d news agui をつくる .21.2.24

ご無沙汰してしまいましたね。すみません。
クラウドファンドの達成は本当にみなさんのおかげ、特に店を作る土地である
愛知県知多郡の皆さんからの、具体的とも言えます応援に、本当にしびれました。「自分の町のために、あなたの活動は必要だょ」と、言って頂けているような応援支援でした。本当にありがとうございました。

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実は、この頃、長らく物件の貸出を決め、町のためにと英断、そして、応援くださっていた大家さんが他界。そしてそれを引き継いでくださった息子さんによる相続や土地の名義の整理など、ひと段落したのは最近です。

このプロジェクトのきっかけとなった、愛知県阿久比町商工会青年部主催の講演会が2019年9月20日。ふるさとの町から講演をして欲しいという、本当に嬉しいお誘いの実現。そこで「阿久比で何かやらせて欲しい」と発言して、プロジェクトが動きでし、物件を探すここと約1年。見つかってからの調整に半年。大家さんから「着工は2021年の2月以降で」という条件のもと、着々と勉強会などを開催して進めてきました。

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そして、大家さんと「覚え書」として、お互いに「貸しますよ」「借りてこんなことをした行きたいです」というものを、改めて「契約書」にする作業に取り掛かります。
普通に不動産屋さんの店頭に並んでいる賃貸物件情報は、こうしたことが全てクリアになっているもの。今回、全くその白紙の状態からお互いに話し合い、「賃貸する」という条件をまとめていったわけですから、本当に綺麗事ではなく、一つ一つを具体的に話し合っていきました。

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物件の目の前には「農地」としての使っていない大家さんの土地があり、ここを「駐車場に借りたい」ことは最初から伝えていますが、調べていくと阿久比町の用水路が半ば勝手に横切っていることが判明し、ひとまず、この土地については別で進めることに。本当にこうした驚くようなことの連続でした。

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ちょっと余談ですが、この物件から徒歩5分のところに、40年以上昔からやっているお好み焼き屋さんがあります。「小学生の子供たちのために、40年間、値段を変えてないのよ」という店主は、本当に愛に満ち溢れていて、近所の人たちに愛されて、みんなが通っていました。「もし、d newsができて、少しこのエリアに活気が出てきたとき、この店にも必ず外からのお客さんがくる」・・・・・・。そう考えると、嬉しいという感情よりも「大丈夫だろうか」という心配、いや、ご迷惑がかからないか、と、思うのです。もちろん、押し寄せるほどに僕らの店は人気店にはなりませんが、いつも利用していた常連さんが、並んで買えなくなってしまったら申し訳ない。そう思いながらも、「いいお客さんを連れてこよう」と思うのでした。

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町は人や店で作られます。そしてそこに暮らしがある。多少の刺激や、バランスのとれた成長は必要ですが、無理な活性化はいらない。いろんな年齢層の人たちが暮らしやすい場所として続けていくために、若者だけが集まれてもしかたない。
今回の出店は、2万数千人の「隣の市からの合併を断った町」としての健やかな成長、継続を考えるとてもいいきっかけともなっていました。そして「活性化」という言葉のもつ「都市目線」が、とても嫌いになっていったのでした。

講演会の中に忍び込んで、その後「チーム愛知」とみんながみんなを呼び、このプロジェクトを進めてきたメンバーも、一人一人は、長くこの町の近隣で暮らす愛知っ子。東京に暮らす僕の目線とは少し違う「地元目線」というものがある。そこを大切にしなくては、このプロジェクトは成功しない。

「店って、町のためにあるもの」だなぁ。

そう思いました。そう気づかせてくれました。

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さて、僕は18歳でこの「阿久比町」を飛び出し、東京へいくわけですが、こうして55歳になり、講演をきっかけに戻ってきました。正確に書くと「戻らせてもらえた」という気持ちです。おそらく消息不明になっている(笑)、中学、高校の同級生もたくさん、まだ、阿久比町にいる。これから店が、場所ができることで、彼らと再会する・・・・。そんな楽しいことを実現するために、一つ、最初から決めていたこと。それは「最低1年に100日はこの町に暮らす」こと。つまり、部屋をちゃんと借りて、生活道具を揃え、その住まいから店に通うこと。

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55歳の一人暮らしは、妻の理解(というか、呆れているのかもしれません)を経て、家賃5万円の3DKを借りました。引っ越しは4月。毎月の前半は阿久比で暮らすことになります。そして、このアパートにいつか、知り合った友人たち、お客さんとして店に来てくれた人たちを呼んで、鍋でも囲みたいと思っています。家財道具はもちろんD&DEPARTMENTで揃えるつもりです。

そして、なんとなくこうして腰を据えていくと、細かな町への、店舗への視点が授かって来ます。今回は3泊してきになるレンガ、タイルを焼いている常滑の工場へ見学というか、挨拶に。僕がチーム愛知と一緒に作る店は「阿久比町」。その隣がミツカン酢で有名な半田市。その横あたりに瀬戸物で有名な常滑があり、急須や土管、陶器を作っていて、ここはひとつの文化圏。意識高いクリエイティブがすでに焼き物産地として集積しています。今日訪ねた水野製陶園もそんなひとつ。

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阿久比に作る「d news agui」のどこかに、この写真のレンガを使いたいと思っています。

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