[都議会・事務事業質疑]総務委員会を傍聴しました。
11月15日(木)、
都議会、総務委員会の事務事業質疑を傍聴しました。
監査事務局からの説明があり、
政策企画局、青少年・治安対策本部、人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局に対する質疑が行われました。
原のり子都議は、
人事委員会事務局、青少年・治安対策本部に対して質疑を行いました。
それぞれについて、書きます。
[人事委員会事務局]
東京都職員3類採用選考に関して、質問を行いました。
この3類採用選考が行われるようになったことにより、精神障がい、知的障がいの方も採用が可能となり、精神障がいの方は多く採用されているのですが、知的障がいの方の採用がまだないとのことで、それはなぜかと問いました。
答弁は、「結果的にそうなっただけ」というものでしたが、
原さんは、愛知県の取り組みを紹介するなどしながら、あらゆる人がチャレンジできる内容になるよう求めました。
また、原さんは
改善を求めたいこと、として
選考において、配慮が必要なことの記入欄があるが、それは、手話・筆談・口話のみっつの選択肢だけとなっていることを指摘し、
具体的に“要約筆記”を入れるべきではないかと求めました。
これは、
“聴覚障がい”とひとことで言っても、さまざまな人がいて、
手話を使う人が全てではないこと、
筆談ではグループ討論などの場面で不十分な(対応しきれない)部分があること、
途中から聴覚障がいとなった方にとっては要約筆記のほうが、グループ討論の場合、全体の内容を理解しやすいこと
などの観点から求めたものです。
答弁は、必要なことはやってきた、とでも言うような、改善の必要はないとも受け取れるものであったため
原さんは「現状で良いという認識なのか」と改めて質問しました。
それに対しては、要約筆記については慎重に判断する、関係団体や国・市区町村と連携してやっていく、という答弁がありました。
原さんは改めて、
「当事者の声を聞いてほしい」
と、強く要望しました。
わたしも、当事者が置き去りにされて議論が進み、物事が決まっていくようなことはあってはならないと思います。
東京都職員3類採用選考については、恥ずかしながら、詳細を初めて知りましたが
あらゆる人がチャレンジしやすく、その選考過程で傷つく人がいないよう、当事者の声を聞いて、改善していくことを求めたいです。
[青少年・治安対策本部]
原さんは、主に
ネットいじめ、自殺対策、ひきこもりの方への支援について質問。
八王子で起きた、女子中学生がLINEでのいじめをきっかけに自殺したことを重く受け止め、
きっかけがLINEであること、
直接の謝罪はあったものの、それで解決しなかったことを
しっかりと受け止め、対策を、と述べました。
大人が(と言うわたしもたぶん大人の側なのですが)思うよりも、子どもにとってはSNSというのは大きなものです。
大人はどうしてもリアルを重視しがちですが
子どもにとっては、SNSの居場所もとても大切であって、ネット上でのトラブルもとても重く受け止める、ということも、ここで私も指摘しておきたいです。
次に、「こたエール」について。
ホームページでの事例の紹介はとても丁寧で、また、マメに更新されていることから
電話をしなくても、それを読んで解決することがある、ということは評価しつつ、
逆に、内容が深刻であると思っている場合、相談先がこたエールで良いのかと迷う青少年もいるのではないかと指摘しました。
どんな相談も受ける、ということをもっと周知すべきと求めました。
また、「若ナビα」と「ひきこもりサポートネット」については
ホームページに、具体的な相談事例や、それに対する考え方を載せてほしいこと
またその内容は、相談する側が“どんな相談でもいいんだ”と思えるようなものであってほしいことを要望しました。
子どもたちがSNSで見ている画像の内容も深刻です。
Twitterという大人の目があるところでも、多くリツイートされてまわってくるツイートや画像の中には、思わずTwitterを閉じたくなるようなものもあったり、
時折目にする自傷画像なども、一定のいいねがついていたりします。
これが、LINEという閉ざされた空間になったら、どうなるのか。
原さんは、大人も専門家のもとなどで、子どもたちがどういうものを見ているのか、知る必要があるのではないかと述べました。
ネット依存については
自分が依存しているのか分からないという場合もあれば、
ただ時間が長ければ依存、というものでもありません。
原さんは、「もしかして?」と不安に思った時に適切な場所に繋がれることが大切であるとし、
そういう場所はあるのかと質問しました。
都は、具体的に「こたエール」を挙げました。
原さんは、
ネットは自らが主体となって使っていくこと、
何かあった時の相談先を知っておくことが大切、と述べましたが
わたしも、本当にその通りだと思います。
どうしても“何か起きないように”という対策にばかり目が向けられがちですが、起きてしまった時にどうすればいいのか…、相談先を知っておくことはとても大切だと思います。
自殺対策について、原さんは
気軽に相談できるところがいくつもあること、
死にたいと思った時、そのことが言える先があることが大切であると述べました。
わたしは、原さんが議会の中でこのことを言ってくださったことが本当に嬉しい、と思いました。
死にたい原因を取り除くこと、解決することも大切だけれど、
死にたいと思った時、それを行動に移すか、踏みとどまるのか…その差は、しんどさを言える場所があるのか、だとわたしは思っているし、
わたし自身が死にたい思いを抱えた時、それを行動に移さなかったのは、その思いを安心して言える相手が居たからだと思っています。
気軽に相談できるところが複数あること、死にたい思いを言える先があることは、本当に大切だと、わたしは実感としてそう思います。
最後に、ひきこもりの方への支援について。
わたしがとても大切だと思ったのは
“ひきこもりから脱する、ではなく
いまの自分と折り合いをつけること、
そこに伴走することが大切なのでは”
ということ。
“脱する”というのは、いまの自分を否定していて、そうじゃない自分になろう、ということではないかと思います。
でも、いまの自分と折り合いをつけるというのは、まず自分をありのまま受け入れるところからはじまるのかな…と思います。
学校に行けない自分、部屋から出られない自分、そういう自分を否定したり、そこから脱しなければと思うのは、余計に苦しむことに繋がるかもしれません。
いまの自分と折り合いをつけて進むこと、そこに伴走する在り方は、大切だと思います。
原さんは最後、
伴走型の支援を継続することが大切であり
だからこそ年齢で区切るべきではないと述べ、質問を終えました。
わたしも、伴走型の支援を継続することが大切、という考えに心から共感し、都に対してそれを求めたい、ということをここに書いておきたいです。
これらの質問をふりかえって、
改めて、原さんが2年目も総務委員会でよかったと思います。
原さんが大切にしていること、着眼点、、そういうところにいつも、ハッとさせられるし、すごいなと思います。
原さんは、どれだけ調べて、どれだけ当事者の声を聴いて、その問題に詳しくなったとしても
“分かったつもり”には絶対ならない人です。
わたしが原さんのことを心から信頼しているのは、原さんがそういう分かったつもりにならない人だからです。
そして、
どんなことも決してひとまとめにして論じたりしない人だとも思っています。
ひきこもりの方への支援を考えるときも
自殺対策について考えるときも
“ひとりひとり違う”というところに立って考えていると思いました。原さんの質問が、いつも鋭くて、だけどあたたかいのは、それゆえだと思います。
またこれから1年、原さんの総務での質問を聴けることを心から嬉しく思うとともに
ひとりでも多くの人に、原さんの質問のことを知ってもらえたらいいなと思います。
次は、11月22日(木)13:00〜総務局に対する質疑が行われます。
お時間合う方はぜひ傍聴にいらしてください。
(※インターネット中継もあります。)
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