暴力に屈しない、ということ
7月18日のお昼ごろ
わたしはかかりつけ精神科の待合に居た。
そこを
わたしと同じく朝早く来ることが多い患者(女性・40〜50代くらい)が、車椅子に乗り、見かけたことのない男性に押してもらって通りかかった。
目の前を通ったほんの一瞬、わたしが前を向いていたから、彼女のことが視界に入った。目も合っていないくらい、わずかな時間のことだった。
ところが
通りすぎて角を曲がろう、という時
急に、彼女が叫んだ。
「見てんじゃねーよ」
まったく身に覚えのないことだった。
自分に対して言われているのだと気づくのに時間がかかってしまったくらい、見てもいないどころか、目すらも合っていなかったからだ。
その時わたしは電話をしていた。
だからそんな言いがかりに付き合う気は毛頭なかった。
スルーして、電話のやりとりを続けた。
そうしたら、彼女は尚も続けた。
「無視すんじゃねーよ!!!」
そう言いながら、男性の静止を振り切って
車椅子から無理矢理降りて
杖を掴み、立ちあがろうとしてそのまま崩れ落ちた。
それでも床を這って、わたしのところまで来ると
いきなりわたしの左太腿を3〜4回殴った。
あまりに唐突なことでわたしはよけることもできず
もろにそのエネルギーを全て受けてしまった。
その上さらに彼女は杖を掴み直すと
それを思い切り振り上げ、わたしの鞄めがけて振り下ろした。
それに飽き足らず、わたしに向き合ってもう一度杖を大きく振り上げたところで
外来の看護師さんふたりが駆けつけてくれて
わたしと彼女の間に入ると、振り回し続ける杖からわたしを守ってくれた。
彼女は3人がかりで押さえつけられながら
叫び続けた。
「ひとりじゃ生きられないくせによー」
「共産党のくせに!」
そもそも、ひとはひとりでは生きられない。
それに車椅子を自分で漕ぐことをせず、押しもらって来た彼女のほうがよほど“ひとりでは生きられていない”のではないか。
そんな人にわたしの生き方をどうこう言われたくない。
そして
誰がどこの党を支持するかは自由だ。
価値観や思想が合わなければ離れればいいだけだ。
「共産党のくせに」と言えば悪口になる、と思っていること自体が幼すぎる。
聞き取れなかった言葉も含めて
大声で喚かれ続けた。
わたしはほとんどそれにリアクションはしていない。
だが、あまりにうるさすぎて
わたしはかけていた電話を中断した。
「電話かけてるのが見て分からないんですか?迷惑ですよ」
そうひとことだけ声はかけた。
それに対して返ってきたのは
「知るかよ!分かるわけねーだろ!!」
もう話すだけ無駄で、余計にこちらの心が削られる、と思い口を閉じた。
なるべく右から左に言葉を流すようにした。
それでも
言われたいくつかの言葉は
無防備だったわたしの心にいまも刺さっている。
彼女は叫び続けながら個室に連れて行かれた。
「嵐が去った」とはこのことを言うのだと思った。
気づいたら手と足が細かく震えていた。
間に入って庇ってくれた看護師さんには、心配をかけたくなくて強がってしまったけれど
無防備な状態で受けた暴力と暴言は、わたしを疲弊させ、心がすり減っていた。
そして、とても怖かった。
1週間後、わたしはひとりでここに来れるだろうか?と思った。今も不安でいっぱいだ。
でも、このまま終わりにするわけにはいかなかった。
病院が設置している相談室に行き
担当者に事の顛末をお話しし、レッドカード(出禁)或いはイエローカード(2枚で出禁)を出してほしい旨を要望として出してきた。
そして
まわりの大切な友だちがかけてくれた
「被害者だよ」「警察案件だよ」
って言葉に勇気をもらって
小平警察にも被害届を出したいことを電話でお伝えした。
翌日、警察から病院にお電話があったと聞いた。
殴られた左太腿は夜になっても痛んだ。
そのことをかかりつけの「きずときずあとのクリニック豊洲院」の院長にメッセージで状況を説明し、診断書が書けるか聞いた。
院長からのお返事は
「確約はできないけれど、たぶん打撲で書けると思う」
ということだった。
翌日、診察に行くことを伝えた。
金曜日、夕方
きずときずあとのクリニック豊洲院を受診し
「全治1週間の打撲」
と診断された。
これを書いている今も、湿布を貼り、杖をついて歩いている。
これまで、まわりの友人たちが
彼女から暴言を浴び
そして病気を言い訳にされて、一度も、誰も謝られたことがなかった。
でも、殴るのは犯罪だ。
そろそろ病気を言い訳に使えないこともあるのだと学んでほしい。
病気だから、と暴力が許されるはずがない。
向こうが暴力と暴言を向けて潰そうとしてくるのなら、こちらは正当な方法で叩き潰し返すだけ。
そして、わたしが暴力(暴言も暴力)に屈しないで闘うのは、そばにいてくれる大切な存在を守るためでもあるのだ。
中途半端な対応や、病気だから仕方ないと甘やかせば
次に暴力を受けるのはわたしの大切なひとかもしれないから。
だから、わたしは絶対に潰されないし、ここまで殴り、言葉の凶器をひとに向けたのだから、徹底的に潰し返す。
わたしに言いがかりつけて絡んだことを泣いて後悔すればいい。
後悔しても遅いし、泣いても何してもぜったいに許さないけれど。
当日はそれでも、それなりに傷ついていて
看護師さんと電話しながら号泣したりもしたけど
もうじゅうぶん泣いたから。もう泣かない。
あとは使えるツールをすべて使って闘うだけ。
言われた心に刺さる言葉の数々も、殴られた痛みも
全部正当な方法で何倍にもして返す。
二度とncnpの敷居を跨ぐなよ、と思っている。
※この記事は、今後事態が変わっていく中で追記していく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?