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【長崎ネクストリーディング企業紹介2】Stndard Force株式会社(大村市)~”建築業界に革命を起こす”社内の意識改革から、建築業界のプラットフォームとして業界全体のDXを推進~

「Standard Force」について

 Standard Force(株)は、(株)LTUのグループ会社です。当初は(株)富建のDXを推進するため、同社の部門内で開発を行っていましたが、独立し会社組織としました。
 建材流通で実現困難とされていた、業務データの一元化を実現させた建材販売管理システム「Stance」や職人ノウハウ・商材知識などを脳科学のアルゴリズムで習得させる教育アプリ「NOGOZO」の開発販売を行っています。

「Stance」の開発、そして会社の独立へ

 会社のDXや、社員教育に目を向けたのは、原田社長の前職である海上自衛隊の幹部時代に学び得た経験や情報がバックグラウンドとなっています。
 建築業界は、例えば家一軒建てるには見積書の項目が1000あり、電気工事や外壁工事などたくさんの業者が関わって出来上がります。非常に複雑であり、専門性の高さも相まって、ITベンダーへの外注も難しく、DXが遅れている業界です。そのため、木材建材流通業である(株)富建で内製化し、一元化できるシステムを作る方が良いのではないかと考え、新規事業として自社で開発したシステムが「Stance」です。営業管理、見積、発注、在庫管理、工程管理、売上、入金まで一気通貫で処理できる、まさに痒い所に手が届く業界初のこのシステムは、反響も大きく、全国の販売店から引き合いがあり、2018年にStandard Force(株)として独立して会社を立ち上げました。

教育システム「NOGAZO」~全ての建築業界に安価で質の高い教育を~

 社員の資格試験対策や知識定着化を目的として開発した教育アプリ「NOGAZO」。分散多極化している建築業界では、一部大手を除いて教育がOJTに偏りがちです。しかもその教育内容について、教える側の知識や技量、そして教える能力に大きく左右されているのが現状です。
 建築業界では十分な知識をもって業務にあたる人員が慢性的に不足しており、さらに若い入職者がわからないまま早期に業界から退出してしまう問題が常態化しています。このような社会問題に対応するため、LTUグループでは永らく教育ということに重点を置いて研究を重ねてきました。

 その結果たどり着いたのが「NOGAZO」です。これは、長崎大学の工学部や教育学部にご協力いただき、教育という観点からも磨きをかけたシステムになっています。
 このNOGAZOには、間違った回答の問題が数日後に自動で出題されるという機能があります。スマートフォンで、いつでも、どこでも学習が可能となり、このNOGAZOで毎日20~30分間、2か月勉強した社員が見事資格試験に合格しました。

 知識が身につくと饒舌になるので、結果として営業成績の向上にもつながり成功体験が増え、自信がつくようになります。
 また、重要な知識を正しく身につけておかないと、建築・施工にも影響しかねません。社内教育で使うときには、間違ってはいけない選択肢を選んだ時に管理者に通知が届くようなシステムにもなっており、従業員の修練度の可視化にもつながっています。

今後の展望

 全国の建材店をシステム連携することにより業務の標準化のみならず、メーカーや省庁を巻き込んでの業界の標準を創り、長崎県からでも全国に事業展開できるということを県内の若者にも示したい、ここ長崎から”建築業界に革命を起こす”と原田社長。DXによる事務効率の向上や、キャリア採用など、若者が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
 そして、そのような原田社長の取組みが功を奏し、グループ全体の新入社員の入社1年後の離職率はゼロになりました。きっとこれからも建築に新しい風を吹き込むであろうStandard Force(株)から今後も目が離せません。

「Standard Force(株)」HP:https://standardforce.jp/

文責:長崎県産業労働部経営支援課

※長崎県では、コロナ禍による売上減やECの急伸、消費者ニーズの変化など、急速な事業環境の変化に対応するため、高成長への意欲と潜在力を持ち、地域経済への波及効果が期待できるサービス産業事業者等を「長崎県ネクストリーディング企業」として認定し、ニーズに応じてDX等による県外需要獲得・生産性向上を目指す取組を支援しています。
 この「長崎ネクストリーディング企業紹介」記事では、各企業の取組や支援の内容について、ご紹介していきます。

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