諫早には「Vファーレン長崎がある」と言われるように

記事の初公開日:2014年 03月 28日

27日の長崎新聞に興味深い記事があった。
「点を線に諫早観光のこれから」という企画もので、諫早市に点在する観光素材を女性視点でつなぎ合わせる活動をするグループの紹介。
そのなかで「Vファーレン長崎」に関する記載がいくつか
●Vファーレンホームゲーム時、諫早駅に県外のサポさんが多く降り立つが試合開始までの数時間を駅前の商業施設をぶらぶらして過ごしている。
●諫早市によると、昨年の市内観光者数は延べ数で約259万9千人。前年より31万5千人も増えている。これにはVファーレン長崎のホームゲーム、なでしこの国際親善試合、国体リハーサル大会、ビジネス客も含まれる。

この数字を見て、市の幹部の人が「この中の何割が純粋な観光客なのか…、ビジネスが多いのではないか」とつぶやいたと書いてあるが、純粋な観光とはなんだろう?
「自然も食も歴史もいいものがあるのに一本の線にできていない。ストーリー性をもっと作り出せば、諫早観光は変わって行く」との声も書かれてある。

言われることはよくわかるが、なぜみんな食と自然と歴史にこだわるのだろう。そしてなぜ長崎市や佐世保市をお手本にしようとするのだろう。お手本や競争相手はもっと広い視野でみつけてはどうだろうか。

前年よりぐんと増えた観光客数の多くがスポーツ関連によるものだとはっきり見えている。
その中で国体関係は一過性のものだが、Vファーレンのホームゲームは例年になるし、今後も年1回くらいのビッグゲームは開催できるのではないだろうか。スタジアムの近所には日本を代表する体操選手・内村航平さんを育てた場所もある。サッカーで言えばJ1大宮の中村北斗選手、浦和の梅崎司選手など諫早とその周辺出身の現役スポーツ選手もたくさんいる。それならば、いっそ「スポーツ文化」を観光の柱にする考えではいけないのだろうか。食だって、スポーツ視点から地元の安心安全な素材で健康的で美味しいものを開発してもいいのでは。地産地消のアスリート食やダイエット色があったり、料理のカロリー表示したり○○選手が好きな食べ物やおすすめ店のなんてのも面白いかも。。
スタジアム以外でもサポーターグッズなどが買える場所があれば小一時間はつぶせるしお金も落ちやすい。なにより、Vファーレンのホームゲームはリピーターが獲得できるという大きなメリットがあるではないか。

観光には美しいところや古い歴史がないといけないわけではない。過去の遺産で食って行くより今を見せて食って行く方が未来があるような気がする。歴史的な街や自然をみせなくても、日本中に名だたる諫早湾干拓の今の景色や、全国的に売られているたらみのスウィーツ工場の見学などが、県外の人には人気があるかもしれない。

いずれにしろ、諫早市の人たちはもっとVファーレン長崎を利用するといいのに。もちろんチームを愛し、チームとともに大きくなるという明確な関係を築いてという条件はある。そのためにも、もっと諫早の人、観光を考える人たちがスタジアムに来てみることだ。
先日のジェフ戦のとき、おそらくこの記事にかかれている「盛り上げガールズ」の人たちだとおもうが白いウインドウブレーカー姿の女性たちがスタグル近くでPRリーフと諫早名物「おこし」を配っていた。いつも感じるのだが、このような名産品の配布は、ぜひともアウエーサポーターに向かってやって欲しい。アウエー席入り口で配って欲しい。ほんの些細なプレゼントでもアウエーサポにとってはうれしい「おもてなし」になる。自分の街に帰ったら良い思い出として口コミされる。それによってリピーターや新しい集客になってくるのだから。「アウエーの人にも配ってね!」と声をかけたけど「?」という顔をされた。アウエーがわからなかったようだ。「黄色のマフラーの人は千葉の人だからその人たちに配って!」と伝えたけど、真意はわかってくれただろうか。


諫早の人たちは、長崎がうらやましいと思っているようだが、私のように長崎に住むVファーレンのファンやサポーターたちは、どんなに諫早の人たちをうらやましく思っていることか。クラブがあり選手たちが住む「チームのホームタウン」が自分の日常生活の場と同じならどんなに素敵だろう!と夢見る人は多いのだから。

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