ロシアW杯が残した財産・昌子選手の経験

記事の初公開日:2018年 08月 01日


以前にも書いたが、鹿島アントラーズの昌子源選手が気になっている。
もともと鹿島の昌子、植田、鈴木、このキャラクターはどちらかというと苦手なタイプ。
でもロシアW杯のベルギー戦後のインタビューを見て以来、昌子選手の本質に触れたみたいですごく見ていたい選手となった。

ロシアW杯で幸運が重なった日本代表はなんとか16強入り。最低ラインの目標はクリアしたけど、直前に監督更迭してまでこだわった「自分たちのサッカー」が見えたかというと疑問だし、実際に彼らの戦い方はハリルがそれまで仕上げてきたものの枠を越えてなかった。だったらなんのための監督更迭だったのかと。そんな思いが残ったまま次期監督まで決まってしまった。
あのW杯が残したものはなんだったのだろう。
あのW杯から見えた日本代表の問題点や今後に活かせるものはなにがあるのか誰の口からもそれを聞かない。
選手たちもワイドショーなどで日本代表裏話などしてワイワイ人気者ぶりを発揮しているけど、彼らがそれぞれのポジションでなにがやれてなにがやれなかったか、サッカー選手としての発言の薄さがとても気になる。

そんな中でたった一人、自分のプレーに今でも後悔し苦悩している選手がいる。
昌子源選手。彼は試合直後にもすごく具体的にそのときのプレーと気持ちを語っていたが、今回のインタビュー記事(このページの最後にリンク)でもさらに試合の他の場面も含めてとても具体的に語ってくれている。
サッカー素人の私でもこんなときDFはなにを考えどう動いているのか、チームでのその時点での考え方は整理されていたのか、いつの時点で相手のカウンターを察知できたのかなどなど、その場面を思い出しながら当てはめていくと、そのときのプレーがすごくわかりやすく理解できる。
最近の日本代表に欠けているのは、昌子選手のような自分のプレーへの真摯な振り返りではないだろうか。
半端ないも2ゴールで浮かれるのも、チームが纏まっていたそれが結果の源ようにアピールするのもいいが、それぞれ自分のプレーの細部にこだわった話をもう少しするべきだし、その反省や実績こそが、日本代表に残していく財産じゃないだろうか。
そんな意味では今回のW杯は空虚な元気しか財産として残っていない。
ただ一人、昌子源選手のインタビューの数々が実質の伴った財産ではないだろうか。

海外からのオファーもあったようだが、鹿島愛から今回は断念したらしい。クレバーだし人間性が豊かだから悩んでしまうことも多いだろう。それでもこれだけ自分の足りなさを見つめ苦しんだんだから、絶対に飛躍の復活ができるはず。W杯で結果を出せず苦しい思いをし、苦しみながらもそれを乗り越えて不死鳥のように帰ってきた選手を知っている。真摯に自分のプレーを客観視できる昌子選手もきっとリスペクトされる選手になっていくはず。
ぜひ8月15日、長崎の地で昌子選手のプレーを見たい。


⚪︎鹿島・昌子源インタビュー前編
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201807270007-spnavi

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