我那覇選手の決断を応援したい(2007/12/7付)

記事の初公開日:2007年 12月 07日

今年4月、風邪の回復のためチームドクターが取った処置がJリーグアンチドーピング規定に抵触するということで処分を受けていた川崎フロンターレの我那覇選手が、その処分の撤回をもとめて、第三者機関に仲裁の申し立てをすることを選んだようだ。

この問題の経緯については、「等々力ゴール裏でまた騒ぐ (アウェイでも騒ぐけど)」というフロンターレサポーターさんのサイトにわかりやすく整理されていた。

すでに6試合出場停止とフロンターレへの1000万円の罰金という処置に伏しているが、その後、世界反ドーピング機関(WADA)の規定に照らし合わせると、我那覇選手への処置はドーピングにならないとJADA(WADAの下部組織)の見解が出され、我那覇選手を担当した医師たちが第三者機関での仲裁を求めたが、「この話は、Jリーグと川崎フロンターレと我那覇選手の間で解決済み」としてJリーグが応じない格好になっていた。
そこで、当事者の我那覇選手が仲裁を申し立てることに踏み切ったようだ。

よく決心したと思う。
勇気ある決断だと思う。

すでにペナルティーに応じているとはいえ、納得のいかないものを抱えている心情はプレーに現れていた。今シーズンの我那覇選手は昨シーズンとは打って変わって精彩がなかった。
この問題による精神的な苦痛が大きかったのだろうと想像できた。
「納得いかないかもしれないが、受け入れることで今後サッカー選手として前向きに進めるのではないか」と勧めた川崎フロンターレ側は、大事な選手の選手生命を守るためにも、プレーを中断させるようなことがないようにとの親心からだったのだと思う。それでも、我那覇選手の「人間としてのプライド」は納得できなかったのだろう。

新聞の一問一答によれば、仲裁申し立てを決心した理由は「サッカー選手を辞めたあとも汚名を着て生きるのは悲しい。サッカー選手を目指したいと言う息子のためにも、堂々とサッカーができるようになりたい。」というものだった。
第三者機関への仲裁申し立ては、大きなリスクをはらむ。場合によっては、何年も試合出場停止が言い渡され、サッカー選手としての選手生命を断たれることになるかもしれない。それを覚悟しの決断。選手生命をかけるというリスクを払っても、この事件をきちんと納得のいく形で解決したいと思っているようだ。
「後ろめたさを抱えていては、真に前向きに生きられない」ということを知って行動にでた我那覇選手に尊敬の念さえ覚える。

このような我那覇選手の訴えに対して、Jリーグとしては、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の仲裁であれば受けて立つとの見解を発表している。CASに申し立てするとなれば、CASに出頭したり、国際機関用の書類をつくったりと、1000万円以上の経費を我那覇選手が個人負担ししなけらばならないらしい。人気選手とはいえ、報酬の低いJリーグ選手にはその費用は大きい負担ではないだろうか。

今回の我那覇選手の事件は、本人が確信犯的に行うドーピングと違って、医療行為かどうかという判断の境界線上にあるようなことで、サッカーのみならず、他のスポーツでも起こりうることだろう。そのような意味では、多くのスポーツ選手にとっても他人事ではすまされない出来事ではないだろうか。できるだけ我那覇選手を支援してもらいたいと思う。


我那覇選手の勇気ある決断に、私が支援できることは残念ながら少ししかない。
ブログなどを通じて応援の気持ちをあらわすことと、ささやかなカンパくらいだ。
川崎フロンターレサポーターさんにお願い!カンパについて、具体的な方法などがわかれば教えて欲しい。(この記事のコメント欄に書いていただくか、トラックバックしてください。)本当にさささやかだが、ぜひともカンパさせてもらいたいと思っている。


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