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縁と金

 「金の切れ目が縁の切れ目」と言う有名な言葉がある。金銭で成り立っている関係は、金がなくなれば終わる。長崎においても、これが当てはまる場合は多々ある。ただ、長崎で個人事業主をやっている一個人の感覚としては「縁の切れ目が金の切れ目」といった方が実感に近い。

 長崎で開業してから、とても有り難いことに、現時点ではまだ、自ら営業して仕事を得たことがない。基本的に全て友人・知人の繋がりの中でお仕事の話が来る。人との繋がりがまず先にあり、ときたま、仕事の話になったりもする。結果的に、ご縁がお金をもたらしている。

 「縁の切れ目が金の切れ目」という原則は、別に長崎に限ったことではなく、世界全国津々浦々、同様に機能している。ただ、自分が今まで暮らした場所と比較した中で、長崎に特徴的に感じることは(別に長崎に限ったことではないが)、「縁」の影響力が強いということだ。ここでは、友達の友達は友達、知り合いの知り合いは知り合い、必ず誰かがどこかで繋がっている。このような背景もあり、人との繋がりやご縁は、金銭的な機会を得ること以上に、様々な機会を獲得するための鍵になっている。振り返れば、そんなことを、垣間見たり、目の当たりにしたり、実感したような、3年間だった。

 長崎に暮らして4年目。いまだに身の振り方は定まらず、ふらふらと、ままならない日々を過ごしている。そんな自分がなんとか生きていけているのは、長崎の皆さんのおかげだなと、しみじみ思う。

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