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ベンチャーディールズ(22) 優先交渉権とは Venture Deals - Right of First Refusal

Venture Deals中、タームシートでよく見かける条項、Right of First Refusal(優先交渉権)の講義について以下、和訳いたします。今回はさくっと読めると思います。余談ですが、Pro Rata Rightって訳すのがすごく難しいですね(プロラタ権?比率配分権?)。。。どう訳せばよいかわからず、そのまま英語で記載しています。ご了承ください。

(以下、講義和訳)

(ブラッド)優先交渉権とは何か?わかりやすく言うならば、私と妻のエイミーが2人で同時にテレビを見ているとき、妻のエイミーがにテレビのリモコンを持っている、ということです。

(クリント)。。。よくわからないのでもう少しわかりやすく教えてください。

(ブラッド)優先交渉権は、一般にPro Rata Right(持分比率に応じて、将来の新規株式発行引き受けに優先的に参加できる権利)とも呼ばれます。すでにあなたの会社に投資している投資家は、その投資持分の割合に応じて、次のラウンドの資金調達に参加する権利を持っているのです。

Pro Rata Rightは、次回新規株式発行時に、既存投資家の持分希薄化を防ぐため、定められるものなのです。

(クリント)この条項は非常に納得的なので、起業家は躊躇せず合意するように思えます。が、起業家がこの条項によりトラブルに見舞われることはありますか?

(ブラッド)あります。一般的に起業家は投資家に対し、優先交渉権またはPro Rata Rightを持たせたいと思うはずです。なぜなら、投資家には後続の資金調達ラウンドにも参加して欲しいと思うのが通常だからです。

留意すべきポイントは、Pro Rata Rightは、株式持分比率に応じて、決められているにもかかわらず、一部の投資家、特にシード投資家は、自分の持分比率以上の割合での優先交渉権を要求してくる可能性があることです。

とある投資家Xがあなたの会社に5%投資しているとしましょう。5%の出資者にもかかわらず、投資家Xは次のラウンドの20%シェアを優先交渉権として要求してきたらどうでしょうか?それは起業家にとって好ましい内容ではありません。

他の投資家(特に新規投資家)が優先交渉権の存在を知り「投資家Xは次のラウンドで20%を確保するのだろう」と考え、資金調達ラウンドの参加に躊躇する可能性があるのです。これは、あなたの資金調達オプションを狭めてしまうことに他なりません。

優先交渉権を投資家に与える場合、それがきちんと現在の株式持分に比例した形で配分されることになっていることを確認しましょう。持分比率に倍率をつけられたり、または一定の持分割合が定められたりしないよう、注意しましょう。

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