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はこだて国際民俗芸術祭/スポンサーパスの話

[芸術祭マメ知識]

『はこだて国際民俗芸術祭』が始まった当初は、誰もが自由に会場を出入りすることが出来ました。元町公園では入場料をとってイベントを行うという前例がなかったため許可を得ることが難しく、また人の出入りを管理することも困難だったため、入場無料としていました。

そのため芸術祭の運営資金は企業スポンサーや補助金、助成金を必死にかき集めてまかなうしかありませんでした。当時今ほどの規模ではなかったにしろ、あれだけのイベントを入場無料で行うための十分な資金を得ることは難しく、なんとか資金を生み出そうと考え出されたのが「スポンサーパス」でした。

入場チケットではありませんが、出来れば一口1,000円のスポンサーになって下さい!スポンサーにならなくても入場出来ますが、芸術祭はみんなで作り上げていくお祭りにしたいのでご協力をお願いします!その想いがスポンサーパスの始まりでした。

この想いが年々浸透していったのか、芸術祭はステージに立つアーティストからのお客さんの評価がめっぽう高いのです。「函館の芸術祭はお客さんが盛り上げてくれる」「お客さんも含め、みんなで芸術祭を作り上げようとしてるのが素晴らしい」と。

現在、芸術祭では会場の元町公園に入場するためにはパスの提示が必須です。パスの料金も当初よりも上がりました。これは芸術祭を自分たちの力でしっかりと成り立たせるため、補助金が採択されるか否かで開催自体が危ぶまれるような、そんな綱渡りのような状況を脱するためです。

そして、今もなお「入場チケット」ではなく「スポンサーパス」という言葉にこだわっているのは、ご来場いただくお客さんには単なる「お客さん」でなく、「スポンサー」として「仲間」として、一緒に芸術祭を作り上げていってもらいたい!という願いが込められているからなのです。

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