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開脚は得意ですか?

少し前に30歳代の女性から「身体の柔軟性を向上させたい」というご相談を受けました。

健康のためヨガを始めたそうなのですが、まったく開脚できず、ヨガ教室で恥ずかしい思いをするのだとか。

熟練者が多いクラスになるほど、難なく美しいポーズをこなしてしまう方が多いため、初心者は目立ってしまいます。

整体で関節の可動域を広げるのは、上達への近道だと言えるでしょう。

「180度は無理でも、120度くらいは開脚できるようになりたい」とのことでした。

ちなみに現状は、始めた当初から少し上達して100度くらいに達しているそうです。

なるほど、これは悩ましい相談です。


皆さんは、理想的な開脚の角度をご存知でしょうか?

実は90度なのです。

既に可動範囲は100度に達しているという事ですから、現状を評価すると「やや過剰」に動いていることになります。決して柔軟性がないわけではありません。

多少の個人差はあっても、骨格の構造上、可動範囲は90度が限界なのです。筋肉や靭帯も90度を上限として構成されているため、それ以上は可動域が広がるほど負荷が大きくなります。

つまり、怪我や故障のリスクが高くなるという事ですね。


例えば、目一杯ブランコを漕いで、それこそ180度を目指した小学生男子は珍しくないでしょう。

ところが、ブランコは元来座って乗る遊具です。立ち漕ぎをして限界を目指す遊び方は、リスクを背負う覚悟がなければできません。

想定されていない無理な使い方をすれば、怪我をするのは当たり前で、遊具だって壊れてしまいます。

ヨガだけではなく、バレエや格闘技なども当てはまりそうですが、より良いパフォーマンスを求めて、関節の可動範囲を広げるのは間違いではありません。

「特定の機能を集中的に鍛えて先鋭化させる」、スポーツにはそういう側面がありますよね。

柔軟性が高いほど健康という印象があるかもしれませんが、必ずしもそうだとは限りません。骨格の限界を超えた関節可動域は、故障発生のリスクが高くなることを把握しておきましょう。


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