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いつものフルーツも、ひと手間で生活を豊かにしてくれる

ご縁があって、地元のお洒落なカフェで開かれる、フルーツカッティングの教室に参加させてもらえることになりました。今回は、そのレポートです。

 結果は、大満足!
想像以上に、うまく出来たんじゃない!

って思いたいけど、先生の教え方と、用意してくれたフルーツも良かったんですよ。

中年のおじさんが、フルーツカッティング教室に参加することになった

夜になってから知人から連絡をいただきました。

「長岡さん、果物はお好きですか?」

明日、カフェでフルーツカッティング体験をするのに、斯く斯く然々の事情で、ひとり欠席になって……ということだったのです。

お声がけくださったのは、いつもお上品なマダムで、飛び込んでくるお話もお洒落なんですよ。

それで、「もし、奥様がご興味ありましたら……」ということだったのですが、

「男性でも大丈夫でしたら、僕が参加させてもらってもよろしいでしょうか。」
ということで、中年真っ盛りのおじさんですが、出しゃばって参加させていただくことになりました。

実はですね。ノリと勢いで返事をしたものの、けっこう気持ちは重たかったんですよ。

料理教室の類いと言えば、女性の参加が圧倒的に多いことは想像に難くないですね。

それに僕はどちらかと言えば普段は講師業で、先生の立場になることの方が多いのです。グループレッスンだったり、講演やある程度の人数が集まっての説明会などもありますので、人前で話したりするのも、それほど憂鬱になったり、緊張したりもしません。

「参加する」と意思表示をしてから気付いたのですが、先生側の立場はいつも自分のフィールドなのに対し、知らないフィールドに飛び込むというのは、とても勇気の要ることですね。今後、自分が様々な集会を開く際にも、参加者の気持ちを考えた対応をしたいなと思いました。

 ほらもう、フルーツが一つも出てこないのに、収穫がありましたね。やっぱり、行動することは大事です。

楽しすぎる、フルーツのカット、盛り付け

 ペティナイフを持参ということでした。

 僕は料理好きということもありますが、もともと刃物が結構好きなのです。キャンプナイフなどはそれほど贅沢出来ませんが、包丁は毎日使うものですし、それなりに好きなものを長年使っています。

 ほとんどの包丁は、宮分刃物店で購入したもので、ペティナイフも然り。

 包丁の手入れは全然苦ではないので、切れ味の良いハガネの物が欲しいと思ったのですが、ペティについては果物を切ることが多いと思うので、酸味でサビが出やすいという店員さんアドバイスにより、ステンレス刃のものを購入しました。

 というのが、15年以上前の話なのですが、とうとう本日、そのスレンレス刃が役に立つときが来ました。

 普段自宅では、フルーツを一つ切ったら、洗って終わりじゃないですか。ところが、小一時間もの間、細々とフルーツに切り込みを入れてカットしていくのですから、これはハガネだったら、サビが浮いていただろうなと思います。

 さて、包丁オタクなものでちょっと前置きが長くなりましたが、フルーツのカットです。


 まずはオレンジから。半分は皮を器にしてブロック上にカットしたものを盛り付け、もう半分はクシ切りにして、食べやすく、また華やかに見せるために皮に切り込み入れました。

 オレンジの白いワタの部分は「アルベド」って言うんですって。

「アルベドと実の間に包丁を入れる」とか、カッコイイから使いたくなる言葉ですね。

続いてキウイは皮を剥いてゆで卵のようにギザギザにカット。剥いた皮も巻き付けて花のように飾りに使います。バナナ、ブドウ、イチゴとカットのコツを習いました。

 さあ、どうですか!

先生のようにきれいに実が抜けず、皮が残りすぎたり、残したい皮を切ってしまったり、細々はあるんです。しかし、並べていくと、細かい失敗はそれほど気にならず、トータルで「映える」感じに仕上がっていきますね。

おしゃべり上手で温かい皆さんに囲まれて、当初の緊張も忘れて、すっかり楽しい時間を過ごしました。

手間を楽しむ贅沢

 そもそも、僕は料理が好きなのです。職場が自宅ということもあり、昼も夜も毎日料理をするのです。煮物、揚げ物なんでもします。魚も捌くし、和洋中なんでも作ります。

 料理は生活の一部でもるし、ときどき時間をかけて手の込んだ料理をすることもあります。

 でも、考えてみたら、フルーツを真面目に切ったことはありませんでした。リンゴの皮くらいなら、いつも剥きますよ。でも、バナナの食べ方はチンパンジーとそれほどかわらないでしょう?ブドウやイチゴは、ヘタを取ったら口に放り込むじゃないですか。

 今回は、とくに珍しいフルーツを使ったわけでもなく、近所のスーパーでも手に入りやすいものでした。しかし、ちょっとしたコツを教わって、きれいに盛り付けると、こんなに楽しい時間を過ごせるんですね。

 和服は着るのが大変だから改良せよとの説があるが、大変だからいいのである。手間をかけて着たからこそそれが本人の動作に作用し、しとやかさとなる。”

星新一・小説家

「手間をかける」というのは、とても豊かなことです。星新一がいう、手間をかけて着物を着る人のように、こうして手間をかけて丁寧に暮らすことは、人柄や人格に現れてくるのだと思います。

料理の手間は、ひとつには実質的に味がよくなるという手間もありますが、フルーツのカットは、丸かぶりに比べてフルーツの味が格段に変わるわけではありません。

それでもこうして、ひと手間かけることは、必然的に食べる人(つまり、自分もふくめて)を想像します。きれいに盛り付けたフルーツを見て、きっと、驚きや楽しみを感じながら笑顔で食べてくれるに違いありません。

帰ってきたら近くのスーパーでブドウを買い、また、教室で残ったバナナも1本ありましたので、本当は一番参加したがっていた小学生の娘に、かわいい切り方を教えました。

フルーツカッティングの世界は奥深そうで、この度は本当に基礎の基礎ということだとは思います。それでもこうしてまた、我が家の文化レベルが一段あがり、日暮らしが豊かになったような気さえします。

普段の何気ない食後のフルーツ。
ちょっと気の利いたカットをされて出てきたら、お洒落だと思いませんか。

お世話になった、「ベーカリー&ブジフル マチノキ」さんのWebサイトはこちら。


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