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正座をしてもしびれない方法を茶道家に聞いてみた
以前、正座に関する記事を書いたのですが、その中で「この方法は邪道です」と注意書きしておきました。
これは茶道や生け花など美しい正座を求められる場合、悪癖が身についてしまうケースを避けたかったからです。
ところが、いささか認識不足でした。今回は正座の補足です。
前回の文中でも、軽く触れた茶道家歴40年になるクライアント様が起こしくださいました。
皆さんから戴いたコメントを拝読し、いくつか疑問が生じたところだったので良いタイミングです。
前回の記事を書く前にも、このクライアント様に、正しい正座とはどういうものか尋ねた事があります。
その際には「正座の仕方は習わないのですよ?問題があれば、その都度注意を受けて修正していくのです」と上品に流されました・・・。
というわけで、少し矛先を変えて尋ねてみました。
1)茶道家かく語りき
僕「正座をすると脚がしびれるので、茶道を始めるかどうか躊躇している方がいらっしゃるのです。アドバイスを戴けませんか?」
茶「そうね、下になる親指を交互に変えてみてはどうかしら?」
お茶の道は引退したとはいえ茶道界の発展は願ってやまない、そうだと思っていましたよ。計算通りです。
僕「指を入れ替えるのは、マナー違反にならないのですか?」
茶「もちろん、周囲から分からないようにやるのですよ?」
このタイミングで実際に正座し始めました。何だかスイッチが入ってしまった模様・・・望むところです。
茶「あとは・・・そうね、体重を左右交互に掛けると良いですよ。くれぐれも最小限の動きで目立たないようにね」
僕「ほうほう、なるほど」
茶「他には・・・土踏まずの間にお尻を落とすようにすれば、しびれにくくなりますよ」
明け透けに実行してしまうとマナー違反ですが、実際には必要に応じて上記の動作を取り入れているとのこと。
周囲に気取られることなく、実行できるかどうかも技術のうちなのだとか。
茶「それでもしびれてしまったら、つま先を立てると回復しますよ」
僕「それだと目立つでしょう。本当にしてらっしゃいました?」
茶「ええ、もちろん。脚をしびれさせない工夫として教わるのですよ」
お気づきでしょうか?僕が解剖学に基づいた理屈だけで提案した方法と殆ど同じですよね?何だか嬉しいです。
2)頑張り過ぎるのはNG
始めて間もない頃は、おもてなしを受ける側で、動作がなく正座をしたままになるのだとか。
そのうち、おもてなしをする側になると、案外忙しく動きも増えるため、脚がしびれにくくなるとの事でした。
正座に慣れていないうちは、頑張り過ぎるとしびれている感覚さえなくなり、立ち上がるタイミングで盛大にやらかしてしまうそうです。
酷いときには、襖を破ってしまったり、茶器を壊してしまったりする事も・・・。
1度やらかしてしまうと、その後は延々と語り継がれ、いつまでも話のネタにされてしまうそうです。
始めるなら「多少の無作法に目を瞑ってでも、しびれない様に尽力するとよいですよ」とも仰ってました。
というわけで、これから茶道や生け花を始める方も、参考にしてくださって大丈夫です。
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