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[都議会・事務事業質疑]総務委員会を傍聴しました②


11月22日(木)、
都議会総務委員会の事務事業質疑を傍聴してきました。
(11月15日の質疑についてはこちら)

原のり子都議は、
大きく分けて
人権条例・同和問題・ワンストップ支援事業
について質問。
それぞれについて書きたいと思います。


①人権条例

原さんは、二章の「多様な性の理解の推進」について
基本計画では都民の意見を聞くこととなっているが、
都民参加をどう保証するのか質問。
都は、新設した相談窓口に寄せられる声も踏まえていくとの答弁でした。
それを受けて、原さんは
寄せられる声を大切にしてほしいこと、
相談窓口は電話相談としてスタートしたが、第三回定例会から求めているように、メールなどでも相談ができるようにするなど更なる充実をと求めました。

また、苦情処理や被害者の救済も基本計画に盛り込むべきでは?という質問には
当事者に寄り添うことは大切であり、
適切な機関に繋いでいく、という答弁がありました。

人権条例は第三回定例会で可決されましたが
それで終わりではなく、
都民参加で、当事者の声が反映された基本計画になるように、人権条例がよりよいものになっていくように、
わたしも、思うことがあればきちんと言葉にし、
今後も注目していきたいと思います。


②同和問題

昨年、11月21日の総務委員会でも
原さんは同和問題について質問されています。

現在、同和問題は
「特定相談」から「専門相談」に名称が変わり、その中身も、少し変わったとのことですが、
なぜ、継続されるのか…
人権課題は様々ある中でなぜ同和だけが取り出されるのか…

原さんはまず、
相談対象・相談が週5回から週2回に減った理由・来所相談が1人原則3回までとなっている理由
について質問。

来所相談は、都内在住・在学・在勤の方
週2回となったのは様々に見直しを行った結果
来所相談の回数については、より多くの人の相談機会を確保するため、1人原則3回までとした
との答弁がありました。

それを踏まえて原さんは
専門相談は必要なのか?人権相談全体を充実することが大事なのではないかと述べました。

昨年、人権部長は
原さんの「人権課題について、優先するものとそうでないものの区別はあるのか」という質問に
「そういった区別はない」と答弁しています。
そうであるなら
なぜ、それから1年が経過してもなお
専門相談が存在するのか…。
「区別はない」と答弁するだけでなく、きちんとそれを形にしてほしいと思います。


③ワンストップ支援事業

わたしは、この日をずっと待っていました。
原さんに議会の場で性暴力やその支援について質問してほしい…、出会ってからずっと思ってきたことでした。
だから嬉しくて、聴きながらいろんな思いが溢れて、思わず泣きそうになりました。
原さん、本当にありがとうございます。

さて、質問の中身について。

原さんは、先日SARC東京に視察に行き
ワンストップ支援の重要性を実感したといいます。
その中で、
ダイヤルNaNaが、24時間、夜間・休日も対応していることに着目。
他県では、夜間・休日は外部委託のケースもある中、東京が夜間・休日も二人体制でやっていることは、重要であり評価できるとしました。

都は、コールセンターに委託していないことについて、
性被害は、被害直後から早期の救済が必要であり、24時間体制であることが必要であるとの判断、と答弁。
この視点も含めて、重要だと思います。

また、外部委託することで
対応にムラがあったり、きちんと理解できていない人が対応して、相談者が更に傷つく、ということもあり得ます。
その点でも、委託をしないことは重要です。

SARC東京が受けてきた相談の傾向については、

◇10〜20代の女性が比較的多いが、幅広い年代から相談がある
◇強制性交・強制わいせつだけでなく、DVや児童虐待に関わるものも
◇被害直後のみならず、長年経過した被害の相談もある

ということです。
過去の被害についても相談できる、というのはとても大切です。
原さんも、
直後はためらって相談できず、その後何年たっても傷が癒えずにいる人は多いはず。そういう時に電話しても対応してもらえることは重要であるとし
その上で、“いつの被害であっても相談できる”ということを更にアナウンスしてほしいと求めました。

私は、この答弁には良い意味でとても驚きました。
以前、SARCのホームページを見た時に私が受けた印象は、
“急性期の相談を受けるところ”
でした。
被害直後ならSARC、時間が経過しているならTSUBOMI、というのが私の認識でした。
だから、急性期でなくても良いということには驚いたけれど、
良かった…とも思いました。
それと同時に、そうやって誤解をして相談を諦める人がいないように、原さんが求めた“いつの被害であっても相談できる”ということをきちんと周知してほしいと、私も強く思います。


