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ソーメンと薬味

【2007年のブログから】

今日、Dへ風呂場の切れた電球の換えを買いにいったのですが
ひとり用の「流しソーメン器」なるものが売っておりました。

パッケージ写真から推測するに、小型の流れるプール的な
楕円のなかに水を入れ、ソーメンをいれるとそのなかをぐるぐる
回るという仕掛けなのでしょう。

これ、ひとりでしている姿を人に見られたら、そうとうに
悲しい。

ひとりで食事しているだけでも、寂しそうだ、と言われるわけ
ですから……。

でも、やはり夏場はソーメンをよく食べます。
1~2分で簡単に茹で上がるのがいいわけです。

夏場ですから、パスタのようにグラグラと煮立つ湯の前で
7分もいたくない。

さらに彼のいいところは、細身で色白で爽やかな点。
お湯のなかでクルクル回る姿も、どことなく爽快感があります。

これが、太めのちゃんぽん麺なんかですと、どことなく
夏場は茹でるのも躊躇してしまう。
お湯の中でも動きも機敏でなく、だらけた感じで……。

ただ、彼は仕上げできっちりやらないと、良さを引き出すことの
できない部分もありますね。
ポイントは流水でよく洗うこと。さらに、氷水で締めること。
多少柔らかく煮すぎてしまっても、氷水で締めると復活します。

指先にだらけを少しでも感じたら、氷水のなかに突っ込んで
「どうだ、これでシャキッとせい!」とつぶやきながら洗うわけです。

彼を食すとき、重要なのが薬味。
最低でもネギは必要です。
ネギがないゆえに、ソーメンを諦める日すらあります。
さらに、ショウガにミョウガ、シソにゴマ、薬味はあればあるほどナイス。

スリムで色白の彼の長所でもあり、短所でもある点がアッサリしている所。
ある意味、個性的ではない。
それをカバーし、彼のよさを引き立てるのが、薬味なわけです。

蕎麦でも、うどんでも、冷奴でも、薬味がないとダメですねぇ。
薬味さえあれば、多少味のよろしくないものでもイケてしまうこともある。

人間にとって薬味とはなんでしょうねぇ。

例えば、少々ルックス的には悪いのだけど、妙に魅力的なコっています。
このコの何が魅力なのだろう? と考えてみると内面の良さだったり
することに気がつきます。
育ちがいい、教養がある、頑張っている、話が面白い、センスがいい、
などという点に魅力を感じるわけです。

もちろん、メインの素材も素晴らしいほうが良いのですが、
薬味の部分がないと、人間もなんとも味気ないものです。

男も同じだよなぁ、と反省し、これからは薬味の部分だよなぁ、と
思う夏の日なのでした。

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