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iOSアプリ「ことせかい」
iOSアプリには、たまにとんでもなく良い無料アプリが登場する。
「ことせかい」もそんなアプリの一つだ。
「ことせかい」とは、web小説自動読み上げアプリで、web上にあるあらゆる小説を取り込んで、iPhoneにて読み上げてくれる。
「青空文庫」も「小説家になろう」も「カクヨム」も「ハーメルン」も「アルファポリス」も、やりようによっては個人サイトや個人ブログの自作小説も取り込んでくれる。
そしてそれを読み上げれくれるのだが、これもまた痒い所に手が届くような仕様になっていて非常に使い勝手がいい。
読み上げは男性声・女性声が選べるし、高音・低音の設定もできる。読み上げ速度も変えられるし、鉤括弧内だけの設定変更も可能。
文章読み上げAIにおける3点リーダーを無視して次の単語をすぐに読み出してしまうというエラーも、設定で3点リーダーを2秒間読み上げないようにすることも可能。同時に、ダッシュやマークなどの文字を無視できる。
厨二病的な「火炎地獄」を「ヘルファイアー」と、その小説に限りそのように読み上げさせると言ったイレギュラーなフリガナにも対応している。
大きいのは、青空文庫にも対応しているので、著作権切れ作家の作品を取り込めば夏目漱石や太宰治などの教科書文学や、坂口安吾に夢野久作などの古典ミステリーなども読めてしまう。
だが青空文庫で今現在最も注目すべきは、吉川英治の著作権が切れているために、かの作家の作品も取り入れることが可能だということだろう。
そして「ことせかい」に取り込んでしまえば、何かしらの作業をしながら名作を聞き続けることができるのだ。
ほんと、十年前には考えられなかったことである。
他にもあらゆる細かい部分に手が届いているので、実際にダウンロードして試してみることをお勧めする。
これだけの機能を備えておきながら「無料」。
そう、無料なのだ。500円くらいなら払っても構わないと思っているのに、無料。払いたくても払えない。「振り込めない詐欺」だ。
ちなみに僕は特殊な使用方法として、「古事記・現代語訳」とか「源氏物語」などは睡眠導入剤として流している。