また、原さんは
男性やセクシュアルマイノリティの方への対応についても質問しました。
ダイヤルNaNaは、性別を問わず対応し、
専門機関に繋いできたといい、
支援員に対して、対応力向上のための研修を年4回行なっているとのことです。セクシュアルマイノリティの方への支援を行う民間団体を研修の講師に読んだこともある、との答弁もありました。

セクシュアルマイノリティ当事者への対応につては、
わたしが昨年末に全国のワンストップ支援センターについて調べた段階では、ホームページに記載があるのは“性暴力被害者支援センター・ふくおか”だけでした。
けれど、トランスジェンダーの方などは
被害を相談することは、同時に自身のセクシュアリティをカミングアウトすることである場合も多く、より相談のハードルが高くなってしまうのではないかと考えます。
そのため、わたしは以前からセクシュアルマイノリティの方が相談しやすくなるように、ハードルを下げる工夫や取り組みをと思ってきました。

男性の相談についても、圧倒的に不足していると、この1年機会があるごとに書いてきました。
女性が被害者、男性が加害者、という古いテンプレはなくすべきです。
それこそが偏見であり、差別で、二次加害です。

ホームページの記述が被害者は女性である前提に立っているところ…
ピンクやお花がデザインされた、男性が手に取りにくいリーフレット…
わざわざ“女性の相談を受けている”と書いているところ…
全国を見ると、このような状況は多々見られます。
被害にあった人が、性別によって受けられる支援が違う、などということはあってはならないことです。

原さんは最後に、
年齢や性別を問わず相談できることが分かるようにしてほしい」と要望しました。
わたしからも、この点は強く要望したいです。

ダイヤルNaNaもSARC東京も
こうして都議会とつながりがあると、知る機会はあるけれど
日常の中でその名前を聞くことはほとんどありません。
わたしは以前、SARCを利用できたら良かったなと思うような出来事がありましたが、当時はその存在すら知りませんでした。
必要な時になってから調べるのではなくて、いまは必要ではない人にも届く工夫をすることは、いつか必要な事態に直面した時、その人の救いになると思います。
そのことも、わたしは求めたいです。


原さんがワンストップ支援事業について質問してくださって本当に良かった…と質疑を振り返りながら、改めて思っています。
原さんの性暴力についての問題意識、受け止めは本当にすごくて、わたしもハッとさせられることが多々あります。
だから、原さんの質問も、うまく言えないけれど、安心感とともに聴いていました。
本当にうれしい内容の質問でした。

原さんが今回要望したこと、わたしが求めたいことは、簡単にはそうなっていかないかもしれないけど、
少しずつ現状を変えていけたらいいなと思います。


最後に、生活者ネットワークの山内れい子都議の質疑の中で重要だと思うことがいくつかあったので、ここに書いておきたいです。

山内さんもSARC東京について質問。
その中で、
医療機関との連携について、この1年で充実したことはあるか聞きました。
それに対して
これまでは近接する特定の医療機関との連携のみであったけれど、
様々な取り組みの中で
相談者の身近な病院、希望する病院に付き添うように努めてきた
という答弁がありました。
とても重要だし、大きな前進だと思います。
今後も、相談者の要望にきちんと応えられるようにしていってほしいです。

また、レイプドラッグについては
疑われるケースは証拠保全を確実に行うため、
支援センターは相談者の状況や意向を適切に警察や医療機関に伝える、といった対応をしているとのこと。
レイプドラッグのことは、わたしはまだ詳しくないので、もう少し勉強しなければと思っていますが、
証拠保全は本当に大切。
そのためにも、レイプドラッグについて正しい知識を支援に関わる機関の中できちんと共有することも大切だと思います。


12月は第四回定例会があります。

12月
4日(火)都知事所信表明
11日(火)代表質問
12日(水)一般質問
19日(水)討論・採決
※時間は全て13:00〜
※委員会の日程は未定
※本会議は全てインターネット中継有

ぜひ、お時間合う方は傍聴に。


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#原のり子 #都議会 #日本共産党 #総務委員会 #人権条例 #同和問題 #ワンストップ支援事業 #性暴力


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