとして、さんざん疲労を溜め込んでいながら、長期休暇に入っても体調が崩れない方がいらっしゃいますが、これは「お休みの日でさえ緊張から解放されていない」という解釈ができます。

そうしますと、疲労が清算されることもなく、さらに上乗せされていくわけです。そして、なんらかの症状が現れる頃には、自宅で療養する程度ではすまなくなってしまう事態に陥ります。

従いまして、長期休暇に体調を崩してしまい、楽しみにしていたせっかくの休日プランが台無しになってしまったとしても、身体がひとまずリセットされたのですから、決して悪いことではないですよ。

まとまった休日が来るたびに、熱がでてしまうという状況を避けるためには、繰り返しになりますが、毎日質の良い睡眠をとって、一日ごとに疲労を解消することです。

そして、質の良い睡眠を得るためには、自律神経のバランスを良好な状態に保つ必要があります。


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