コロナ渦の中、新卒で入った会社を4ヶ月で退職した話【その2:内定者時代】

【その1:就職活動】の続きです。まだ読んでいない方は、最初から読んでみてください。

会社を好きになろう、キャンペーン!

内定承諾をし、ここで頑張ろう!と腹はくくったものの、腹落ちするまでには時間を要しました。理念に共感しているし、提供しているサービスはどれもいいサービスだと感じているが、この会社のためなら何でもできる!とは断定できない。何より、自分にこの会社は合っているのだろうか?そんな、モヤモヤした状態がしばらく続きました。

そこで、私はどうしたら会社を好きになることができるか考え、以下の3つのことを行いました。
①提供しているサービス(転職サイトなど)に登録し、ユーザーとして利用
②口コミサイトや社内報、ネットにある会社に関する記事を読み、ひたすらエゴサーチ
③内定者主体のイベントや研修、アルバイトに積極的に参加する

その結果、数ヶ月後には自社について知って欲しい!という思いで、学生の就活相談を引き受ける程度には会社のことが好きになっていました。

また、内定承諾した理由の1つに、提供されているサービスはどれも単純なUI/UXだけではなく、ユーザーを想って設計されていると感じたためというのがありました。

就活生のときはあくまで憶測でしかありませんでしたが、中に入ってみてからユーザーとして自社のサービスを利用してみると、理念や働いている人の思いを反映し、非常によく設計されていることが分かりました。たった1つの記事や広告に過ぎないけれど、それを制作するために何人がどれだけの時間をかけているか?どんな思いで制作しているのか?それを考えながら自社のサービスを見てみると、思いが伝わってきて感慨深かったです。求人広告に限らず、他のサービスも同じです。



内定者アルバイト

私は入社前の5ヶ月間、内定者アルバイトをしていました。内定承諾後すぐ、人事の方から内定者アルバイトをしないか?との提案があったのですが、他の会社で働いていたことや夏休みは海外に行きたかったことから返事をうやむやにしているうちに時間が経ってしまい、結局、働き始めたのは11月でした。

内容としては新規事業でしたが、特に新規事業に憧れを抱いていたわけではありません。サービスは違えど、入社後に行うことは間違いなく求人関連だろうと確信していたため、単純に他のことをやってみたかったのです。

面接の結果、無事アルバイトに参加することとなったのですが、何が分からないかも分からない誰に聞いたらいいかも分からない。そんな日々がしばらく続きました。

新規事業なので、先輩も上司も責任者も何が正解か分かりません。分からない中で自ら考え、各自が正解と捉えたアウトプットを出していたのです。しかし、そのように抽象度が高い課題は、今まで具体的な作業しかしてこなかった私には非常に難しかったです。具体化させる能力が不十分だったのですね。

サービスやビジネスモデル、ツールの使い方を理解に1ヶ月程度かかり、2ヶ月目になってようやく、与えられたタスクに対して向き合うことができるようになりました。

アルバイトは入社日の数日前まで5ヶ月間(卒業論文の執筆をしたり、卒業旅行に行っていたため、週5日出勤に換算すると3ヶ月半程度)していました。しかし、ようやく慣れてきて、言われたことをやるだけでなく、自分で考えて仕事ができそうだと思えたのは卒業間近になってからでした。

あと数ヶ月あれば、もっと成長できていたかもしれない…と思いましたが、定められた期間で最大の成果を出すのが仕事であると学べただけでも良い経験になりました。

内定者アルバイトでは、多くのことを学びました。その中でも特に学べてよかったと感じているのが、仕事の進め方業務上のコミュニケーションです。

どちらも今も課題ですし、改善できていないから早期離職に至ってしまったのですが、アルバイト時代に面倒を見てくださった先輩社員のおかげで課題に気づくことができました。コミュニケーションの取り方さえ分からない私に真剣に向き合い、業務以外のことでもアドバイスや指導をしてくれた先輩社員の方には、本当に感謝しています。ありがとうございました。

ちなみに具体的に何が課題なのかと言うと、相手の意図を理解することや、意図を理解するため適切な質問を投げかけることです。抽象的なタスクが与えられたときは上司の意図を理解し、適切な質問を投げかけることで、具体的に今何をすべきか見えてきます。

私は上司や先輩になかなか心を開けず、質問や意見があっても言葉にできないことが何度もありました。今のように文字にすると整理できるのですが、いざ話そうと思うと頭が真っ白になってしまうんですよね。

とりあえず自分で考えてやってみて、後でフィードバックをもらってから直せばいいやとしていた結果、上司の意図とは全く違うアウトプットになってしまったり、フィードバックをもらってから修正するので時間がかかったりしていました。

その結果、成果が出ないし、評価にも繋がらない評価に繋がらないからモチベーションが下がる。といった悪循環に陥っていました。したがって、新卒入社後はそうならないために自分から積極的に聞きにいこう!認識のすり合わせを意識しながら仕事に取り組もう!と決心して内定者アルバイトを終えました。


