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越原小百合。話す。西野波音、新作短篇映画『+、○○で逢えたら(仮)』 【Part 2】

Interview with Sayuri Koshihara
on the short film “And, if we could meet at ○○...”(part 2)


 西野波音監督の新作短篇『+、○○で逢えたら(仮)』には、2人の主人公がいる。ひとりは、想いを伝えられない男性。もうひとりが越原小百合演じる『想いを伝えられなかった女性』だ。
 彼女にとって初めてのインタビューである2回目は、役を掴んでいった過程から始まり、2カ月の撮影延期で削られた「譲れないセリフ」を悩みながらも取り戻していく話である。

撮影/横山新一 ヘアメイク/aya
文/あらいかわこうじ

ーー今回の役を掴んでいくとき、最初に意識したことはありましたか?
越原小百合(以下、越原):シーン毎に彼女がどういう気持ちなのか、彼女がどういう思いを持ちながら彼と過ごしているのかを自分の中で想像しました。そうやって何度も台本を読んでいくと、想像から映像に変わるというか。そこで特殊な設定もある彼女の自由さの加減も考えていきました。

ーーそれは、何かに書き出しながら想像したり、考えたりしたことですか?
越原:浮かんできた単語を書き出して、自分と溶け合う言葉、ハマる言葉を探していました。言葉が見つかったら、付箋に書いて壁に貼りましたね。台本に書き込んでしまうと、その言葉を意識してしまうので。

ーー今回は男性俳優のオーディションでも相手役をしたそうですが。
越原:面白かったです。みなさんアプローチの仕方が違ったので。その中で一番熱量を感じたのが、井上(雄太)さんでした。内に秘めたパワーを感じるこの人と共演することになったら、私も演じる役をレベルアップさせないといけないなと意識しましたから。

ーーちなみにオーディション当時、もうひとりの主人公『想いを伝えられない男性』を越原さんはどういう人物だと捉えていましたか?
越原:イメージは、ふにゃふにゃというか。しっかりしていたり、リードしたりする感じではなくて、頼りたくて、甘えたくてお姉さんみたいな人に助けてもらう男の子のイメージでした。

ーーその後、井上さんとの本読みに入るわけですが。
越原:台本をすべて読んでいるので、井上さんはオーディションのときにはなかった雰囲気でした。そんな井上さんとの本読みを通して、私は自分の役を本当に掴んでいった感覚があります。

ーーそこで2カ月延期です。
越原:マジか、と。冗談です(笑)。いろいろ模索できる時間かなと思いました。個人的には、何もマイナスには感じなかったです。

ーーただ、西野監督が台本を書き直しましたよね?
越原:そうなんですよね。でも、いつものことです。前作のときもそうでしたから(笑)。ただ、どうしても削ってほしくない部分があって。自分の中で、そこはキーポイントだったんです。そのシーンをきっかけに彼女の心が動くんだろうなと。そこは観ている方にもちゃんと伝えたいなと思ったので、監督と電話で1時間くらい話しました。でも、悩みました、俳優として監督に意見することを。

ーー監督はその話し合いができて、とてもよかったようです。
越原:監督の言葉で自分が納得するならそのままでもいいと思いましたけど、最終的に戻していただいて私もうれしかったです。
(Part 3につづく)


こしはら・さゆり
長野県出身。
2022年、西野監督の『いいよ、別に。それで It's fine like that.』に木村静役で出演。また、舞台『青春の殺人者 令和版』では主演を務める。


●取材協力/カフェテーロ葉山(https://www.instagram.com/cafetero.hayama/?hl=ja

●衣装協力/KEY MEMORY
https://keymemory.co.jp/


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