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精神科病棟に入院していた話


2月28日〜3月17日と
4月15日〜5月19日の2回
わたしは精神科病棟に入院していた。

入院の目的は「休息」

生まれてこの方、“休む”ということをせず
クラスに馴染めなくても、生きづらさを抱えても
立ち止まることも、逃げることもせず
ひたすらがんばって生きてきたのが
今年に入って、限界になってしまった。

Facebookで繋がっている方はご存じと思うけれど
今年の1月末
わたしは腕を深く切って重度の貧血(ヘモグロビン4.7)になり
病院で輸血を受けた。
生きるためだった手段によって
死ぬかもしれない事態になり、輸血が必要になってしまった。

その時やっと、自分は限界なのだと知り
主治医から入院を提案されて
2週間のお試し入院をした。

それまで入院したことがあるといえば
幼稚園の時にかかった肺炎だけで
自分が入院、ましてや精神科病棟に入院するなんて
想像もしたことはなくて
自分が限界だと気付いてからも
なかなか入院を決めることができず
その一歩が踏み出せず
申し込みをしたのは、主治医から提案されてから何週間かたっていた。

最初の入院が順調だったわけではない。
ナースコールが押せないどころか
部屋からも出られず
自分からSOSが出せないがために
しんどくなった数時間後に発見される、なんてよくあることだった。
とにかくSOSがうまく出せなかった。出し方が分からなかった。

部屋から出られるようになり
看護師さんたちとも話せるようになったのは
入院の後半になってから。
きっかけは
心配してるよ、って声をかけてくれて
「しんどい?大丈夫?」って
わたしから言わなくても聞いてくれた看護師さんが居たから。
そこから話せる人が増えていった。
どんな時も優しく、寄り添ってくれる看護師さんたちの存在に、本当に心が救われ、
やっと入院が“しんどい”から“居心地がいい”に変わっていった。

1回目の入院は、
自分ががんばりすぎていたこと
とても疲れていたこと
を自覚することができて
自分の中に
疲れたときは入院して休む
という選択肢ができた。

そして、
2回目の入院は、退院して日常生活に戻った中で
ある程度まとまった期間ゆっくり休みたい
というわたしの希望で決まった。

入院中の生活は
平日の午前中には作業療法があり
パズルや刺し子、折り紙、絵を描く、など
それぞれがやりたいことをやる。

わたしは、まずホワイトパズルに取り組み
GWの途中で完成させた。

そのあとは
折り紙をやったり、刺し子をやったり。
あと数独もやった。
意外とこれが楽しくて、どれもハマった。
刺し子とかいつ以来?!笑
でも、集中できて、対処法としてもとても良いなと思った。

午後は
検査とかなければ基本自由時間。
その時間にお風呂入ったり
ゴロゴロしたり
ドラマ観たり
LINEスタンプつくったり。
本も読んだ。
友だちと電話したり、手紙を書いたりもした。

看護師さんとも
前回の入院と比べ物にならないくらい
たくさん話した。

楽しい話も、相談も。
しんどいとき、そばにいてもらったこともある。

ある日、
朝ご飯を無理して完食したのがしんどくて
それをお昼まで引きずって、
お昼ごはんを食べたあとしんどさがMAXになってしまって
食べたものをぜんぶ吐いてしまった。

以前のわたしだったら
そのことを看護師さんに言うのに
早くて数時間、場合によっては数日かかっていたと思う。
でもその時のわたしは
吐いてしまってからすぐにステーションに行けて
そのことを看護師さんに言えた。
怒られるかな、と思ったけど
その逆で「すぐ言えて偉いよ〜良く言えたね、ありがとう」
って言われて
すごくホッとした。

入院中の大きな変化は
自分を褒めたり、認めたりできるようになったことだ。
それまでのわたしは
褒められた時、謙遜とかではなくガチで“そんなことない”って思っていた。自分に褒められる要素なんてないと思っていたし、わたしなんか、って常に思っていた。
そんなわたしに
看護師のIさんは、ひたすら褒めてくれた。
折り紙ひとつ折るだけで
パズルひとつ完成させるだけで
ほんの小さなことまで
「すごいね〜」って言ってくれた。
才能があるよ、と。
可純の「可」は可能性の意味があると知ってからは
「可能性しかないね〜」って。

最初は仕事で言ってるんだと思った。
でもIさんと話すうちに
嘘や誤魔化しをしないその姿勢に触れるなかで
褒めてくれているその言葉も
Iさんの本心なのでは?と思うようになり
気づけば、Iさんに褒められるのが嬉しくなり
自分でも
「すごいでしょ?!」「がんばったよーー!」
って言えるようになっていた。

大きな前進だった。

2回目の入院では
SOSがうまく出せるようになったこと
自分を褒めたり認めたりできるようになったこと
これらが
わたしの中で収穫であり前進だった。

「入院」と聞くと
何か大きな病気をしたイメージがあるかもしれない。
「精神科病棟」と聞くと
良いイメージを持たれないことも、あるかもしれない。

でも
入院してみて思った。
入院は特別なことじゃない。
ネガティブなことでもない。
疲れた時に休む
安全で安心な逃げ場。

だから
いま、苦しい人
疲れたなあ、限界だなあと思っているひとに
入院という選択肢もあるよ、と伝えたい。

わたしはいま
うつ病、複雑性PTSD、摂食障害を抱えていて
それは簡単には治らないけど
入院をうまく活用しながら
少しずつ、前に進めたらいいな、と思っている。

入院って、悪くないよ。




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