セカンドキャリアの見つけ方

「素敵ですね、うらやましいです」

これは、独立する時に401k(確定拠出型年金)の手続きをする際に、野村証券に行った時に、窓口で対応してくださった50代と思われる女性の言葉。

その顔は、なんだか悲しそうで羨ましそうだった。


「まぁ、私はなんとかここでしぶとくやっていきますよ」

これは、昔いた大手の会社の、仲良くしてくださった40代の女性の先輩がいつも口にしていた言葉。

その言葉のニュアンスには、どこか諦めめいたニュアンスが含まれていた。

2人とも、大手一流会社に長年勤務し、きっと多くの年収をもらい、老後も安定だろうと思われる肩書きの持ち主。

羨ましいじゃないか。

でも、どうしてだろう。幸せそうに見えなかったのは。

1つしかない?キャリアの方向性の現状

キャリアには2つの方向性がある。

スタンドプレーでも、いいものを作り、いいサービス、いい仕事ができる人。

チームをまとめて、「課長」「部長」という、いわゆる昇進という道に乗っていく人。

でも、日本のたいていの会社のキャリアの築き方というのは1つしかない。

そう「昇進」への道。

昔はそれが通念的に、喜ばしいことであったけれど、果たして今はどうなんだろう。

ものをつくるのが好きで、ずっと現場にいたい人だっている。

でも、その人は必ずしもマネージメントが得意じゃなかったりもする。

それでも現状の会社という組織には「昇進」という道しか用意されていないことが多いから、弾き飛ばされてしまう。

セカンドキャリアは自分で掴んでいくしかない?

きっと前述の2人の女性は、昔ながらの会社の組織のキャリア形成の中で弾き飛ばされたんだろうな、となんとなく思った。

特に大手一流会社は、柔軟性にかけるところがあるから、きっと彼女たちはそういう道しか選べなかったのかなぁとも思う。

でも、今は、一歩外を飛び出すと、そんなキャリア形成じゃない道を用意してくれる会社もあったりする。

もちろん独立したっていい。起業したっていい。

でも、大きくて、一流企業と呼ばれていて、待遇も福利厚生もいい会社を飛び出すということは、ものすごく勇気がいること。

もしかしたら別の道があるかもしれないのに。

誰だって、大きな船を降りるのは、怖い。ものすごく。

そして、多くの人がきっと「大きな船は沈まない」と信じている。

でもそれは迷信かもしれないし、実際に過去数十年に「まさか」と思われた会社がいくつも倒産している。

「失われた10年」と呼ばれる時代を、まざまざと見せつけられながら生きてきた私たち世代は、「大きな船でも沈むかもしれない」と、きっとどこかで思っている。

でも、一方で「それは迷信だ」と言い聞かせている自分もいる。

40歳手前での選択

38歳になった今、そう40歳手前の今、女性だけでなく男性も、この2つの道のどちらかを選ぶ帰路にたっているんじゃないかと思う。

あなたはどちらを選びますか?

50代になったとき、楽しく働いていられるのはどっち?

65歳になったとき、お金はふんだんにあるけれど、誕生日を迎えたその日から「はい、今日からあなたの仕事は終わりです」と言われて、嬉しいのはどっち?

少なくとも、私は50代になったとき、笑って楽しく仕事をしていたい。

60代になったとき、自分のワイフワークと呼べる仕事を見つけていたい。

そして、40歳手前には、未来の自分がそうなっていられるように、リスクもとれる勇気を持って、将来のことを考えていたい。

きっと年齢を重ねる度にリスクがとれる勇気は少なくなる。

だから、今、ここに「心の証」として記しておこう。