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彼女

10年前に出会って一緒に住み始めた

瞳が大きくヘアが長めで小顔、そして小柄で愛嬌がある存在感に ただ一目惚れだった。彼女と生活を共にして徐々に性格とか、今までに見えなった部分も分かってきて オモシロかったり喧嘩したりの毎日

食いしん坊の一面や寝る時のイビキなど、最初はその様子に驚いたものの、いつの間にか寝る時のイビキがないと少し不安になるなど、慣れると不思議なものです

仕事で構ってあげられない日があっても 文句ひとつ言わずに見守ってくれる存在の一方で、食事にはこだわりがある彼女、気入らないとすぐスネる有様
そんな姿にギャップ萌えを感じてきたりもした

住み始めて5年後のある日、彼女の様子がオカシイので病院へ連れて行くと子宮癌と判明、早速手術するも進行が早かったため 生存は五分五分と言われ
ショックで震えが止まらず一時は覚悟もした

結局、順調に回復し、また元の生活に戻って何気なく過ごす日々、その間に引っ越しもしたりして景色は変わるけど 彼女はいつも通り変わりなく陽気だった

或る日、買い物に出かけて帰宅すると彼女は横たわったまま、ゲージの中で眠るように亡くなっていた。昼寝をしているかのような姿、身体に触れるとまだ少し暖かった、しかし 鼓動は 止まっていた

その様子からは苦しさなど一切無かったように見えたからなのか、涙とか悲しさはなかったが、ただ 大きな大きな寂しさだけが部屋いっぱいに広がった

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