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『こどもが生まれる順番の神秘』カール・ケーニッヒ著



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子どもが生まれる順番の神秘
―シュタイナー教育入門 (シュタイナー教育入門)
カール ケーニッヒ (著), そのだ としこ (翻訳)
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第一子は過去を守る統治者です。
伝統や家族を守り、信念を守ります。
そして、親と下の兄弟を橋渡しする存在として、
大人の顔と、子どもの顔の2つを持ちます。

第二子は現在に生きる芸術家です。
第一子を尊敬しながら、そのようになりたいとは思いません。
子どもらしい、自由な振る舞いをします。
精神的な存在に最も近しく、
天と地の狭間に張られたロープの上を歩みます。

第三子は、未来を準備し、あらゆる理屈を超越しています。
大きな困難を苦労して乗り越えようとします。

人生の偉大なる巻物をつくるためには、この三人のうち、
一人として欠かすことは出来ません。

この本に述べられている洞察に大きな気づきを与えられます。
「上の子はしっかりもので、下の子はマイペース・・・」
などと日常会話の中では、良く出てくるのですが、
生まれた順番の意味について男女の場合を含めて、
とても深く踏み込んだ内容に驚かされます。


もちろん「何番目の子だからこの子は・・・」
と、決めつけることは無意味です。

それでも、
一番目に生まれるか、二番目に生まれるかということは、
男に生まれるか、女に生まれるかということと同じくらい
人の性格や人生を左右する大きな事柄なのです。


その子が男の子か、女の子かを知って、
その傾向を理解しながらこどもを教育することが
意味のあることであるのと同様に、
子供の生まれた順番の持つ傾向や意味を知ることは、
こどもを教育する上でとても大きな手助けになると思います。

また、自分自身や他の人を理解する上でも役に立つはずです。

この本の優れたところは、ただ単に最初に生まれた子はこういう傾向がある。
ということを整理するだけでなく、それを深めることによって世界の成り立ちや、
人が違う順番で生まれ、そして助け合う意味を教えてくれるところです。

私にとっては、永遠の謎のように思われた『カインとアベル』の物語は、
第一子、第二子の持つ役割の違いから考えると、とても良く分かるような気がします。

それ以外にも、様々な神話の兄弟、姉妹の意味や、
実在した人物の例が書かれています。


『上の子は、言うことを良く聞いて真面目なのに、
下の子は、反抗的で自分勝手なので困るわ』

とか

『下の子は、一人で遊んでくれて手がかからないのに、
上の子は、親にべったりまとわりついて大変』


そんな風に、感じるとき、この本を手に取ってみて下さい。

それが、大きな世界のバランスによって考え抜かれた神秘的な采配だと気付くとき、
強い畏敬の念に打たれることでしょう。


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