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初めて田んぼに入った(田んぼ運営は自然との戦いだ!メンテナンス篇4〜7)

実を言うと田んぼプロジェクトの先輩が「今日は田車を使うぞ!」と言った時何のハナシかわからなかった。田んぼで車を走らせるのか!?と思った。
田車を使うにはコツがいる。ヘタなヤツ(それは私)はすぐに田んぼで立ち往生してしまう。

田植えも終わった頃季節は夏本番の7月。世の中の全ての生き物が命を萌やす時がやってきました。田んぼでは雑草取りの季節です。つまりメンテナンス。
田んぼに到着すると、田んぼの周りはどれがイネでどれが雑草なんだかわからないほどの草丈の雑草に囲まれていました。周りだけではありません、中も!イネとイネの間に雑草(イグサや浮草、コナギなど)がみっちり茂っていました。

雑草の生い茂った田んぼ。どれが稲でどれが雑草なんだかわからない。

これをいちいち手で取るのは大変な事。そこで登場するのが「田ぐるま」です。
歯のついた円板を回すことで、土を掘り起こすと同時に雑草を根こそぎ絡めとるというスグレモノ!明治時代に発明されたそうです。
ところがこの骨董品、なかなか初心者の言うことを聞いてくれません。コツがあります。田車の頭を少し上げ、田んぼの水で滑らすように前後に押したり戻したりするとスムーズに動きます。そうでないと土を掴んでしまって動きません。押してる人はバランスを崩して田んぼに沈没します。

実際の田ぐるま
な、なんと田んぼに水が無い!水の無い田んぼを初めてみた。
水が無いので田ぐるまは使えない。でもこの生い茂る雑草を効率良くどうにかしないといけない。

2週間後再び田んぼに来てみたら…
な、なんと、水が無い!!
田んぼなのに水が無いとはどういうことなんだ!?ですよね。
原因はまさかの早い梅雨明けでず〜〜〜〜っと晴れ、晴れ、晴れだったこと。そして誰かが栓の代わりにしていた石を動かしたために水が抜けてしまったこと。
抜いたはずの雑草は息を吹き返して、再びみっちり状態に。水が無いので田ぐるまは使えないし、かといって一つ一つ手で引っこ抜くのはあまりにも効率が悪すぎです。そこで考え出されたアイディアは雑草を土の中に埋め込んでしまうこと。土の中に埋め込んで仕舞えば光合成ができないので繁殖できません。結果、枯れてしまうと言うことなんです。
しかしこの日の気温は朝からすでに35℃。太陽が田んぼで草踏みする私たちの背中をジリジリ焼きます。もうとてもこれ以上田んぼで作業してられません。熱中症でぶっ倒れてしまいそう!!

この煮えた空気なんとかしてくれ!もうこれ以上動きたく無いっ!
田んぼにやってくる良い奴と悪い奴
田んぼを守るためあのてこの手を考えるニンゲン。
でもみんな田んぼが好き♡なのでなかなか諦めない。

田んぼは実にいろんな動物を惹きつけます。田んぼに用水路を通じてメダカやアカハライモリなどが入ってきます。カエルが卵を産んでオタマジャクシがウジャウジャ。イネの汁を吸いにウンカが発生し、それを捕食しにトンボやタガメなどがやってきます。虫がやってくるとカエルがそれを捕食しにやてきます。カエルがくるとヘビやサギがやってきます。
背丈がのび太イネを食べにシカがやってきます。イノシシやモグラが畦道にいるミミズを探しにやってきて穴を空けます。サルやアライグマが実り具合を調べにやってきます。
田んぼはすっかり山のみんなの生活の拠り所になってしまっています。ニンゲンにとってウザイったらありゃしない、のだけど!!

害虫を食べてくれる
ハムシの仲間?だとしたらイネの汁を吸う。
9月になるとスズメが里山にやってくる。イネの穂がつき始めるのを知っているのだ。
そこでニンゲンは自分に似せた案山子(カカシ)を田んぼに立てるのだが、その効果は??
動くとそれなりに効果があるどうだけど、そのうち慣れるからどうだろうね。

ここまで来ると皆さんなんとなく気がついたかもしれないのですが、だんだん「漫画」になってます。当初(田植え篇など)は、コマに割らずに適当にイラストを配置したイラストエッセイっぽくするつもりでした。けどだんだんストーリー仕立てになってきて、仕舞にはこんなふうになってしまいました。

さてスズメですが、人の話によると公園でちゅんちゅん鳴いていたスズメが9月や10月には里山に集まるのだそうです。なぜか?イネが実から???なんだと思います。スズメはそもそもイネ科の植物が大好物。河原の土手なんかに生えているススキとかイネ科の植物に群がってます。加えて、里山には柿が実ります。スズメは柿も大好物。そうして里山の秋を満喫したスズメは食べ物が無くなる11月ごろからまた町に戻ってくるのだそうです。街にはゴミやら、パンをあげる人やら、餌台などがあるから冬を越すのに都合いいのでしょうね。

さて、彼岸花はなぜ田んぼでよく見かけるのでしょうか?考察してみました。
田んぼを縁取る彼岸花。真っ赤な花と緑の稲のコントラストが綺麗。秋の風物詩。

ず〜っと前から「なんで田んぼに彼岸花が咲いているのだろう?」そう思っていました。なので今回(10月10日配信)のお題は「彼岸花」にしました。
色々調べてみたり知人に聞いてみたりしてわかったのがイラストの内容です。今となっては飢饉で困ることはありませんが、モグラやイノシシがミミズを探しに田んぼにやってきて穴を開けるのは今もって悩みの種、かもしれません。
それと今では、やはり田んぼの緑と、彼岸花の赤のコントラストの綺麗さが観光ネタになる!というわけで植えることもあるのでしょうね。そう、確かに綺麗。

彼岸花。英語名はSpider lily。確かにその姿はアシダカグモに似てなくもない。

田んぼ体験記 「初めて田んぼに入ったその4〜7」終わり!
次回に続きます。

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