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この絵は何に見える? 感性とアートの話

この絵は何に見えるでしょうか?

ぱっと見の印象でも良いですし、じっくり眺めて考えて頂いても構いません。

人の顔?
何かの位置の地図?
微生物?

色んな意見があると思います。
答えはありません。


では、ここで最近話題のAIに、どう見えるか描いてもらいましょう。

画像を元に絵を生成する方法(image to image)にして、プロンプトは未入力で生成します。

今回使用した学習モデルがアニメやマンガのイラストに強いので、素の状態だと美少女キャラクターを描く傾向があります。

赤い点や線を参考に配置しているのが分かる

ここでAIに「これって空模様に見えない?」と聞いてみます。
実際にやることはプロンプトに「sky」とワードを含ませるだけです。
すると…

こんな絵を描きました。

同様に「海に見えない?」と聞くと、

「お城っぽくない?」と聞くと…

もはや原型が無いように思えますが、これがいわゆる「感性」そのものです

感性の大切さ

アートで言う構図や感性と言ったものは一見難しい理論や才能のように感じますが、学んで身に付けるよりも、こういった発想やとっさの思い付きが大切だと思っています。

写真で言えば、今はスマホで誰でも高画質な写真が撮影出来ます。
作品として写真に差が現れるのは、カメラの性能でもなく被写体でもなく「どう撮るか」です。

悪い構図の典型例として日の丸構図がありますが、これは言わばデフォルトの状態。

「どう撮るか?」の「どう」の部分は、
・構図
・ストーリー
・距離
・色合い
・シチュエーション
・思想

など、様々な要因があります。

商品として撮影したり描いたりする上では正解がありますが、アートにおいて正解は基本的にありません。
日の丸構図でも間違った構図や表現であっても、そこに作者や作品の明確な意図や理由があれば、それはアートであり個性にもなります。

「それが何の役に立つの?」という意見もあるかと思います。
役に立つかどうかは正直分かりません。

ただ、アートに限らず「発想や考え方で色々な見え方に変わる」ことは、とても大切なことだと思います。

仕事の上でアイディアや改善策が浮かんだり、物事を客観的に見ることが出来たり、日々の生活を充実させるきっかけにもなります。

『自分のアタマで考える』という言葉をネットではよく見かけますが、これは言い換えれば「様々な感性で物事を見据える」となると思います。

アートに限らずゲームや漫画、娯楽全般は、よく「ムダなもの」と言われるかもしれませんが、娯楽こそ感性を豊かにする(アタマを柔らかくする)きっかけとして大きく働きます。
何故なら好奇心で行動することが出来るからです。

つまりどんな物事でも考え方や感性次第で、価値をいくらでも膨らませることが出来ます。

空の雲を眺めて「○○に見える!」と思うのは、実はとてもアーティスティックなことなのかもしれません。

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