中村俊輔の今を読んだ

記事の初公開日:2013年 06月 02日

5月末に発売された「週刊東洋経済」6月1日号に中村俊輔へのインタビュー記事があった。

絶望の淵から復活した34歳の”サッカー少年”というタイトル
「南アフリカW杯で絶望を味わった34歳が今輝きを増している。その復活劇の裏側と、リーダーとして見据える未来像を追った」というリーダーで、スポーツライター・中島大輔氏が書いている。
中島氏の仕事についてよく知らないが、中村俊輔選手の今を客観的にとらえ、一番わかりやすく書かれているいい記事だった。

高層ビルを背景にしたマリノスの練習場にスクッと立つ練習着姿の中村俊輔選手の写真が、とてもいい。

何かのインタビューで「あなたにとってJリーグとは?」と聞かれて「家だと思う」と答えていた中村選手。長い海外経験から帰ってこられる家があること、そして一番愛する家=マリノスに帰れたことの幸運を語っていた。
その家から海外に旅立ったときはまだ繊細な天才少年ぽかった彼が、今はその家の長男的な存在になっている。
今に至る道程で経験してきたことを栄光も屈辱もしっかりと正面から受け止め、それらの本質は何なのかをじっくりと考えて自分にフィードバックしてきた努力が今に活きてきるのだろう。
例えば、2006W杯ジーコジャパンについて、ジーコの放任主義がもたらした結果というのが一般の評価だが、中村選手は、ジーコは放任でなくトップ選手たちを尊敬して責任を持たせた上での自由を与えていたのだという。「トッププレーヤーは自分で考えるのは当たり前」というジーコの思考のレベルに自分たち日本代表が追いついていなかったと言う。
セリエA/ナポリのマッツァーリ監督にはレッジーナ時代に指導を受けているが、彼から受けた特殊な指導空間での経験についても俊輔なりに解釈して今に活かしているようだ。
監督になるのか、選手を続けるのか、俊輔ファンがやきもきしている将来についても、自然体で語っている。

経済雑誌という違ったフィールドでも今の中村俊輔は興味深いコンテンツなんだ。
そして違ったフィールドのほうが中村俊輔の本音に迫った記事が書けているような気がする。
サッカー雑誌のように記者のサッカー感や好みの選手との比較などがない分、フェアな質問が向けられ、気持ちよく答えられるからなのかな。

偏見のないいいインタビューを読んだあとは、サッカーが見たくなる。
俊輔&マリノスファンのお仲間たちは、中断期をどうしているだろう?
代表にはあまり興味がないので、前の試合のVTRを見ているかな
長崎の私はありがたいことにJ2Vファーレン長崎がある。
Vファーレン長崎、昨日も群馬に勝って3位につけている。
J2を見始めると、J1、J2というカテゴリーにこだわることなく面白いサッカーは面白いことに気づく。
いろんな縛りや肩書きがなくなったとき、本当にすばらしいものが見えるのかもしれない。
中村俊輔はそれを具現する存在として、各方面が注目しているのかもしれない。


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