内定辞退を考えた瞬間

今までの流れだと、会社を好きになろうキャンペーンや内定者アルバイトの結果、腹をくくれたように思いますが、そんなことは全くありませんでした。内定者時代を通じて、常に辞退しようかどうか……。という思いはありました。しかし、懇親会や研修で会う同期もアルバイトの先輩も本当にいい人ばかりで、人はいいことは確信していたため、辞退するという決断には至りませんでした。

就活の軸で””と答える就活生は多いですが、本当に人だけをモチベーションに頑張れるか?この記事を読んでいる就活生の片がいたら、よく考えて欲しいです。

そんな中でも、本気で辞退を考えた瞬間が3回ありました。
①新卒で海外に行ける可能性がなくなったとき
②卒業旅行中
③入社日前日

まずは、新卒で海外に行ける可能性がなくなったときです。その1で、新卒でも海外に行ける可能性があるという魅力に負けて、総合職での内定承諾に応じましたと書きましたが、内定承諾から4ヶ月経ち、内定式も終えた10月下旬、そんな淡い期待は打ち砕かれました。

ビザの関係?法律の変更?で職務経歴がない新卒を送るのは不可能となってしまったのです。そもそもサービス業の場合、就労ビザを取るのが難しいことは理解していましたし、法的な問題なら仕方がないですが、そんな急に状況が変わるものか?と不信感を抱きました。

しかしながら、就職先を再度探すことに対する煩わしさ、海外で働きたいと言いつつ、それを貫けない自信のなさから踏み留まりました。日本で1年頑張れば再チャレンジできる。可能性がなくなったわけではない。という人事の言葉にすがりたかったのです。

そこからしばらくは、辞退したいと思うことはありませんでした。研修もアルバイトも為になっていると感じていましたし、何より一緒に働きたいと思える人にたくさん出会えました。そんな中、1月下旬から1ヶ月ほど卒業旅行でヨーロッパを訪れました。コロナがパンデミックを起こす直前で、旅行に行けたことは本当にラッキーでしたね。

旅行には外国人の友達と行き、現地では国に帰った共通の友人達と会ったのですが、自由に生きている(そう見えた)彼らと話すと様々な疑問が湧き上がってきました。なぜ大学を卒業したら、すぐに就職しなけらばならないのか?どうして、自分はそう考えるようになったのか?このまま、この会社に就職していいのか?そんなことばかり、考えていました。

帰国してからもモヤモヤが消えずにいましたが、帰国してすぐの2月下旬に参加した営業研修で一度は解消しました。私は電話営業にトラウマがあったため、たった2日間の研修にさえ不安だったのですが、思ったよりも上手くいき、楽しいとさえ感じた瞬間もありました。

実を言うとその日は、研修でやってみて電話営業はムリだと再認識したら辞退しよう!と決心して臨んでいたのですが、予想に反し、入社に向けて後押しされる結果となりました。

そして、内定辞退を本気で考えた最後の瞬間が入社前日です。コロナの影響で入社式ができなくなり、入社式でされる予定だった配属発表が前日に伝えられることになったのですが、発表されてから1日中ずっと悩んでいました。なぜなら、自分が何をやることになるか分かってしまったためです。そう、電話営業をするであろうことが……。

でも、研修のときにトラウマを克服したのではないか?そう思った方もいるかもしれません。しかし、人の考えは簡単に変わりません。たまたま一度成功しただけで、電話営業への恐怖心は解消されるでしょうか?自分が電話営業が苦手、嫌いと思っている限り、恐怖心は拭えないのです。とはいえ、研修で感じたやればできるのかも?という思いは、気乗りしないけど、やってみよう!何事も経験だ!と考える程度には機能しました。

その3:入社してから退職を決心するまでにつづく


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4象限マトリクス(余談)

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余談になりますが、私が早期離職に至った原因にこの4象限マトリクスが大いに関係しています。世の中のあらゆる仕事や活動は、この4象限に落とし込むことができますね。できる・できないというのは、自分だけでなく他人の視点から見ても「あの人は〇〇ができる人かどうか」というのが判断基準です。

① できる かつ やりたいこと
② できる でも やりたくないこと
③ できない かつ やりたくないこと
④ できない でも やりたいこと

私の考えでは、電話営業というのは、③できない・やりたくないという4象限マトリクスにおける最悪の状態した。一般的に③を選ぶ人などいないと言われている中、なぜ選んだのか?それは、人材業界で働くことに対しては④だったためです。そして、③だと思っていたいた電話営業も実は②かもしれないと感じた瞬間もあったためです。

将来的にこれがやりたい!そのためには、人材業界で働くのが近道だと思っていたから、目の前の仕事は③だとしても別の道を選択できなかったのです。

加えて、私は完璧主義なところがあり、昔からできないことをなくそうとする傾向にありました。しかし、できないことを続けるのはつらいのですぐ諦めてしまっていたんですけどね。

辞退しなかったのは、そんな自分を変えたい!理想の自分に近づくために、できないことにも逃げずに挑して、今度こそは諦めたくないと思ったためです。当時は、自己実現欲求を追いかけすぎていることに気づけなかったのです。


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