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ワークマンの戦略から考える、CXで重要なこと‐vol.13‐

引き続きワークマンについて、「ワークマンはマスマーケティング。顧客管理は必要ない」というテーマで書きたいと思います。
ワークマンのCX戦略は前回前々回のように①アンバサダーマーケティング②どこにも負けない製品であると思っています。CXというと顧客の心理的・感情的部分に着目するものなので②はずれていると感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、感情的部分を磨き上げても商品そのものが良くなければCX向上は難しい(不可能ではないと思いますが)と考えます。
これはN1分析でも有名な「顧客起点マーケティング」にも書いてありますね。

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「独自性」と「便益」が大事だと。記憶を辿りますが、独自性=商品力、便益=売り方なので、売り方を磨き上げても独自性が足りなければ売れない、ということですね。

ワークマンは顧客管理をしない。マスマーケティングで十分。

ワークマンの便益(=売り方)はアンバサダーマーケティングですが、対象は1to1ではなく「マス」です。それで十分だと言っています。
大きな理由が2つあります。
①お金がかかる
②標準化している

①ですが、顧客管理をしようとすると当然お金がかかります。ツール導入や運用・保守など。
②ですが、店舗面積・レイアウト・価格などをあらゆるものをワークマンは標準化しています。例えば価格ですが、値下げはしない(2%だけあるようですが)ようです。値下げをしてしまうと、「価格が安いから買ったのか」「商品が魅力で買ったのか」の要因が見えなくなってしまうことが1つの理由だそうです。
このように標準化を徹底することで、ワークマンでは20店舗程度の分析をすれば全国の店舗は±5%程度でシミュレーションできるようです(すごい!)。よって、性別・年齢・用途(一般か仕事)などセグメント5項目をアンケートで取っているだけのようです。だからマスマーケティングで十分なのですね。

ワークマンから学べること

ワークマンからはたくさんのことを学べました。主に以下の3点です。

①自然に売れる製品を作ればマーケティングは究極的に必要ない。
→マーケティングだけで必要ないものを販売するのはCXでも何でもない、まずは商品・サービスを磨き上げること。
②製品開発は一番理解している消費者と開発すべき。消費者を理解しても、企業だけで製品開発すればそれは「企業目線」
→本当の意味での顧客目線は「共同開発」
③1to1マーケティングが必要でない企業もある
→ワークマンは独占状態だから少し特殊。生活者にとって選択肢が複雑だったりCJMが複雑な場合は1to1でマーケティングすることはやっぱり必要。
ただ、ワークマンの「標準化理論」を取り入れてシンプル化するのはあり。

次回予告!

次回はコインランドリーでの個人的な体験について触れたいと思います!

参考書籍・URL

顧客起点マーケティング
ワークマン式「しない経営」



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