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a16zの運用パフォーマンス(投資倍率)がわかる記事を発見(但し2021年12月末時点)

少し前の記事だが、シリコンバレーの大手VC、Andreessen Horowitz(a16z)の過去組成ファンドの一部の運用リターンがわかる貴重な記事がWSJに掲載されていたので、備忘を兼ねて以下、ファンドリターンのグラフ概要を作成し添付しておきたい(リンク先の図を元に一部ファンド組成年度等を追記し作成)。

2021年12月時点でCrypt Fund Iの投資倍率(ネット)は10.6倍だったが、その後40%まで評価額を切り下げた、とのこと。このファンドのうち、2018年以降のマネフィー累計額を30百万米ドル(=300百万米ドル×マネフィー2%/年×5年。マネフィー水準が2%いうのは仮定です)と仮定し、残りの270百万米ドルがすべて投資に充当されていると仮定すると、2021年12月31日日時点でおおおよそ2,862百万米ドル(=270百万米ドル×10.6倍)あった評価額からその40%である1,144百万米ドルまで下落、結果投資倍率は4.23倍近くにまで下がった計算になる(単純に10.6倍の評価倍率×40%でも同じ数字になりますが)。

2022年12月22日の日経新聞の記事に記載されていた図表によれば、ビットコインの2022年の下落率はおおよそ60%なのでa16zのクリプトファンド1号の切り下げ幅はおおむね妥当といえるだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB182ER0Y2A211C2000000/?type=my#UAAUAgAAMA

なお、a16zのVenture Fund IIIも9.7倍と高水準のパフォーマンスを計上しているが、この3号ファンドではCoinbase, Rippleといった暗号資産銘柄にも投資を行っているため、足元ではクリプトファンド1号同様、評価額は切り下げられている可能性が高い。

今は一連のクリプトファンドにとっては冬の時代かも知れないが、クリプトファンド1号の存続期限が到来するであろう2028年頃には市場全体がまた持ち直していることを期待したい。当面はクリプトファンドにとっても、暗号資産業界全般にとっても冬の時代が続くだろうが。

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