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『文學界』9月号に小砂川チト『家庭用安心坑夫』(講談社)の書評を書きました。

芥川賞の候補にもなったこの小説は、〈父〉である地元の炭坑夫人形が東京に住む主人公の前に突如現れるという書き出しから始まる怪奇小説のような作品です。ままならぬ人生に自由を希求する物語として読みました。

他の論者の感想として「どうして坑夫なのかがわからない」というものが多かったように思えますが、僕は今回の書評を「なぜ坑夫なのか?」という問いを探るために書きました。そのための思考の補助線として炭鉱を描いた近現代文学の研究者、奥村華子さんの論文を引用しています。とても参考になりました。

小説も書評もお読みいただけますと幸いです。

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