五輪代表が決まったけれど…

記事の初公開日:2008年 07月 15日

発表メンバーを見て、とても複雑な気持ちになっている。

グループ1位のみしか出場できないと言う、ある意味Wカップ予選より厳しい予選を必死で戦い抜いてきた印象的な選手たちの顔が見当たらない。
あの11月の国立で反町さんと一緒に予選通過を喜んだスターティングメンバーの選手たちの多くが代表メンバーにいない。まるで、バックアップメンバーで作ったチーム。

青山(直)、水野、家永、カレン、平山、青山(敏)、伊野波、柏木、梅崎たちの名前が発表されたメンバーになかった。
もっとも驚いたのはDFの青山(直)の落選。
彼はチームの守備の中心。チームを纏める柱の一人と思っていた。はっきり言って、水本は落ちても青山はのこるだろうと思っていたのだが、彼のように落ち着いた雰囲気の選手は、反町さんが言うところのハートが足りないとみえるのだろうか。

昨年11月の国立で、やっと頼もしい代表に成長したなあと思わせてくれたあのチームの晴れ舞台になると思っていた。だからこそ、あえてOA枠を使わずに、さらに頼もしく成長してもらいたいと思っていたのだが…。

代表チームというのは流動的なものなのだから、このメンバーが反町さんが最も期待できる選手たちだというのなら、そうなのだろう。
今回の最終メンバーは、まるで違った新しいチーム。
いまから25日でチームを作るつもりなのだろうか。
中盤に水野、柏木、梅崎のような視野の広い選手がいない。香川がその役目なのだろうか。香川はそれほど優れたパフォーマンスを見せていたのだろうか。
怪我明けから1試合、それも半分しか出ていない長友を選んだ理由は。同じ怪我明けでも数試合出場してパフォーマンスの上がっている柏木は選ばれていないのに。
新しいディフェンス陣の連携は20日程度で出来上がるのだろうか。
チームの頭脳になる選手はだれなのだろう。
はっきり言って、このチームの強さの核が見えてこない。


今回の五輪代表のユニフォームから、「ヤタガラス」が消えるらしい。
そうか…、予選のピッチを縦横無尽に風のように走っていた柏木、水野、梅崎とともに「ヤタガラス」が消えるというのもなにか象徴的だ。

胸に「ヤタガラス」ではなく「日の丸」をつけたチーム。
五輪の場には、これまで愛着をもって応援してきたチームとは別のチームが立つのだ。
ただ、ずっと応援してきた西川くんや李くんがいる。
もちろん、彼らがいるチームだから応援するつもりだ。

しかし、それと同じくらい、いやもっと強い思いで、予選を勝ち取ってくれたチームを記憶に留めるつもりだ。
特に2人の青山の危機回避能力の高さや安心感、柏木と水野のファンタジーはしっかりと記憶に刻まれている。彼らの今後の活躍をぜひとも見続けて応援していきたいと思っている。


予選を勝ち抜いてきたチームは、今回の最終代表チームに勝るとも劣らないチームだったと思っている。

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