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お酒 / ニートの思い出

 カップ酒の有り難さに気づいたのは、1社目の会社を辞めてしばらく経った時だった。お金はないが、お酒が飲みたい。コンビニの店内をぐるぐる回っていると、ふと、某メーカーのカップの日本酒が目に入った。手に取って見てみると、結構安い。こういうお酒は、正直、道端や公園でおじさんが飲んでいるイメージで(すみません)、これまで一度も飲んだことが無かった。しかし、今夜はいい機会だ。カップの日本酒で晩酌することに決めた。

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 その晩、カップの日本酒に感動した。なるほど、と膝を打った。安くて、旨くて、酔っぱらえるのである。まさしく「お金はないが、お酒が飲みたい」時の救世主だと思った。寒い日なんかは、チンすれば熱燗が楽しめるのも最高だ。商品ごとの味の違いも面白い。その晩以降、カップの日本酒にはだいぶ世話になった。ひもじいニートの、カップ日本酒ライフの幕が上がったのである。

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 なんでこんなことを書いているかというと、昨晩、日本酒を飲みすぎたからかもしれない。二日酔いでぼーっとしてると、当時の記憶が甦ってきて、書きたくなったのだ。若き日の、ニートの思い出。まあ、今もニートみたいなもんだし、「お金はないが、お酒が飲みたい」のも、変わってないんだけれども。

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